著者
上林 憲司 田戸岡 好香 石井 国雄 村田 光二
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.130-138, 2016 (Released:2016-09-07)
参考文献数
28
被引用文献数
2 2

社会における善悪判断を左右する道徳性が,外的要因により意識されないまま変化することが知られている。本研究は道徳性に変化を及ぼす要因の一つとして,着衣に注目した。特に,道徳性が白色および黒色と結びついていることに基づき,白色または黒色の着衣が,着用者の道徳性に関する自己認知に及ぼす影響を検討した。参加者は白色または黒色の衣服を着用した状態で,自己と道徳性の潜在的な結びつきを測る潜在連合テスト(IAT)に取り組んだ。その後,道徳性について顕在的な自己評定を行った。その結果,潜在認知と顕在認知のどちらにおいても,白服着用者の方が黒服着用者より,自己を道徳的に捉えていた。これらの結果を踏まえ,着衣が認知や行動に影響を及ぼす過程や,道徳性を変化させる要因について議論した。
著者
村田 光二 道家 瑠見子 樋口 収 桑山 恵真 田戸岡 好香 渡邊 さおり 谷本 奈穂 上林 憲司
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

本研究は、社会的場面における効果的な自己制御過程に影響を及ぼす要因を、実証的に解明することを目的としている。特に、目標葛藤の解決方略、制御資源の枯渇に対抗する方略、意識的抑制に基づくリバウンド効果を低減する方略を中心に実証研究を積み重ねた。その成果として、課題達成目標と誘惑とが葛藤する場面では、対抗的自己制御が働き、課題達成に役立つ人物の評価が高まることを見出した。また、制御資源の枯渇に対して、自己肯定化と解釈レベルを高次にすることの組み合わせが有効であることを再確認した。さらに、嫉妬的ステレオタイプの抑制に伴って生じるリバウンド効果を低減する方策の1つを見出した。