- 著者
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山崎 晴雄
佃 栄吉
奥村 晃史
衣笠 善博
岡田 篤正
中田 高
堤 浩之
長谷川 修一
- 出版者
- 日本地質学会
- 雑誌
- 地質学論集 (ISSN:03858545)
- 巻号頁・発行日
- no.40, pp.129-142, 1992-12-15
- 被引用文献数
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6
中央構造線(MTL)は西南口本を南北に二分する主要な地質構造線である。この断層は第四紀における日本で最大級の右横ずれ活断層でもある。その活発な活動度にも拘らず, MTLに沿っては歴史地震の発生は知られていない。長期的な地震予知や災害アセスメントに有効な最近の地質時代における断層の運動史を知るため, 1988年の夏中央構造線活断層系の一部である西条市近傍の岡村断層でトレンチ発掘調査を行なった。5つの小トレンチとそれらを繋ぐ細長い溝で構成される調査トレンチでは, 更新世末から歴史時代までの5つの地層ユニットと, それらの顕著な断層変位が認められた。各ユニットの堆積時期は地層中に含まれる有機物試料の^<14>C年代と土器片の考古学的編年によって決定された。断層は2000年前〜4世紀に堆積したIIIb層を切り, 7世紀以降に堆積したIIIc層に覆われるので最終活動時期は4〜7世紀と推定された。この値は1984年に行なわれた同じ断層の発掘調査結果と一致する。また, これ以外の断層活動時期も地層の不整合や変形構造に基づいて識別された。