著者
一小路 武安
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.4-18, 2018-03-20 (Released:2018-06-18)
参考文献数
34

本研究では,危機状態と危機寸前状態の組織パフォーマンスへの影響要因の違いを分析するに,定量分析と定性分析を主とした事例分析という二段階手法を用いた.定量分析においては,リーダー変更・危機疲れが悪影響を与えるが,その度合いは状態に依存することを示した.事例分析においては,危機疲れがあるなかでのリーダー変更が好影響を与えるには,危機状態では新リーダーの特性が,危機寸前状態では迅速なリーダー変更が重要であることを示した.
著者
一小路 武安 勝又 壮太郎 中野 暁 山口 真一 生稲 史彦
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.34-48, 2022-03-20 (Released:2022-04-20)
参考文献数
53

本研究ではコミュニケーションプラットフォームアプリの製品段階ごとの戦略を検討した.Latent Dirichlet Allocationの併用状態を明らかにしたうえで,機能や用途のような属性も踏まえてアプリを整理し,同じバスケット内の補完関係を精緻化して議論を行った.結果として覇権アプリでは機能的・性質的な補完,成熟・成長アプリでは用途的補完に加えて成熟に至る過程における関係するアプリの切り替えの可能性が示された.
著者
一小路 武安 勝又 壮太郎
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.33-46, 2016-03-20 (Released:2016-08-29)
参考文献数
60
被引用文献数
3

本研究ではまず,消費者の消費のほかに,(情報)伝達,創造,(創造)支援という3つの活動からなる発信行動に注目し,消費を含めた4つの活動を先行研究から整理する.そのうえで,インターネット上の投稿動画を中心にマンガも対象とした調査から,それぞれの活動の関係性を,分野横断性を確認する活動要因,当該分野における活動要因,より一般的な活動要因の異質性から明らかにした.
著者
一小路 武安
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.72-89, 2016-03-20 (Released:2016-08-29)
参考文献数
34

本研究は日本のアニメーション産業の確立した既存企業を事例に,3DCG(新技術)と手描き(既存技術)を組み合わせるハイブリッド製品の開発マネジメントに関して,ハイブリッド技術構造構築,技術者間融和という二つの課題をいかに克服するかという観点から分析を行った.結果として,新技術部門マネジャーが主に前者に対して貢献し,既存技術に熟達しながら新技術への積極性ももつ“適応的技術者” が主に後者に対して貢献していることが明らかになった.
著者
一小路 武安
出版者
日本デジタルゲーム学会
雑誌
デジタルゲーム学研究 (ISSN:18820913)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.33-39, 2016 (Released:2019-10-01)

本稿の目的は、成功するゲーム開発につながる組織や環境を検討することである。本稿では組織、 環境、二つの視点から先行研究を整理し、5 つの予備仮説を導出したうえで、インタビュー調査から予 備仮説を改良し、仮説を提示した。具体的には、ゲーム開発が成功につながる要素として、人材教育(仮 説 1 )、人材獲得(仮説 2 )、トップマネジメント(仮説 3 )、ハード間競争(仮説 4 )、新ハード登場時 マネジメント(仮説 5 )に関する提案を行っている。