著者
三ツ井 敏明 高橋 秀行 花城 勲 黒田 昌治 木下 哲
出版者
新潟大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究課題では、高温登熟玄米のプロテオームと澱粉グライコーム解析を行い、玄米白濁化は澱粉合成と分解のバランス異常が原因であると結論づけた。また、玄米外観品質に及ぼす強光・高CO2および高温・高CO2の影響を調べたところ、開花から登熟期初期において感受性が高いことが明らかになった。ただし、高CO2条件のみでは顕著な玄米白濁化は起こらないが、高CO2は高温ストレスを助長することが分かった。イネの高温耐性に関して鍵となる酵素としてMn型スーパーオキシドジスムターゼ(MSD1)が同定され、MSD1遺伝子の強発現により高温登熟性が改善され、一方、その発現抑制によって高温感受性が高まることが確認された。
著者
アワング アズワン カリム ラフィア 三ツ井 敏明
出版者
日本応用糖質科学会
雑誌
Journal of applied glycoscience (ISSN:13447882)
巻号頁・発行日
vol.57, no.4, pp.245-264, 2010-10-20
参考文献数
55
被引用文献数
1

カカオ(Theobroma cacao)は、多くの熱帯地域の国の重要な作物であり、チョコレートの原材料として栽培されている。カカオにおいても害虫耐性の付与など品種改良が望まれているが、その基礎となるカカオの生理・生化学、分子遺伝学についてはほとんどわかっていない。また、現時点ではカカオのゲノム情報も明らかにされていない。われわれは、カカオポッド果殻のプロテオームを明らかにするため2次元電気泳動(2-DE)/質量分析を行った。カカオポッドには大量のガムが含まれているため、ポッド果殻タンパク質をフェノール抽出/メタノール-酢酸アンモニア沈澱法により調製した。タンパク質試料を2-DEで分離し、コロイドCBBで染色したところ、2-DEゲル中において約700のタンパクスポットを検出することができた。244個のタンパクスポットについてトリプシン消化物のSPITC-誘導体を調製し、MALDI-TOF/TOF MSを用いたde novoシークエンシングを行った。この方法により144個のカカオポッド果殻タンパク質を同定することができた。同定されたタンパク質の大部分は代謝やエネルギー生産に関与するものであった。また、ポッドの成長・分化に関わるタンパク質も検出された。