著者
富田 誠 越尾 淳
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第64回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.20, 2017 (Released:2017-06-29)

行政機関では、公務員が政策を視覚化した資料を多数制作している。しかし、制作に必要な時間的コストやデザインの質について課題を抱えている。そこで、公務員自身つまり当事者が効率的で最適なデザインを持続可能な形でできるように、専門家であるデザイナーが公務員に対し、プロセスや学び、パターンデザインなど多様なデザイン支援を実施した。最終的にこれらの取り組みを省察し、Colleciton, Analysis, Criteria-design, Pattern-design, Learning, Designという6つのステップと当事者とデザイナーの役割分担としてまとめ、当事者デザインの方法論的枠組みを提案した。
著者
富田 誠 菊地 英明 島田 奈緒 三宅 華子
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究作品集 (ISSN:13418475)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.1_40-1_45, 2022-03-31 (Released:2022-03-19)
参考文献数
5

本作品は、厚生労働省の和文ロゴタイプのデザイン及びその制作工程を記述した映像からなる。本ロゴタイプは書体、長体率、文字形状、角丸率などの造形要素ごとに比較検討を繰り返しながら制作された。本稿及び映像では、これらの比較結果や選定理由を一つ一つ記し、デザインの決定理由を示した。加えて、これらの説明順序と、実際におこなわれた制作過程の差を述べ、仮説的な形の生成とその形への違和感によってなされる修正の間にデザインの理由が立ち現れることに焦点を当てた。結果として、このデザインの修正がデザインの変数ごとに行われ、そこで述べられた理由が再構成されることでデザインの根拠として形成される過程を概念的に提示した。
著者
和田 あずみ 三澤 直加 富田 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.152-153, 2018 (Released:2018-06-21)

対話の場、共創の場、議論の場、学びの場。近年、多様な場を視覚化支援するビジュアルファシリテーション(以後VFとする)の取り組みが広がっている。多様化するVFの取り組みの中で、VFの実践者でもある著者らは、場や目的に応じたVFの手法を選ぶ必要性を感じており、「コンテクスト別にVFの特性を明らかにできれば、コンテクストに応じて活用方法を変えることができ、価値ある場の再現性が高まるのではないか」と考えた。分野ごとに手法を論じた文献は存在するが、分野横断でVFを捉えた先行研究は存在しなかったため、著者らは分野横断的に、VFが形式知化された43文献を読み解いた。一般的な分野ごとの分類ではなく、文献の手法とコンテクスト、及びその背景にある社会全体の変化を捉えた結果、VFが活用される6つの領域と27の役割を特定した。また、VFの手法選択と価値ある活用に影響を与える2つの視点「場が参加者に与える影響」と「目指す成果」を明らかにした。それぞれの領域、役割に応じて、効果的な描き方・描く対象・分析手法・場へのフィードバック等VFの関与方法があると考えられる。
著者
植田 育代 富田 誠 田中 香津生 工藤 拓也 有賀 雅奈
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第65回春季研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.500-501, 2018 (Released:2018-06-21)

近年、研究者は市民など様々な人たちに対して、研究活動を伝達し、対話をしながら研究を進めることが求められている。しかし、高度で複雑な研究内容を研究者自身やデザイナーがわかりやすく視覚化することは容易ではない。 本研究は、研究者とデザイナーが協働で研究内容を視覚化する手法を目的に、研究組織における研究活動の視覚化をおこなった。 デザインの制作においては、研究者にとっても描くことが容易な等角投影図を基本図法として、研究者とデザイナー間でイラスト交換を繰り返し表現の正確性やデザインの質を段階的に高めていく手法を用いた。本稿ではそれらの制作過程の記述し、研究者からの評価を通して本手法の可能性を考察したい。
著者
焦 文静 富田 誠
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会第70回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.222, 2023 (Released:2023-12-13)

本研究は、太極拳の指導の際の指導者と学習者の身体知の感覚共有に関する研究である。特に「気」の伝達に焦点を当て、指導者に対するインタビュー調査や筆者の学習体験に基づき、そこにメタファー言語が重要な役割を担っていることを明らかにした。加えて、それらの言語を視覚化し、さらなる共有のあり方を考察した。
著者
富田 誠 瀧 知惠美 夏川 真里奈 小出 瑠 南斉 規介
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 日本デザイン学会 第69回研究発表大会
巻号頁・発行日
pp.104, 2022 (Released:2022-08-30)

協働研究を行う研究者を対象に、研究者個人の内面、特に内的動機に当てた対話の場をデザインした。その特徴は、客観性や根拠の積み上げを重要視する研究発表の場では語られない、内的動機をなめらかに語り出すことにある。結果、語り出すことを許与する問い、語りを引き込む聞き手、共視される対象が主なアクターとなって研究者の語りを誘出することが示唆された。
著者
富田 誠
出版者
東海大学
雑誌
若手研究
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、高度な専門性を持ち、専門領域を超えたコミュニケーションが難しい理系研究者を対象として、領域横断的な研究を進めるための視覚的対話のワークショップのプログラムを開発することを目的とする。このプログラムは、研究者自らが複雑な研究を図解し、図解されたものを用いて対話し、動かし合いを通して、創造的に連携点を見つけ出すことを特徴とする。研究の実施にあたっては、1.視覚的対話の手法の研究者に対する調査、2.WSの実施と分析による創造的連携の理論モデルの構築とツールの開発。3.プログラムの改善とツールと手法の公開 の3つを中心に進める。