著者
松崎 元 大内 一雄 上原 勝 上野 義雪 井村 五郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.45, no.5, pp.69-76, 1999-01-31 (Released:2017-07-21)
参考文献数
13
被引用文献数
4

つまみ・水栓金具・ふた等の操作具を前提とした円柱の回転操作において, 使用する指の状況が円柱の直径の変化によって, どのように推移するかを検討するため, 32名(19〜20歳の男性23名, 女性9名)の被験者で実験を行った。実験の方法は以下のようなものである。直径が7mm〜130mmの間で異なる木製の円柱(高さ50mm)を45本用意し, 無作為に選択された各円柱を, 順に台上の回転軸に差し込み, 右手で時計回りに回転させる。操作の状況は, 下方からビデオカメラで撮影し, 得られた画像から各指と円柱の接触状況を判断した。その結果, 回転操作開始時に使用する指の本数が変化する境界値を, 相対的に図示し把握することができた。また, 円柱の直径が増大するのに伴って, 各指の接触位置がどのように推移するかを二次曲線で近似でき, その傾向が明らかになった。この結果は, 回転操作機器の形状デザインに役立てることができる。
著者
松崎 元 上原 勝 上野 義雪 井村 五郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.48, no.1, pp.85-92, 2001-05-31 (Released:2017-07-19)
参考文献数
10
被引用文献数
1

円柱の回転操作における指の使用状況が、円柱の直径変化によって、どのように推移するかを検討するため、操作台の正面および側面につまみを設定した場合について実験を行った。被験者は32名で、直径が異なる木製の円柱を45本用意し、無作為に選択された各円柱を、順に右手で時計回りに回転させた。床からつまみ中心軸までの高さは各被験者の肩峰高に合わせ、操作の状況は、手掌側からビデオカメラで撮影し、得られた画像から各指と円柱の接触状況を判断した。その結果、正面設定・側面設定のそれぞれについて、回転操作開始時に使用する指の本数が変化する境界値を相対的に図示し把握することができ、また、円柱の直径が増大するのに伴って、各指の接触位置がどのように推移するかを二次曲線で近似できた。更に、前報の上面設定のものと合わせて比較することで、回転操作における手指機能の部分的特性を明らかにし、製品デザインのための資料としても応用範囲を広げることができた。
著者
松崎 元 上原 勝 上野 義雪 井村 五郎
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.49, no.5, pp.61-68, 2003-01-31 (Released:2017-07-19)
参考文献数
4
被引用文献数
1

筆者らは既報において、つまみの回転操作開始時における指の使用状況を明らかにした。本報では、その結果の有効性を確認するため、既に得られた指の使用本数および接触位置のデータから、直径と溝の数および位置が異なる12個のつまみサンプルを作成し、回転操作実験を行った。被験者は40名(男性22名、女性18名)で、操作性・視覚的イメージの16項目について、SD尺度上で評価させた。操作性については、指の接触位置に合わせて作成した断面形状の6種類の方が、他の6種類よりも総合的に良い評価を受け、データの有効性を示す結果となった。次に、視覚的イメージに対する評価を因子分析した結果、「力量性」「活動性」「美的整然性」の3因子に分けることができた。これらを軸として、各12サンプルの散布図を作成したところ、第3因子「美的整然性」の評価が高いサンプルが、必ずしも操作性の良いつまみではなく、視覚的な「美しさ」と操作性の関係性は見られなかった。