著者
川口 哲 堺 登志子 児玉 光顕 上山 博史 木内 淳子 吉川 清
出版者
THE JAPAN SOCIETY FOR CLINICAL ANESTHESIA
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.6, no.4, pp.359-362, 1986-11-15 (Released:2008-12-11)
参考文献数
8

マイルズ手術後の膀胱内結石の50歳の患者に対してペルカミンS®による脊椎麻酔を施行しT6以下に十分な麻酔が得られたにもかかわらず priapism を呈した症例を経験した.患者の陰茎は, 脊椎麻酔の効果が薄れるにつれ改善傾向を示し麻酔施行後約2.5時間で元の状態に復帰した. 一週間後, 笑気-酸素-ケタミンによる全身麻酔に変更し手術を行ない得た. ケタミンは持続滴下を行ない1mg/kgの時点で手術操作を開始し, 総量2mg/kgを静注したが priapism の発生は認められなかった.
著者
上山 博史
出版者
メディカル・サイエンス・インターナショナル
巻号頁・発行日
pp.7-12, 2019-04-19

最近,術中の医療安全に貢献する重大な発見をした。“昼食後に眠くならない食事法”である。これを日本麻酔科学会関西支部で発行している「近畿麻酔科医界」という新聞に“麻酔科医にとってきわめて重要な発見”というタイトルで投稿したところ,配布直後に行われた関西支部学術集会で多くの先生方(本当に何十人も)から「面白かった」,「ためになった」,「山村賞に値する大発見」(本当にそう言われた)とのお褒めの言葉をいただいたほどである。私はかねがねこの大発見を関西だけにとどめておくのはもったいないと考えており,全国的に発表する機会を虎視眈々とねらっていた。今回,ここにご披露する。
著者
上山 博史
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.450-455, 2016-07-15 (Released:2016-09-10)
参考文献数
10

BISモニターに代表される麻酔用脳波モニターは,臨床濃度では麻酔による脳波の高振幅徐波化の程度を数値化することにより鎮静度を示す.この脳波変化は,麻酔薬の種類や加齢の影響を受けるため,プログラムされた変化パターンを示さない麻酔薬や年齢層では,BIS値の信頼性が下がるだけでなく,濃度依存性の変化も失われる.デスフルランはセボフルランと比べて振幅変化,特にアルファ波の振幅増高作用が小さいため,BIS値は低めに算出され,かつ40歳以上では濃度依存性にBIS値が変化しにくい.そのため,BIS値が低い場合でも4%以上の投与を推奨する.デスフルランの誘発電位に与える影響は,他の揮発性麻酔薬と同様に振幅を抑制する.