著者
柳 学済 堀田 美保 唐沢 穣
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
(Released:2018-01-20)
参考文献数
23

個人間の罪悪感研究では,関係の維持が必要となる被害者に対しては,関係を修復するために罪悪感が生じやすいことが示されている。本研究では集団間においても同様に,集団間の相互関係が予期される外集団に対して,集団間の関係修復のために集合的罪悪感が生じやすいか否かを検討した。また,これまでの集合的罪悪感研究で一貫した結果が得られていない集団同一視の影響に対して,集団間の相互作用が調整効果を持つかどうかを検討した。60名の大学生を対象に小集団による得点の分配ゲームを行い,参加者は内集団との同一視(高vs.低)×外集団成員との相互作用の予期(ありvs.なし)の4条件のいずれかに割り当てられた。ゲーム内での内集団成員の外集団に対する不公正な分配により,すべての参加者に対して,集合的罪悪感を喚起させた。集団同一視の操作は,ゲーム内での分配における内集団成員の公正さの程度により行い,集団間の相互作用は,外集団への不公正な分配が行われたのちに外集団成員と共にゲームをするか否かを予期させることにより操作した。実験の結果,集団間の相互作用が予期される場合には,集団と同一視する集団成員において強い集合的罪悪感が生起し,相互作用が予期されない場合には,罪悪感が生起しない傾向が明らかにされた。
著者
Tetsuya Kawano Ryuichi Kawamura
出版者
Meteorological Society of Japan
雑誌
SOLA (ISSN:13496476)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.1-5, 2018 (Released:2018-01-18)
参考文献数
21

To investigate the influence of the distribution of sea ice in the Sea of Okhotsk on the behavior of a severe snowstorm, which occurred in Hokkaido, Japan, on 2 March 2013 and which was associated with an explosive cyclone, three WRF simulations with realistic, reduced, and enhanced sea ice-cover were carried out. A comparison among these experiments reveals that the extent of the sea ice influenced low-level temperatures and winds to the rear of the cyclone center during the development of the explosive cyclone over the Sea of Okhotsk. Sea ice insulates the ocean from heat exchange with the atmosphere. As a result, when the Okhotsk sea ice extent reaches Hokkaido Island, cold air masses from the north traverse the island without first being heated by the ocean. The consequent temperature reduction produces a low-level higher pressure region to the rear of the cyclone center. As a result, a large geopotential gradient is generated just to the rear of the cyclone center, and low-level winds are intensified within this region. Therefore, the Okhotsk sea ice extent reaching Hokkaido Island plays a significant role in lowering temperatures and intensifying winds in the island.
著者
Cian P. McCarthy James L. Januzzi Jr Hanna K. Gaggin
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
(Released:2018-01-13)
参考文献数
30

Type 2 myocardial infarction (T2MI) refers to myocardial necrosis caused by an imbalance in myocardial oxygen supply and demand and in the absence of acute coronary thrombosis. Despite growing recognition of this entity, there remains little understanding of the pathophysiology and uncertainty over the diagnostic criteria for this subtype of MI. Alarmingly, recent studies suggest that a diagnosis of T2MI pertains a prognosis similar to, if not worse than, type 1 MI. With increasing clinical use of high-sensitivity cardiac troponin assays, the frequency of recognition of T2MI is expected to increase. Yet, there remains a scarcity of prospective studies examining this cohort of patients, let alone randomized clinical trials identifying optimum treatment strategies. Further evaluation of the prevalence, pathophysiology and management of this patient cohort is warranted by the scientific community.
著者
荒牧 美佐子 無藤 隆
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.87-97, 2008-08-10 (Released:2017-07-27)
被引用文献数
3 or 0

本研究の目的は,末就学児を持つ母親の抱く育児への否定的・肯定的感情とその関連要因について明らかにすることである。子どもを首都圏の幼稚園・保育所に通わせる母親に質間紙調査を行い,有効であった733名の回答に基づいて分析を行った。育児への否定的・肯定的感情に関する項目として,住田・中田(1999)の尺度を用い,確認的因子分析を行った結果,育児への「負担感」「育て方/育ちへの不安感」「肯定感」とに分かれることが確認された。そして,各々の関連要因について分析を行った結果,主に以下のことが明らかになった:(1)「負担感」は,末子の年齢が高いほど高く,夫や園の先生・友人らのサポートが多いほど低い。また,幼稚園群の方が保育所群よりも,専業主婦の方が有識者よりも高い傾向が見られる。(2)「育ちへの不安感」は男児を持つ母親で高い傾向にあり,「育て方への不安感」は夫からのサポートが多いほど低い。「育て方/育ちへの不安感]ともに情報サポートが多いほど高い。(3)「肯定感」は,夫や園の先生・友人らのサポートが多いほど高い。以上,「負担感」「育て方/育ちへの不安感」「肯定感」の関連要因は一部重複しつつも,それぞれに違いがあることが確認された。
著者
野波 寬 蘇米雅 哈斯額尓敦 坂本 剛
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.53, no.2, pp.116-130, 2014 (Released:2014-03-18)
参考文献数
32
被引用文献数
3 or 0

