著者
今井 康之 黒羽子 孝太 渡辺 達夫
巻号頁・発行日
2011-04-01 (Released:2011-04-06)

化学物質アレルギーにおいて、抗原感作を強める作用(アジュバント作用)の機構には不明な点が多い。マウス接触性皮膚炎モデルにおけるフタル酸エステルのアジュバント機構について、侵害刺激受容チャネルTRPA1の重要性を明らかにした。作動活性のある既知の天然物、アンタゴニストを用いた実験結果も上記の機構を支持した。アジュバント物質の予測において、TRPA1作動活性の検索が有用であることを、化粧品や薬剤処方に汎用されている代替可塑剤を題材として明らかにした。
著者
長谷川 章 ХАСЭГАВА Акира
出版者
秋田大学教育文化学部
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要 人文科学・社会科学 = Memoirs of Faculty of Education and Human Studies, Akita University. The humanities & the social sciences (ISSN:24334979)
巻号頁・発行日
vol.73, pp.69-75, 2018-02-23

О персонах советской анимации, как Чебурашка, Карлсон, Винни-Пух, русскими и зарубежными зрителями часто указываются свойственное настроение, как грусть, заброшенность. Автор раньше попробовал объяснить о причинах такого настроения с точек зрения одиночества детей, живущих в 60-70-ые годы, и чувств разочарования шестидесятников, которые нашли надежду в оттепели. В настоящей статье автор снова пересматривает о связи между анимацией и советским обществом, включая рассмотрение о вопросах идентичности еврейских аниматоров, которые американский исследователь Кац недавно ставит в своей монографии « Закрывать занавеску: Евреи и золотой век советской анимации »(2016).
著者
長谷川 丈 杉山 大介 熊坂 美紀子 菱沼 美和子 松尾 公美子 井出 壮一郎 田中 聡 鬼頭 剛
出版者
一般社団法人 日本ペインクリニック学会
雑誌
The journal of the Japan Society of Pain Clinicians = 日本ペインクリニック学会誌 (ISSN:13404903)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.144-149, 2008-04-25
参考文献数
10
被引用文献数
7

「電流知覚閾値(患者が感じる最小電気刺激量)」と「痛み対応電流値(痛みと等価の電流量)」から「痛み度」を数値化する知覚・痛覚定量分析装置ペインビジョン<sup>TM</sup>が開発された.疼痛治療の評価におけるペインビジョンの有用性を,治療により疼痛が軽減した16症例(疼痛低下群)と疼痛が軽減しなかった9症例(疼痛不変群)の合計25症例で,視覚的アナログ疼痛スケール(VAS)で評価した痛みの程度(VAS値)との関係から検討した.疼痛低下群では,治療後にVAS値,痛み対応電流値,痛み度は有意に低下し,電流知覚閾値は有意に上昇した.疼痛不変群では,VAS値,痛み対応電流値,痛み度は有意に変化せず,電流知覚閾値は有意に低下した.VAS値と最も強い相関を示したのは痛み度であった.以上より,疼痛の治療前後にペインビジョンで評価することで,痛みという主観的な感覚の変化を,痛み度という数値の変化として表現できることが示された.
著者
川島 ゆり子
出版者
一般社団法人日本社会福祉学会
雑誌
社会福祉学 (ISSN:09110232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.2, pp.26-37, 2015-08-31

本研究は,生活困窮者自立支援に関わる支援ネットワークのあり方について検討を行う.生活困窮者は単に経済的な困窮にとどまらず,多様な社会的排除の状況にあり,その支援には多様な専門機関がネットワークを構築して関わる必要性が生じる.実証研究では調査対象である精神疾患を持つ母子家庭の生活状況の厳しさが明らかになった.支援の狭間に漏れ落ち,先行きが見えないまま苦しむ姿が浮き彫りになり,多くのケースは就労していないにもかかわらず,生活保護受給にも至っていなかった.複合問題を抱える当事者に対してはネットワークによる一体的な支援が求められるが,検証の結果,生活困窮者支援において二つのネットワーク分節化の課題があることが示された.一つは時間による分節化であり,もう一つは専門分野による分節化である.生活困窮当事者の生活保障を継続的に実現するためには,生活困窮者支援に携わるコミュニティソーシャルワーカーに対してネットワークのコーディネート機能を発揮する権限を制度として確立する必要がある.
著者
佐藤 寛之
出版者
一般社団法人 日本応用数理学会
雑誌
応用数理 (ISSN:24321982)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.21-30, 2017 (Released:2017-06-30)
参考文献数
29

This paper deals with Riemannian optimization, that is, optimization on Riemannian manifolds. Theories of Euclidean optimization and Riemannian manifolds are first briefly reviewed together with some simple and motivating examples, followed by the Riemannian optimization theory. Retractions and vector transports on Riemannian manifolds are introduced according to the literature to describe a general Riemannian optimization algorithm. Recent convergence analysis results of several types of Riemannian conjugate gradient methods, such as Fletcher-Reeves and Dai-Yuan-types, are then given and discussed in detail. Some applications of Riemannian optimization to problems of current interest, such as 1)singular value decomposition in numerical linear algebra; 2)canonical correlation analysis and topographic independent component analysis as statistical methods; 3)low-rank tensor completion for machine learning; 4)optimal model reduction in control theory; and 5)doubly stochastic inverse eigenvalue problem, are also introduced.
著者
津野 駿幸 稲本 万里子 小長谷 明彦
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
JSAI大会論文集
巻号頁・発行日
vol.2018, pp.2K202, 2018-07-30

