著者
三崎 秀央
出版者
日本経営学会
雑誌
經營學論集 第89集 日本的経営の現在─日本的経営の何を残し,何を変えるか─ (ISSN:24322237)
巻号頁・発行日
pp.F26-1-F26-9, 2019 (Released:2019-09-26)

本稿は戦略と人事との適合および戦略の明示が手続的公正に対して与える影響について,大量サンプルを用いた定量的分析によって明らかにするものである。筆者のこれまでの一連の研究では,人事の適合および戦略の明示が手続的公正に対して正の影響を与えることを一貫して示してきた。本稿では,評価や報酬,配置など人事をより詳細な次元で測定することでより具体的なインプリケーションを得ることができた。評価や昇進,配置などの人事と戦略の適合は,手続的公正に対して直接的な影響を与えていた。一方で,報酬と戦略の適合は,直接的な影響ではなく,戦略の明示と交互作用効果を示した。本稿の分析結果を端的に要約すると,組織の価値観を示す戦略を組織成員に対して明示することによって手続的公正が高まること,戦略と人事を適合させることによって手続的公正が高まること,報酬など一部の人事施策については,戦略適合だけでは効果を発揮せず,戦略の明示が必要であることなどが示された。
著者
村松 潤一 井上 善海 盧 濤 原口 恭彦 奥居 正樹 加藤 厚海 秋山 高志 上林 憲雄 三崎 秀央 柯 麗華
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

発展著しい中国には早くから日本企業が進出し、製造業を中心とした産業集積が形成されてきた。本調査研究は、そうした産業集積に焦点をあて、メーカーとサプライヤーがどのような関係を構築しているか、また、その基盤としての組織内マネジメントがどのようになされているかについて現地調査した。その結果、日系企業間での強い結びつき、また、日系企業の人的資源管理はプロセスコントロールを重視していることが明らかとなった。