著者
谷山 茂人 柴野 啓輔 ニー ライミトナ 篠原 充 高谷 智裕 荒川 修
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大學水産學部研究報告 (ISSN:05471427)
巻号頁・発行日
vol.91, pp.1-3, 2010-03

これまでシロサバフグは一般に無毒種とみなされてきたが、萩市近海産同種の肝臓266個体の毒性を調査したところ、6.0%の個体に2.0MU/g以上のマウス毒性が認められた。毒力は総じて低く、いずれも10MU/g未満であった。日本近海産のシロサバフグは微量ながら肝臓に毒をもつことがあり、食品衛生上注意を要することが示された。
著者
ニー ライミトナ 谷山 茂人 柴野 啓輔 余 振輝 高谷 智裕 荒川 修
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.361-365, 2008
被引用文献数
20

カンボジア・シアヌークヴィル沿岸に生息する<i>Lagocephalus</i> 属フグ3種,シロサバフグ<i>L. wheeleri</i>&ensp;(20個体),モトサバフグ<i>L. spadiceus</i>&ensp;(15個体) およびドクサバフグ<i>L. lunaris</i>&ensp;(82個体) 計117個体につき, マウス試験法により部位別毒性を調べたところ,シロサバフグとモトサバフグは全個体が無毒(2 MU/g未満),ドクサバフグは全個体ないしロットが有毒であった.最高毒性値は, 皮 25 MU/g, 筋肉 67 MU/g, 肝臓 257 MU/g, 腸 127 MU/g, 精巣52 MU/g, 卵巣238 MU/gで,いずれも食用可否の目安となる10 MU/gを上回っていた.LC/MS分析により,毒の本体はフグ毒テトロドトキシン(TTX)と関連成分で,TTXがマウス毒性の80%以上を占めることが示された.