<p>近年,IT技術と芸術を融合した新しい研究領域の試みとして,日本美術の代表となる源氏絵のオントロジーを用いた研究および深層学習を用いた源氏絵の分析などの研究が進められている.本研究では仮想空間技術を利用して,平安貴族が鑑賞したと思われる時代屏風の再現を試みる.時代屏風は背景に金箔が貼られており,平安時代には照明器具として灯明が用いられていた.一般に,芸術作品を灯明のような燃焼を伴う灯りで鑑賞することは安全性の観点から困難である.この問題を仮想空間上で灯明の灯りと金箔からの光源反射を忠実に再現することで解決する.</p>
著者
高野 裕佑 半谷 眞七子 立松 三千子 中村 千賀子 阿部 恵子 藤崎 和彦 亀井 浩行
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.135, no.12, pp.1387-1395, 2015 (Released:2015-12-01)
参考文献数
32
被引用文献数
1

We performed a survey of cancer patients' needs for drug treatment and support from pharmacists during treatment and evaluated the support that cancer patients can expect from community pharmacists in the future. The patients consisted of 16 members of the Cancer Patient Association in Aichi prefecture who underwent chemotherapy. The results of a semistructured group interview were qualitatively analyzed using the grounded theory method. Patients undergoing chemotherapy had high hopes for its effectiveness but were worried about side effects and medical costs. To overcome these problems, they hoped for a decrease in the economic burden, compassionate-use system, and development of novel drugs. The patients had anxiety because the side effects of chemotherapy often caused physical and psychological damage. Despite patients' confusion, pharmacists sometimes did not give adequate explanations to them. The patients expected more from pharmacists regarding medication support and hoped for a system allowing continuous side effect monitoring and consultation without hesitation. For patients undergoing cancer chemotherapy who are confused regarding side effects, pharmacists should understand the patient explanatory model and become more involved with patients as partners in treatment.
著者
吉田 純子
出版者
神戸女学院大学
雑誌
論集 (ISSN:03891658)
巻号頁・発行日
vol.60, no.2, pp.147-157, 2013-12

宮崎駿のアニメ・フィルムは、『千と千尋の神隠し』(2002)で金熊賞(2002)やアカデミー賞(2003)を受賞して以来、グローバルに観客の心を捉えてきた。批評家大塚英二は、『もののけ姫』(1997)をジョセフ・キャンベルの標準化された英雄の旅(原質神話)の枠内で論じて、この作品がウォルト・ディズニー・カンパニーとの提携によって、メディア・グローバリゼーションの波に乗ったと主張する。それは宮崎が「スターウォーズ / キャンベル」タイプの英雄の神話的冒険の基本パターン(離別・イニシエーション・帰還)に従って物語構造を変えてしまったからであると言う。しかし、『もののけ姫』には、物語構造にいくつかの変型があり、母性的要素が充満していることはその一つである。文化人類学者メアリー・ダグラスは、身体を社会の象徴と見ながら、「社会構造に内在すると信じられている能力や危険が凝縮して人間の肉体に再現されている」と述べている。本稿は、宮崎の『もののけ姫』『千と千尋の神隠し』『崖の上のポニョ』(2008)での豊かな身体的表象に注目し、多様な身体とそれらを養い、再生させる母胎のような容れものが、いかに社会的関係を象徴的に表しているかを検証する。注目すべきは、宮崎作品が様々な既存テクストーフランスの文芸おとぎ話「美女と野獣」、アーシュラ・K・ル=グィンの「ゲド戦記」、クリスチャン・アンデルセンの「人魚姫」「雪の女王」、そして日本の民話「安珍と清姫」などーと間テクスト性をもつことである。また、宮崎の作品は、日本の観衆にノスタルジーを喚起する馴染み深い日本的な場所に設定されている。ディズニー配給による宮崎作品のグローバル的流通は、商品売り上げの増大だけが目的なのだろうか。本稿は、ポストコロニアル視点からこの疑問を取り上げ、宮崎による彼自身の「文化の場所」の創出について検証する。
著者
矢田 陽子
出版者
尚美学園大学
雑誌
尚美学園大学総合政策論集 (ISSN:13497049)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.65-79, 2014-06-30

本稿は、2008年に日本映画として海外で高い評価を受けた「おくりびと」の英語字幕・スペイン語字幕をコーパスに、記号学的且つ翻訳学的関連から分析し、我々がどのように意味を認識するのか、そしてそれを踏まえて翻訳者はどのような判断をして訳を作り出しているのかを検証する。基本的記号学理論や近年の記号学者による定義などを用いる検証により、意味の認識と翻訳の関係や言語文化の差異と翻訳の関係性について確認できるとともに、翻訳者の役割についても考察していく。