著者
藤井 進也 中島 振一郎 野田 賀大
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

近年、音楽経験を豊富に積んだ高齢者は、音楽経験の少ない高齢者に比べて、ワーキングメモリーや実行機能など、認知課題の成績が優れていると報告された。これらの先行研究を踏まえると、音楽はヒトの認知機能の改善や維持、長寿健康社会の実現に有用であると示唆されるが、その神経生理メカニズムは十分に解明されていない。そこで本研究では、核磁気共鳴スペクトロスコピー(MRS)と、経頭蓋磁気刺激と高解像度脳波の同時計測手法(TMS-EEG)を用いて、音楽家と非音楽家の前頭前野グルタミン酸・γアミノ酪酸(GABA)神経機能を横断比較し、音楽機能・認知機能との関連性を解明する。
著者
門田 行史 柳橋 達彦 古川 理恵子 三谷 忠宏 中島 振一郎 大貫 良幸
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2022-04-01

小児注意欠如多動症(ADHD)は、脳内のドーパミン(DA)とノルエピネフリン(NE)機能低下が主病態と考えられているが詳細は未だ不明である。近年目覚ましい発展を遂げている脳機能検査を駆使して小児に対して非侵襲的に黒質のDA機能と青斑核のNE機能の定量化を行いADHDの病態に迫る。具体的には、ADHD群と健常者群を対象に黒質NM・青斑核NEの濃度の変化、機能的脳イメージング計測(fMRI/NIRS)による脳活動の変異、多型解析による遺伝子多型を検証し、ADHDのDA/NE機能低下の原因となる複合的な病態の解明と診断・治療の判断基準となるマーカーを開発する。