正当性とは,自他がコモンズの管理に関与する権利の承認可能性と定義され,その規定因として,法規などの制度にもとづく準拠枠である制度的基盤と,自他の専門性などへの主観的評価である認知的基盤が提起される。本研究では,内モンゴル自治区における牧民・行政職員・都市住民の間での,牧草地の管理権をめぐる正当性の相互承認構造を検討した。牧民が認知的基盤に依拠して自らの正当性を承認する一方,行政職員は制度的基盤より彼らの正当性を否認するなど,三者間には正当性の判断に不一致が見られた。コモンズの管理など多様な人々の利害にかかわる公共政策の決定において,正当性の相互承認に焦点をあてることの重要性について議論した。
著者
古賀 文洋
出版者
日本海洋学会
雑誌
日本海洋学会誌 (ISSN:00298131)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.16-20, 1968-02-29 (Released:2011-06-17)
参考文献数
7

橈脚類には他の甲殻類にみられるように産卵後, 卵塊や卵嚢を体の一部に付着させる種類と水中に浮遊性卵を産出するものとがある.本論では境脚類の浮遊性卵についてC. GROBBEN, J. SφMME, S. M. MARSHALL etc. によって記載されたCalanus 類, M. OBERGによるCentropages, M. W. JOHNSONによるTortanusの卵などに著者が観察した数種類の卵を記載し考察を加えた.浮遊性卵には特別な浮遊適応をしたものと, しないものがある. 浮遊適応をしない卵で典型的なものはCalanidaeの卵である. 浮遊適応をした卵には膠質状のケースの中にあるEucalanus, 刺やいぼ状の突起を持つCentropagesや赤道面が平板状になったケースを持つTortanusの卵などがある.
著者
鈴木 啓太 横山 正典 吉田 成朗 望月 崇由 布引 純史 鳴海 拓志 谷川 智洋 廣瀬 通孝
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.52-60, 2018-01-15

本研究では,カスタマーセンタや,遠隔授業などの遠隔コミュニケーションにおいて,対話相手との同調的な感情表出を支援するビデオチャットシステムを提案する.他者の表情を模倣する「ミラーリング」は,他者と友好な関係を築くうえで有効である.しかし,継続的な感情の表出と抑制には本人の意識的な努力を必要とする場合があり,感情労働による消耗を助長させる恐れがある.他方,遠隔コミュニケーションにおいては,ビデオチャットのような情報メディアを介する段階でコミュニケーションに関する要素に情報的変調を加え,感情表出を補助することで対話者間の共感を深めて,コミュニケーションを拡張することができると考えた.本研究では,表情認識センサによって取得した自身の表情と同調するように,対話相手の表情を画像処理によって変化させることで,疑似的なミラーリングを発生させる.提案システムを用いた評価実験として,表情変形が施される模倣者と,自身の表情と同調した表情変形を観測する被模倣者のペアで会話してもらった.その結果,模倣者と被模倣者の両者に対して,会話の円滑さや,共感度の指標が向上することが示唆された.疑似的なミラーリングの効果が,被模倣者だけでなく,模倣者に対しても影響していることが分かった.
著者
Akira Tanaka Reynald Affeldt Jacques Garrigue
出版者
Information Processing Society of Japan
雑誌
Journal of Information Processing (ISSN:18826652)
巻号頁・発行日
vol.26, pp.54-72, 2018 (Released:2018-01-15)
参考文献数
30

Our goal is the production of formally-verified pieces of low-level code. Low-level code is typically written in C, so as to enable efficient manipulation of data at the bit-level and easy access to built-in features of CPUs. Proof-assistants arguably provide the most rigorous approach to formal verification of computer programs. Unfortunately, they only allow for extraction of runnable code in high-level languages such as ML. Of course it is possible to embed C snippets into ML programs, but this results in a complicated extraction process and the performance of the output program becomes difficult to anticipate. In this paper, we propose a new code generation scheme for the Coq proof-assistant that directly generates provably-safe C code. It is implemented in the form of plugins. The generation of C source code is done by a plugin performing beforehand monomorphization of Coq programs. The correctness of monomorphization can be proved within Coq. Code generation allows for user-guided changes of data structures. It is therefore possible to do formal verification using proof-friendly data structures, while enjoying optimized C representations in the output code. In order to ensure the safety of this transformation, we propose a new customizable monadification algorithm in the form of another plugin. Using monadification, one can ensure by the insertion of the right monads the preservation of critical invariants, such as the absence of overflows or complexity properties. We provide several examples to illustrate our approach, including a realistic use-case: the rank algorithm from succinct data structures.

