著者
橋田 哲士 長神 大忠 上田 佳代子 西角 知也 中川 大輔 瀧田 豊治 栗田 大資 上道 幸史 深井 正輝 久保田 浩 上田 かおる 大江 智子 奥田 和男 楠 比呂志 土井 守
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.847-851, 2006-08-25
被引用文献数
3

雌バーラル(Pseudois nayaur)の血中プロジェステロン(P_4)濃度の年変動を調査し,繁殖季節や発情周期,春機発動などバーラルの繁殖生理を明らかにしようとした.雌バーラル9頭から週1〜2回血液を採取し,ラジオイムノアッセイによりP_4濃度を測定した.血中P_4濃度は,11月または12月(冬)から5〜6月(晩春)までの期間のみ周期的に変動した.この変動に基づく発情周期は,平均24.9±0.5日間であった.血中P_4濃度の上昇開始期前後に,他の雌を追い回す行動や外陰部からの粘液漏出が認められ,これらはバーラルの発情を示す外見的指標になると考えられた.交尾後,妊娠した個体の血中P_4濃度は,周期性を失い,高い値を維持した.調査した37出産例において,出産は4〜9月の間にみられ,5月と6月に全体の約70%が集中していた.出産年月日から推定した受胎時期は10〜4月で,12月が54%と最も多かった.12月は,血中P_4濃度の変動期間の初期にあたることから,ほとんどのバーラルは繁殖季節開始後の早い時期に妊娠し,妊娠しない場合は約25日間の発情周期を繰り返していることが明らかとなった.

言及状況

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こんな論文どうですか? 雌バーラルの血中プロジエステロン濃度の動態と出産時期に基づく繁殖周期(臨床繁殖学)(橋田哲士ほか),2006 http://id.CiNii.jp/UMibL

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