著者
小野 正揮 新舎 博 中川 大輔 丸岡 弘晃 堤 彩人
出版者
Japan Society of Civil Engineers
雑誌
土木学会論文集C(地圏工学) (ISSN:21856516)
巻号頁・発行日
vol.71, no.4, pp.365-379, 2015

東京都新海面処分場は東京港内の最後の廃棄物処分場であり,できるだけ長く利用することが求められている.そこで,Cブロックにおいて,粘土の減容化施工を実施した.施工は幅150 mm×厚さ3.9 mmのPBDを1.8 m間隔の正方形配置で,平均A.P. +1.5 m~-33.8 mまで水上から打設し,-65 kN/m<sup>2</sup>の負圧を310日間継続して作用させるものである.工事は2005年度の試験施工から始め,本施工は2007年度~2015年度まで実施した.施工面積は38.3万m<sup>2</sup>であり,平均沈下量は5.13 m,総沈下容積は216.7万m<sup>3</sup>である(2015年4月の推定値).この沈下容積は東京都の浚渫土埋立処分計画量の約2.3年分に相当する.本文は地盤工学の観点から,減容化施工とその効果について,総合的にまとめたものである.
著者
橋田 哲士 長神 大忠 上田 佳代子 西角 知也 中川 大輔 瀧田 豊治 栗田 大資 上道 幸史 深井 正輝 久保田 浩 上田 かおる 大江 智子 奥田 和男 楠 比呂志 土井 守
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.68, no.8, pp.847-851, 2006-08-25
被引用文献数
3

雌バーラル(Pseudois nayaur)の血中プロジェステロン(P_4)濃度の年変動を調査し,繁殖季節や発情周期,春機発動などバーラルの繁殖生理を明らかにしようとした.雌バーラル9頭から週1〜2回血液を採取し,ラジオイムノアッセイによりP_4濃度を測定した.血中P_4濃度は,11月または12月(冬)から5〜6月(晩春)までの期間のみ周期的に変動した.この変動に基づく発情周期は,平均24.9±0.5日間であった.血中P_4濃度の上昇開始期前後に,他の雌を追い回す行動や外陰部からの粘液漏出が認められ,これらはバーラルの発情を示す外見的指標になると考えられた.交尾後,妊娠した個体の血中P_4濃度は,周期性を失い,高い値を維持した.調査した37出産例において,出産は4〜9月の間にみられ,5月と6月に全体の約70%が集中していた.出産年月日から推定した受胎時期は10〜4月で,12月が54%と最も多かった.12月は,血中P_4濃度の変動期間の初期にあたることから,ほとんどのバーラルは繁殖季節開始後の早い時期に妊娠し,妊娠しない場合は約25日間の発情周期を繰り返していることが明らかとなった.