著者
瀧澤 義徳 杉山 健一 岡村 純 石川 竜司 望月 大極 高橋 吾郎 三澤 清 大和谷 崇 細川 誠二 峯田 周幸
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.223-229, 2014 (Released:2015-02-11)
参考文献数
20

小細胞癌は肺に好発する腫瘍である。頭頸部に発生する小細胞癌は比較的まれであるが一般に悪性度が高く,高率に遠隔転移を生じ予後不良とされる。頭頸部原発小細胞癌の治療は未だ確立されたものはないが,肺小細胞癌の治療に準じて行われることが多い。限局性で早期の症例や手術を組み合わせた集学的治療の報告もあるが,放射線・化学療法による治療が行われる。今回われわれは,喉頭と副鼻腔が原発と考えられた小細胞癌の2症例について報告する。
著者
石橋 朝紀子 内田 雅代 岡村 純 内田 雅代 岡村 純
出版者
福岡県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

小児がんを経験した思春期にある長期生存者の弾力性(ストレスをはね返す力)について、面接調査を行った。結果は、自ら病名を親友へ告知していた者は、人の為になることなど明確な目的を持ち、交友関係も良い傾向にあった。告知していない者は、身体的な回復を希望していたが、交友関係は良好ではない傾向にあった。前者が将来への目的を実行できるための看護支援を立案中である。後者については、弾力性を高める看護支援に繋げていくためにも継続調査が必要である。
著者
畑 泰司 衣田 誠克 矢野 浩司 岡村 純 岡本 茂 門田 卓士
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.61, no.12, pp.3365-3368, 2000-12-25 (Released:2009-02-10)
参考文献数
8

女児の鼠径ヘルニア手術時に精巣を認め,精巣性女性化症候群と診断しえた症例を経験したので報告する.症例は7歳女児.左鼠径部腫瘤を自覚し近医を受診,左鼠径ヘルニアの診断で手術目的にて当院に紹介受診となった.既往歴は2年前に右鼠径ヘルニアにて高位結紮術を施行,この時ヘルニア嚢内に腫瘤を認め腹腔内に還納されている.入院時の現症および検査では異常所見は認めなかった.手術時にヘルニア嚢外側に精巣を認め,その後の検索で精巣性女性化症候群の確定診断を得た.本症候群は社会的な性の決定に関しても早期に発見,適切な対応が望まれ,鼠径ヘルニアの合併症例も多いことから,女児で両側に鼠径ヘルニアを認めるものは本症を念頭に置き治療に臨むことが必要である.
著者
岡村 純
出版者
日本癌病態治療研究会
雑誌
W'waves (ISSN:18810241)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.31-34, 1999

コロンブスの新大陸発見 (1492年) 以来, たばこ (アメリカ原産の一年生草木) の歴史がはじまる. わが国では元亀・天正~元禄 (1570 年~1704 年) 年間にたばこが伝来したといわれている.<BR>その後, 全世界各国において禁煙と販売の両者の相反する政策が交錯して行われてきている.<BR>1962 年たばこの健康への害がはじめて医学的に明らかにされた (英国王立内科医師会報告).爾来, 喫煙を経済面よりも健康の面を優先して捉える政策が推し進められてきているかにみえている.WHOでは5月31日を世界禁煙デーとしている.たばこの経済分析でも国家全体からすると, たはこ産業は差し引き年間 2 兆 8 千億円の社会コストを生み出している.しかし, このたばこ病は20世紀に駆逐できなかった. わが国では 21世紀における国民健康づくり運動 (健康日本21) -2010 年を目標-においても, 喫煙率の減少を小目標においている.<BR>この機会にこの喫煙問題が, 第 2 の阿片戦争に突入せざるを得ないかどうかを検証してゆきたい.
著者
菅原 康介 岡村 純 下平 有希 足守 直樹 峯田 周幸
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.156, pp.171-176, 2021 (Released:2021-03-11)
参考文献数
17

All penetrating neck wounds are potentially dangerous and require emergency treatment, because there are important vessels, nerves, and organs in the neck. We report the rare case of a 71-year-old man with neck injury caused by a glass fragment that penetrated into the floor of the mouth from the submandibular region. The patient had accidentally fallen through a glass door and sustained a 15-cm long incised wound in his neck. He was initially transferred to a district hospital, where he was diagnosed as having arterial bleeding and a neck injury penetrating into the oral cavity; ENT surgeons at the hospital performed temporary hemostasis and tracheotomy under local anesthesia, and the patient was urgently transported to our hospital by ambulance. On admission, he was conscious, and his general condition was good. CT showed no damage to the major vessels, but revealed free air around the sublingual region. Therefore, emergency surgery was performed to repair the perforation from the neck into the oral cavity under general anesthesia. We found the facial artery and facial vein and ligated them during the operation, and the opening into the oral cavity was closed with absorbable sutures. The postoperative course was good, the patient resumed oral intake on day 4 after the surgery, and he was discharged from the hospital on day 9 after the surgery, with the only postoperative complication of palsy of the marginal mandibular branch of the facial nerve. In this report, we review nine cases of neck injury penetrating into the floor of the mouth and 11 cases of neck injury caused by a glass fragment reported in the literature and discuss their clinical findings.