著者
中川 明仁 佐藤 豪
出版者
一般社団法人 日本健康心理学会
雑誌
健康心理学研究 (ISSN:09173323)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.1-8, 2012-03-10 (Released:2013-09-06)
参考文献数
34
被引用文献数
1

Relationships between multidimensional self-oriented perfectionism, defense mechanisms and anxiety were investigated. Participants were university students (n = 169: 68 men and 101 women). They completed the following questionnaires: Multidimensional Self-oriented Perfectionism Scale (MSPS), Defense Style Questionnaire 42 (DSQ42) and State Trait Anxiety Inventory (STAI). Path analysis indicated that Personal Standards positively affected mature defense mechanisms; and moreover, mature defense mechanisms had negative effect on trait anxiety. Moreover, Concern over Mistakes had a positive effect on immature defense mechanisms, and furthermore, immature defense mechanisms had positive effect on trait anxiety.
著者
馬場 天信 佐藤 豪 齋藤 瞳 木村 穣 中川 明仁
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.937-944, 2012-10-01 (Released:2017-08-01)
参考文献数
21

肥満治療において臨床心理士を加えたチーム医療システムは効果的である.また,パーソナリティ尺度は,肥満症患者の置かれている心理社会的状況を理解するツールとして,患者と治療スタッフ双方に有益な情報を提供する.パーソナリティと肥満に関する研究報告は近年増加しているが,日本人の肥満症患者に関する報告は数少ない.本研究ではNEO-PI-R, TEG II, TAS-20を用いて,肥満症患者と一般成人におけるパーソナリティの違いを検討したところ統計的差異は認めらなかった.次に,肥満度別によるパーソナリティの違いについて分散分析を用いて検討したところ,BMI35以上の肥満症患者は神経症傾向(特に不安と抑うつ)が高く,感情同定困難という特徴が認められた。以上の結果は,肥満度の高い肥満症患者に対する介入にはパーソナリティの査定が有効であることを示唆している.
著者
中川 明仁 堀江 淳 江越 正次朗 松永 由理子 金子 秀雄 高橋 浩一郎 林 真一郎
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-5, 2019

<p>慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease; COPD)患者の心理特性について,病期の違いという観点から検討した。COPD 患者38名を対象とし,エゴグラムを用いてパーソナリティを評価して,Ⅰ期群とⅡ期群の差異について比較検討した。その結果,Ⅱ期群はⅠ期群と比べてFC(Free Child)が有意に低い値となり,病期が進行すると感情の表出性が乏しくなることが示唆された。また,病期を統合してCOPD 患者全体のパーソナリティを検討した結果,CP(Critical Parent)とNP(Nurturing Parent)が同程度に最高値となり,続いてA(Adult)とFC が同程度の値となり,AC(Adapted Child)が最も低い値を示した。COPD 患者のパーソナリティの特徴として,頑固さや自己への甘さが強まり,周囲の意見やアドバイスへの傾聴の姿勢を示しにくいことが示唆された。</p>
著者
中川 明仁 佐藤 豪
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.38-45, 2010-08-31 (Released:2010-08-18)
参考文献数
21
被引用文献数
1

本研究の目的は,Cloningerの気質4次元から自己志向的完全主義の各側面への影響を男女別に検討することであった。重回帰分析の結果,男女共通して気質次元の「固執」が完全主義の全側面へ正の影響を及ぼしていた。また,男性のみの結果として,「新奇性追求」と「報酬依存」が「失敗懸念」に負の影響を及ぼし,「報酬依存」は「完全性欲求」にも負の影響を及ぼしていた。一方,女性は「損害回避」が「失敗懸念」および「完全性欲求」に正の影響を及ぼしていた。本研究の結果より,多次元的な自己志向的完全主義の基盤に存在すると考えられる気質特性には,男女共通する気質と男女間で相違する気質が存在することが示唆された。
著者
中川 明仁 佐藤 豪
出版者
Japan Society of Personality Psychology
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.38-45, 2010
被引用文献数
1

本研究の目的は,Cloningerの気質4次元から自己志向的完全主義の各側面への影響を男女別に検討することであった。重回帰分析の結果,男女共通して気質次元の「固執」が完全主義の全側面へ正の影響を及ぼしていた。また,男性のみの結果として,「新奇性追求」と「報酬依存」が「失敗懸念」に負の影響を及ぼし,「報酬依存」は「完全性欲求」にも負の影響を及ぼしていた。一方,女性は「損害回避」が「失敗懸念」および「完全性欲求」に正の影響を及ぼしていた。本研究の結果より,多次元的な自己志向的完全主義の基盤に存在すると考えられる気質特性には,男女共通する気質と男女間で相違する気質が存在することが示唆された。