著者
下石 和樹 安楽 誠 庵原 大輔 平山 文俊 門脇 大介 陣上 祥子 丸山 徹 小田切 優樹
出版者
一般社団法人日本医療薬学会
雑誌
医療薬学 (ISSN:1346342X)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.55-60, 2018-02-10 (Released:2019-02-10)
参考文献数
8

Because it is essential to restrict phosphorus intake in dialysis patients, we investigated the phosphorus content per daily standard dose for eight different types of Chinese medicine and 12 different supplements, all of which are typically used by dialysis patients. Phosphorous contents in the range of 3-12 mg were detected in all of the Chinese medicines. Although 11 of the 12 kinds of supplements contained phosphorous, the levels were less than those in the Chinese medicines. The highest phosphorus content among those supplements was found in glucosamine, with a phosphorous content of 6 mg per dose. The phosphorous contents of glucosamine samples obtained from five different companies were all different. Taking these findings together, the intake of phosphorus by dialysis patients heeds to be restricted and the phosphorus contents of Chinese medicines and supplements need to be taken into consideration, by evaluating the total phosphorus intake per day for such patients. Pharmacists should pay attention to maintaining the serum phosphorus level within a reference value by effectively using a phosphate binder if necessary.
著者
宮村 重幸 柴田 啓智 下石 和樹 浦田 由紀乃 森 直樹 門脇 大介 丸山 徹
出版者
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
雑誌
日本腎臓病薬物療法学会誌 (ISSN:21870411)
巻号頁・発行日
vol.3, no.3, pp.3-8, 2014 (Released:2018-04-02)
参考文献数
6
被引用文献数
2

薬剤の適正使用を考える上で、腎機能に応じた適正な用量設定を行うことは重要である。そのため、薬剤師は血清クレアチニン値などの腎機能データを入手する必要があるが、保険薬局において、薬剤師が患者の腎機能データを入手する手段は確立していないのが現状である。今回我々は、保険薬局に勤務する薬剤師にアンケート調査を行い、患者の腎機能情報の必要性と入手手段を明らかにした。日常業務において腎機能を①考慮している(9.1%)、②どちらかといえば考慮している(54.5%)、③どちらかといえば考慮していない(27.2%)、④考慮していない(9.1%)という結果であった。腎機能に関する情報源としては、①患者・家族(77.2%)、②処方医(4.5%)、③情報を得る方法なし(9.1%)であった。この結果をふまえ、我々は患者の腎機能情報を病院と保険薬局で共有するために、お薬手帳内にeGFRを記載するシールとお薬手帳の表紙に患者の腎機能が低下していることを示すシールを考案した。そして、本ツールの有用性を検討するために、情報提供を受けた薬剤師を対象にアンケート調査を実施したところ、本ツールが①有用(50.0%)、②どちらかといえば有用(36.3%)であった。今回の調査から、保険薬局において、患者の腎機能に関する情報は必要とされているにもかかわらず、入手できていないことが明らかとなった。そのため、シールを用いて患者の腎機能情報を共有する試みは、保険薬局に勤務する薬剤師に対しても患者の腎機能を考慮した処方設計に対する注意喚起に大変有用であり、腎排泄型薬剤の過量投与を防ぎ、医薬品適正使用に大きく貢献できることが示唆された。