4 4 4 0 OA 朝日年鑑

著者
朝日新聞社 [編]
出版者
朝日新聞社
巻号頁・発行日
vol.昭和5年, 1933
著者
Tetsuo KIMURA Naoki MUGURUMA Tatsuzo ITAGAKI Yoshitaka IMOTO Masako KAJI Hiroshi MIYAMOTO Seisuke OKAMURA Tetsuji TAKAYAMA Jouji SHUNTOU
出版者
Japan Gastroenterological Endoscopy Society
雑誌
GASTROENTEROLOGICAL ENDOSCOPY (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.50, no.6, pp.1448-1454, 2008-06-20 (Released:2011-05-09)
参考文献数
20

症例は63歳,男性.つるし柿6個を一度に食べた後に,腹痛・嘔吐が出現し近医を受診した.上部消化管内視鏡検査にて6cm大の胃石を認めた.柿胃石と判断し,近年の報告を参考にコカ・コーラの経口摂取や内視鏡下にERCP力ニューレを用いて直接散布などを行ったところ,数個の破片に崩壊,消失する経過が内視鏡的に観察された.本疾患に対するコカ・コーラによる溶解療法は安全かつ簡便で,医療経済的にも有用な方法であると考えられた.
著者
谷崎潤一郎 作
出版者
春陽堂
巻号頁・発行日
1919
著者
ロッシャデソウザ ルシオマヌエル
出版者
東京外国語大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2014-08-29 (Released:2014-09-09)

本研究では、ポルトガル、メキシコなどに残る異端審問記録の分析を主におこなった。とりわけ、16世紀後半に日本に滞在したポルトガルのユダヤ系商人であるペレスという一家に関する記録を中心に分析し、そこから当時の長崎におけるコンベルソ商人のコミュニティの存在や、日本人を含む奴隷の生活などが明らかとなった。その成果を英語の単著で公刊した。さらに、ポルトガル人のアジア(とくに日本)における奴隷貿易について、複数の論文を刊行した。そこでは、16~17世紀の南欧語史料の分析をおこない、世界各地でおこなわれた日本人奴隷の取引に関する記録を紹介した。これらの研究の一部は日本語で出版される。
著者
川合 厚子 阿部 ひろみ
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.54, no.9, pp.626-632, 2007 (Released:2014-07-03)
参考文献数
19
被引用文献数
1 or 6

背景 これまで精神科における喫煙の問題は日本においてだけではなく世界的に“neglected problem(無視されてきた問題)”であった。精神障害者は喫煙率が高く,多喫傾向にあり,禁煙しにくいといわれている。また,精神科医療職も喫煙率が高いことが指摘されている。目的 精神障害者の喫煙状態を把握し,禁煙支援の需要があるかを知る。また,精神科医療従事者の喫煙状態を把握し,喫煙に対する意識を知ると共に喫煙問題への意識を高め,職場環境の改善へつなげる。方法 2001年12月~2002年 5 月に単科精神科病院である医療法人社団公徳会佐藤病院に通院又は入院していた統合失調症・気分障害・アルコール依存症のいずれかを持つ患者296人と同院職員222人に,それぞれ喫煙実態調査を行った。結果 対象患者における喫煙率は,統合失調症では男77.4%,女39.3%,双極性気分障害では男87.5%,女100%,うつ病では男は69.6%,女5.4%,アルコール依存症では男86.7%,女100%であった。喫煙者のうち78.1%がニコチン依存症であった。また,喫煙者の75.7%は禁煙に興味を持ち,49.0%は禁煙を希望しており,精神科においても禁煙支援の需要の高いことがわかった。職員においては,喫煙率は45.5%(男76.6%,女29.0%)と高く,とくに若い年代で喫煙率が高かった。喫煙開始年齢は18歳と20歳にピークがあった。1 日20本以下の喫煙者が80%を占め,40本以上の喫煙者はいなかった。喫煙者の91.1%は自分の吸うタバコがまわりに迷惑をかけていると認識していた。しかし職場内全面禁煙となった際,対処が難しいと答えたものは66.3%,近々やめたいという禁煙希望者は24%にすぎなかった。一方,非喫煙者のうち職場のタバコで悩まされている者は29.8%,タバコの煙を嫌だと思う者は76.0%であった。喫煙しないで欲しい場合喫煙者にそれを言える者は,相手によると答えた15.7%を含め,22.7%であった。喫煙対策を是とするものは職員全体の80.0%であった。医療従事者として,喫煙問題に対する意識が不十分であることが窺われた。結論 精神障害者の喫煙率とニコチン依存症の割合は高かったが,禁煙希望者も半数近くあり,禁煙支援の需要の高いことがわかった。精神科医療従事者は喫煙率が高く,喫煙問題に対する認識が低かった。
著者
鈴木 通夫
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.193-210, 1982-07-26 (Released:2008-12-25)
参考文献数
55