著者
谷津 直秀
出版者
東京動物學會
雑誌
動物学雑誌
巻号頁・発行日
vol.44, no.529, pp.447-448, 1932
著者
虫明 淑子 髙橋 敏之
出版者
一般社団法人 日本保育学会
雑誌
保育学研究 (ISSN:13409808)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.20-31, 2016 (Released:2017-03-22)
参考文献数
21

本論では就園と同時期に子どもの発達障害の診断告知を受けた母親と教師との間で行った交換日記の記述から,1 年間の母親の障害受容の過程を明らかにした。量的分析の結果から,母親が肯定感情を高めた時期は,1 学期と 2 学期後半であると特定した。さらに質的検討を加えると,母親の障害受容が促進した要因は,①ペアレントメンターの効果,②子どもの目に見える成長,③子ども理解と問題行動への対応力,④非言語のやりとりにおける成長の確認,等が確認できた。母親が主体的に障害受容を進められるようになるためには,障害受容初期に接見した支援者の役割は最重要である。
著者
臼井 昭子 佐藤 克美
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.Suppl., pp.129-132, 2017-04-01 (Released:2017-03-06)
参考文献数
9

美術科では言語活動を取り入れた鑑賞学習が重視されてきている.一方で,作品提示機器が充実していないなどの課題を抱えている.そこでインタラクティブな機能を持つ鑑賞用教材“D-FLIP Paintings”を開発した.本稿では,それを用いた鑑賞学習が意見の交流を喚起し新しい気付きをもたらすかについて明らかにするため,高校生6名2グループを対象に鑑賞の学習を行った.そして,生徒の発話を可視化した共起ネットワーク図や発話回数等を分析・考察したところ,インタラクティブな機能が意見の交流を活性化し新しい気付きをもたらした可能性があることがわかった.
著者
白倉 毅
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学雑誌 (ISSN:00480444)
巻号頁・発行日
vol.27, no.6, pp.1041-1053, 1960-06-15 (Released:2010-10-14)
参考文献数
45
著者
茂庭 仁人 湯藤 潤 本江 環 進士 靖幸 永原 大五 高橋 亨 林 学 佐藤 直利 鹿野 泰邦
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.555-560, 2008-06-15 (Released:2013-05-24)
参考文献数
20

症例は49歳,女性.2006年4月に急性下壁心筋梗塞を発症し右冠動脈(#2)にシロリムス溶出ステントを留置した.術後の抗血小板療法としてアスピリン100mg,チクロピジン200mgを投与開始した.6カ月後の確認冠動脈造影ではステント内再狭窄を認めなかったが,遅発性ステント血栓症予防のため,アスピリン,チクロピジンは継続投与していた.2007年3月,月経による大量出血をきたし,意識障害を主訴に救急外来を受診.Hb 3.5g/dLと高度な貧血を認め頭部MRIでは多発性脳梗塞を認めた.輸血やエダラボン点滴など保存的に治療し,軽度の構音障害が残存したものの軽快退院となった.抗血小板薬投与中の出血性合併症はしばしば経験するが,月経出血による重篤な合併症の報告は稀である.閉経前の女性に対する抗血小板療法中には慎重な観察が重要であると考えられた.
著者
番 雅司
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05272997)
巻号頁・発行日
vol.59, no.1, pp.103-118, 1992-10-20

この論文は国立情報学研究所の電子図書館事業により電子化されました。
著者
寺杣 雅人
出版者
尾道短期大学
雑誌
尾道短期大学研究紀要 (ISSN:02875764)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.370-334, 1993
著者
Takafumi Hiro
出版者
日本循環器学会
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
pp.CJ-17-0416, (Released:2017-04-27)
参考文献数
12
被引用文献数
2

The 66thAnnual Scientific Sessions and Expo of the American College of Cardiology (ACC) were held at the Walter E. Washington Convention Center, Washington DC, from March 17thto 19th, 2017. This meeting offered 23 Late-Breaking Clinical Trial (LBCT) presentations, 17 Featured Clinical Research presentations with and without LBCT, and 2,572 abstracts presented in oral and poster sessions by over 2,000 experts. This report presents the highlights of this meeting, including the opening showcase, several important LBCTs and some international joint symposiums.
著者
恒川 正巳
出版者
富山大学人文学部
雑誌
富山大学人文学部紀要 (ISSN:03865975)
巻号頁・発行日
no.59, pp.121-134, 2013

