- 著者
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若菜 宣明
軣木 喜久江
一場 博幸
田中 越郎
樫村 修生
本間 和宏
- 出版者
- 日本健康医学会
- 雑誌
- 日本健康医学会雑誌
- 巻号頁・発行日
- vol.24, no.2, pp.171-177, 2015
近年,健康の維持・増進を主眼としたヘルスツーリズムが注目されている。宿泊施設の食事は,栄養成分表示がされていることが少なく,また,ヘルスツーリズムでの利用に適しているか検討した報告も見られない。本研究では,群馬県片品村の4つの宿泊施設の食事がヘルスツーリズムの食事として適しているかどうかについて検討した。対象には50代男性を想定し,これに対して日本人の食事摂取基準(2015年版)で設定されているエネルギーおよび各栄養素の目標量ないし推奨量を50代男性基準値として,片品村の4施設にて実際に提供された夕食と朝食のエネルギー量および各栄養素量を比較検討した。また,現在の日本人の食生活状況と比較するため平成25年度国民健康栄養調査結果の全国平均値との検討も併せて行った。片品村の宿泊施設の食事は,ミネラルやビタミン,食物繊維が豊富であり,エネルギーや各栄養素を十分補給できる内容であった。しかし,脂質やたんぱく質エネルギー比率,食塩が多かった。そのため,宿泊施設の食事の食塩を減らし,炭水化物主体の軽食を昼食に摂ることで,宿泊施設の食事はヘルスツーリズムでの食事として健康の維持増進に寄与できると考えられた。したがって,片品村の宿泊施設の食事は,宿泊施設の食事の食塩を減らし,昼食を炭水化物主体の軽食にすることで,ヘルスツーリズムに適した食事になると考えられた。