- 著者
-
坊内 良太郎
小川 佳宏
- 出版者
- 一般社団法人 日本内科学会
- 雑誌
- 日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
- 巻号頁・発行日
- vol.104, no.1, pp.57-65, 2015-01-10 (Released:2016-01-10)
- 参考文献数
- 14
- 被引用文献数
-
2
腸内細菌はエネルギー吸収,腸管免疫など種々の生物学的機能を有する共片生物であり,宿主の代謝や免疫に多大な影響を及ぼす.腸内細菌叢の乱れ(dysbiosis)により短鎖脂肪酸の合成が低下し,腸上皮バリアが破綻,lipopolysaccharide(LPS)の血中への移行を介して全身の慢性炎症が惹起され,肥満・2型糖尿病を発症する.dysbiosisは腸管免疫寛容を破綻させ,1型糖尿病の発症にも関与する可能性がある.治療応用につながるさらなる病態解明が期待されている.