著者
瀧澤 義徳 杉山 健一 岡村 純 石川 竜司 望月 大極 高橋 吾郎 三澤 清 大和谷 崇 細川 誠二 峯田 周幸
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.223-229, 2014 (Released:2015-02-11)
参考文献数
20

小細胞癌は肺に好発する腫瘍である。頭頸部に発生する小細胞癌は比較的まれであるが一般に悪性度が高く,高率に遠隔転移を生じ予後不良とされる。頭頸部原発小細胞癌の治療は未だ確立されたものはないが,肺小細胞癌の治療に準じて行われることが多い。限局性で早期の症例や手術を組み合わせた集学的治療の報告もあるが,放射線・化学療法による治療が行われる。今回われわれは,喉頭と副鼻腔が原発と考えられた小細胞癌の2症例について報告する。

1 0 0 0 OA HPVワクチン

著者
三澤 清 峯田 周幸
出版者
日本頭頸部癌学会
雑誌
頭頸部癌 (ISSN:13495747)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.456-460, 2010-12-25 (Released:2010-12-28)
参考文献数
18
被引用文献数
1

高リスクヒトパピローマウイルス(HPV)16型,18型は,子宮頸癌やその他の悪性腫瘍の原因であることが分かり,最近の遺伝子工学の発達でHPV関連子宮頸癌を予防するワクチンが開発された。頭頸部領域において口腔内HPV感染は,oral sexによっておこりHPV関連中咽頭癌の明らかなリスクファクターになっていることが明らかになった。HPVワクチンの普及で子宮頸癌の減少だけでなく,中咽頭癌も減少するのと期待されている。本稿ではHPVとHPVワクチン接種の状況,男性への接種について最近の知見を述べる。
著者
中西 啓 喜夛 淳哉 西尾 信哉 宇佐美 真一 三澤 清
出版者
一般社団法人 日本聴覚医学会
雑誌
AUDIOLOGY JAPAN (ISSN:03038106)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.145-151, 2022-04-28 (Released:2022-05-24)
参考文献数
17

要旨: 常染色体優性遺伝性難聴家系において遺伝学的検査をおこない, 本人と母に TECTA 遺伝子多型を同定した。 TECTA 遺伝子多型は zona pellucida ドメインに位置しており皿形のオージオグラムを呈することが多いと報告されている。 本人は皿形のオージオグラムを呈していたが, 母は高音障害型であった。 母の経時的なオージオグラムを解析すると, 54歳時には皿形のオージオグラムを呈しており, 加齢とともに高音域の聴力閾値が上昇して高音障害型となっていた。 一方, 母の中音域の難聴の進行度は0.5dB HL/年とほとんど進行していなかった。 これらのことより, zona pellucida ドメインの TECTA 遺伝子変異でも,加齢とともに高音域の聴力閾値が上昇して高音障害型となる可能性が示唆された。