- 著者
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大山 牧子
田口 真奈
- 出版者
- 日本教育工学会
- 雑誌
- 日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
- 巻号頁・発行日
- vol.37, no.2, pp.129-143, 2013
- 被引用文献数
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3
本研究では,大学のアクティブ・ラーニング型のコースにおいて教員が自らのコースの中で,グループ学習をデザインするための手がかりとなる枠組みをグループ学習の類型化とプロセス分析を通して提示することを目的とする.まず,大学における32のグループ学習実践事例を「事前作業」の有無と「事後作業」の在り方に着目して整理したところ(A)交流型,(B)意見獲得型,(C)課題解決型,(D)主張交換型,(E)理解深化型,(F)集約型という6類型が抽出された.さらに本類型が学生の学習プロセスに与える影響を検討した.具体的には(C)課題解決型と(F)集約型に関して,異なるグループ学習課題を遂行した同一グループを対象に,1コースの授業観察を行い,学生の学習プロセスを分析した.その結果,グループ学習の「事前作業」の有無は学生の既有知識,「事後作業」の在り方はコースの学習能力目標の設定と関連することが明らかになった.