著者
和田 あずみ 三澤 直加 富田 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.152-153, 2018 (Released:2018-06-21)

対話の場、共創の場、議論の場、学びの場。近年、多様な場を視覚化支援するビジュアルファシリテーション(以後VFとする)の取り組みが広がっている。多様化するVFの取り組みの中で、VFの実践者でもある著者らは、場や目的に応じたVFの手法を選ぶ必要性を感じており、「コンテクスト別にVFの特性を明らかにできれば、コンテクストに応じて活用方法を変えることができ、価値ある場の再現性が高まるのではないか」と考えた。分野ごとに手法を論じた文献は存在するが、分野横断でVFを捉えた先行研究は存在しなかったため、著者らは分野横断的に、VFが形式知化された43文献を読み解いた。一般的な分野ごとの分類ではなく、文献の手法とコンテクスト、及びその背景にある社会全体の変化を捉えた結果、VFが活用される6つの領域と27の役割を特定した。また、VFの手法選択と価値ある活用に影響を与える2つの視点「場が参加者に与える影響」と「目指す成果」を明らかにした。それぞれの領域、役割に応じて、効果的な描き方・描く対象・分析手法・場へのフィードバック等VFの関与方法があると考えられる。
著者
三澤 直加 尾形 慎哉 吉橋 昭夫
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.202, 2013 (Released:2013-06-20)
被引用文献数
1

顧客のサービス利用経験を、視覚的に表現する代表的なツールとしてカスタマー・ジャーニー・マップ(以下CJM)がある。CJMは、サービスの特性を明確に捉え、デザインの要所を特定できるため、サービスデザインのツールとして有効に活用できる。一方で、CJMの記述形式には特定の型が存在しておらず、記述の方針を決めるために多くの検討時間をかける必要があった。そこで、筆者らはCJMの記述形式を類型化できれば、CJMを利用する目的に合わせた記述がしやすくなると考え、分析を行った。その結果、3つ「記述レイアウト」と、2つの「記述視点」を見出すことができた。顧客の経験をわかりやすく記述するためには、これらを意識して書き分けることが有効であると考えられる。
著者
和田 あずみ 三澤 直加 名古屋 友紀 小野 奈津美 竹村 郷
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第66回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.390, 2019 (Released:2019-06-27)

第四次産業革命を背景に、プレゼンスが弱まっている日本経済。日本の企業では、企業の創造的活動にあたり、柔軟に、常識にとらわれないで活動を創出する目的で、グラフィックレコーディング(以下GR)の活用が広がっている。新宿区立落合第六小学校では、このGRの方法を取り入れ、創造的な人材の育成を目的に小学生へ向けた「おえかきシンキング」授業(全4回)を株式会社グラグリッドと共同で開発し、実施した。全4回の授業を通じて、創造的活動を支え推進する兆しの行動が生徒達にみられるようになった。また、生徒達の変容、授業の振り返りおよび分析を通じて、創造的人材育成に貢献する4点の影響要因として、「個人の壁や視野、固定概念からの解放」「新しい意味づけのための、身体による探索と他者関与」「他者の声を受けとめるために、自分の心の声を『きく』こと」「創造し、まとめるための『イメージ』『マインド』の育成」を導き出した。