著者
佐々木 恵理
出版者
現代日本語研究会
雑誌
ことば (ISSN:03894878)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.36-53, 2019-12-31 (Released:2019-12-31)
参考文献数
9

1980年代にセクシュアルハラスメントの概念が日本に導入され、短縮語の「セクハラ」はハラスメントの実態を一気に広めることに貢献した。その後、セクシュアルハラスメントの「ハラスメント」が切り取られて、多くの造語(ハラスメント語)が作られてきた。ハラスメント語には、セクシュアルハラスメントの中心的な概念である人権や差別の告発をすることばがある。また、不快感や配慮不足を表すことばや本来のハラスメントの意味を持たない記号化したことばも作られて、「ハラスメント」は乱用されている。今後もハラスメント語は増殖し続けるかもしれないが、さまざまな事象を「ハラスメント」という用語で表現するべきではない。作り出したことばは力(権力)を持つことを意識しながら、告発する新たなことばを探したい。

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https://t.co/LUR5R86RnV ゆっぱり、セクシュアルハラスメントがはじめよな。
佐々木恵理「増殖するハラスメント――「ハラスメント語」を考える」、『ことば』、現代日本語研究会、2019。これはウェブで読めるよ。https://t.co/qmkFAPjtnS
佐々木恵理. (2019). 「増殖するハラスメント ―「ハラスメント語」を考える―」『 ことば』 40, 36-53. (pdf公開されてます。) https://t.co/MccG19pCva
佐々木 恵理 (2019) _ことば_ 40:36-53 ISSN:03894878 / “増殖するハラスメント” https://t.co/c1L6eHNKFc #Japanese #language

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