著者
今井 康雄
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.188-201, 2015 (Released:2016-05-18)
参考文献数
42
被引用文献数
1

エビデンスに基づくことで教育は劇的に改善されるとする主張が興隆しているが、教育の領域でエビデンスはその証拠能力に依拠する限り無力であり、エビデンスの威力はそのレトリック的効果に由来する。エビデンス批判もこのレトリック的効果に目を向けており、教育を支えるに足るエビデンスの可能性は真剣に考慮されていない。「エビデンスに基づく医療」の状況を検討し、エビデンスの概念史を再構成することを通して、エビデンスは教育を支えるのか、それともその基盤を掘り崩すのか、といった二者択一には収まらない、エビデンスと教育の複雑な関係が浮き彫りになる。

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本日で春学期ABモジュールの授業も終了。とにかく怒涛だった3か月もひとまず一段落。本日の大学院「教育政策学特講」では、ここ数回EBPMを軸に深めてきましたが、今日はこちらを起点に議論。自分自身も時間を置いて久しぶりに読み返してみて、発見がありました。 https://t.co/ol4Yy6gmWl
EBMは患者へのResponsibilityだけでなく対外的Accounatbilityが求められることで多義化し,さらにEvidence-based educationにおいては後者が重視されることでかえって批判を招いている…という指摘。(続 https://t.co/L9Oh5WGjbi
何やらエビデンスの連呼が甚だしいですが、科学的根拠をもとにモノを申せという教育界隈の方々は、そもそも科学的根拠の定義をご存知なのだろうか?教育学ほどエビデンスが実証できない学問はないように感じるのだが。だからこそ真摯に向き合うべき https://t.co/a5vGoBLCvO https://t.co/AJtge3Jyeo
J-STAGE Articles - 教育にとってエビデンスとは何か—エビデンス批判をこえて— https://t.co/VHqRtT95uo
今のはこのへんの話だったか?一応メモ。 https://t.co/0aWDozAZRG #jtsj
実験の結果数学的論証であれ、それを是として受け入れるのはそれが「腑に落ち」たり「納得」 できたりする具体的なわれわれ。フッサールはこうした明証性の基盤を「生活世界 」という概念で捉え直した。https://t.co/XvujY9lJtL
今井 康雄 (2015) _教育学研究_ 82(2):188-201 / “教育にとってエビデンスとは何か—エビデンス批判をこえて—” https://t.co/OjIh6LG569 #education #policy
https://t.co/khsqHqdp4R を読む限りでは、そういう話ではなく、単に専門家の業界内の都合っぽい。医学と教育学との間にはさほどのちがいはなく、しいていえば、医学のほうが「強固なエビデンスを手にしていると思える」という点だけか。

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