E. M. フォースター(E. M. Forster)の『眺めのいい部屋』(A Room with a View)は,1908 年に彼の3番目の小説として出版された。ただし,執筆が開始されたのは彼の小説のなかでは最も早く,作品の構想を記したメモが1901 年から翌年にかけて作成されている。完成までの6 年間にフォースターは執筆を2度やり直し,その結果『眺めのいい部屋』は姉妹版ともいうべき物語を2つ持つことになる。アビンジャー版フォースター著作集の1 冊The Lucy Novelsに収められているこの2作品は,通常「旧ルーシー」("Old Lucy") ,「新ルーシー」("New Lucy")と呼ばれる(Stallybrass vii-ix)。どちらの作品も断章や矛盾する記述を含んでいて物語としては未完成ではあるが,『眺めのいい部屋』のいわば別バージョンとして興味深い。『眺めのいい部屋』を含むこれらの3作品は,主人公ルーシーをはじめ主要な登場人物や物語世界をかなりな程度まで共有しつつも,はっきり異なる部分を持つ。たとえば,「旧ルーシー」のストーリーは,フィレンツェに滞在する英国婦人たちが企画するチャリティ・コンサートをめぐって展開するが,この出来事は『眺めのいい部屋』には採用されていない。「新ルーシー」においては,『眺めのいい部屋』でルーシーと結婚し,物語を幸福に締めくくるのに欠かせない登場人物のジョージ・エマソンが,ルーシーとの結婚直前に事故死してしまう。3作品はきわめて近い関係にあり,たとえその創作にまつわる事実をまったく知らない読者が読んだとしても,その共通する要素に容易に気づくことができるだろう。一方で3作品は矛盾する内容を持つため,1つの物語世界に並存することはできない。「旧ルーシー」,「新ルーシー」,『眺めのいい部屋』は,不安定な間テクスト関係を結びながら,たがいの物語の潜在要素を浮かび上がらせている。 3作品のこうした特質を解明する考察の一環として,本論では「旧ルーシー」と『眺めのいい部屋』の主要登場人物の特性の変化を分析する。「旧ルーシー」の主人公ルーシー(以下,区別する必要がある際には旧ルーシーと呼ぶ)と彼女の友人アーサー氏に,『眺めのいい部屋』のルーシーとジョージには見られない,どのような特性が賦与されているのかを確認する。結論を先取りして述べると,旧ルーシーは,『眺めのいい部屋』のルーシーにくらべて物語冒頭から独立心が強く,現状への不満を強く意識している。主人公のこの特性にふさわしい結末として,「旧ルーシー」はルーシーがみずからの決断でフィレンツェを離れることで一応の終わりを見る。アーサー氏は,ジョージにくらべて,その知的,芸術的特性が強調されている。画業を志しイタリアへやって来た彼は,思索の結果,進むべき道が別にあることに気づく。旧ルーシーがそうであるように,アーサー氏もジョージにくらべてずっと内省的である。以下,こうした点を具体的に確認するにあたって,本論はまず,登場人物を考察するための分析アプローチのあり方を概観する。その際とくに,ユーリ・マーゴリン(Uri Margolin)が可能世界意味論の観点から物語世界の人物について考察した一連の論文に注目する。
著者
橋本 恭之 木村 真
出版者
関西大学経済学会
雑誌
関西大学経済論集 = Economic review of Kansai University (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3, pp.303-321, 2015-03

本稿の目的は、夕張市における公営事業と国保事業の現状と課題をあきらかにすることである。本稿で得られた結果は、以下のようにまとめることができる。第1に、財政破綻後の観光施設の運営方法として採用された指定管理者制度は、さまざまな課題を抱えていることがあきらかになった。指定管理者制度のもとで観光施設の延命を図るよりも、民間への売却ないし無償譲渡を優先して考えていくべきだろう。第2に、夕張市の病院会計の赤字は、診療所に縮小することで解消が図られてた。しかし、老朽化に伴い移設計画が検討されているものの、市の人口中心地への移設はへき地医療の指定がはずれてしまうなどの課題を抱えている。第3に、夕張市の国保事業会計は、赤字が解消されている。ただし、2010年度以降、赤字解消により保険料が引き下げられ、受診率と 1人あたり医療費も上昇傾向にあることから今後注意が必要である。第4に、夕張市の下水道事業は、一般会計からの繰り出し不足、利用者の伸び悩みなどにより多額の累積赤字を抱えるに至った。地方都市においては、インフラ整備の優先順位を考える必要があることがわかった。
著者
黒川 隆夫
出版者
医用画像情報学会
雑誌
医用画像情報学会雑誌 (ISSN:09101543)
巻号頁・発行日
vol.13, no.3, pp.90-102, 1996 (Released:2012-08-27)
参考文献数
13

Human bodies work as important media for communication between humans and between humans and machines. Especially nonverbal messages by means of the human body convey more information than verbal ones, and besides, they have functions to control dialogues. Computer graphics (CG) representation of human bodies are, therefore, indispensable in order to make network - mediated communication and communication with computers natural to participants. In this paper types of CG representation of the human body is classified into four categories; 1) precise representation of human body shape,2) human body representation as communication media,3) human body representation as feedback information for human interface, and 4) multivariate data repersentation using human body appearance. The former three types are described by using examples.
著者
日置 俊次
出版者
日本文学協会
雑誌
日本文学 (ISSN:03869903)
巻号頁・発行日
vol.47, no.6, pp.49-59, 1998-06-10

村上春樹の作品には「井戸」や「闇」のイメージが頻出する。その原点には、村上が若いころに入り浸った映画館の闇の体験がある。「闇」は、まず「歴史性」を拒絶するものとして、作品に描かれる。『ねじまき鳥クロニクル』にも、「井戸」や「闇」は重要なイメージとして登場する。しかしこの作品では、村上は「歴史性」に接近しようとしている。こうした村上の転換には、映画『羊たちの沈黙』の影響を指摘することができる。