著者
林 真一郎 和田 圭二
出版者
一般社団法人 電気学会
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.136, no.10, pp.791-797, 2016-10-01 (Released:2016-10-01)
参考文献数
34
被引用文献数
3 3

This paper discusses the influences of common source inductance in power converter circuits. Common source inductance is the source-side inductance inside a power module, and it shares common circuit parameters with both the gate drive and power circuit. Therefore, common source inductance will influence the switching characteristics of the module. No paper has yet addressed the relationship between common source inductance and switching characteristics such as surge voltage and switching loss. In order to improve the switching characteristics during turn-off operations, this paper presents a design procedure with respect to common source inductance. In addition, experimental results rated at 500V, 40A are shown.
著者
林 真一郎 水野 正樹 佐藤 匠 神山 嬢子 岡本 敦 吉川 知弘 鵜殿 俊昭 横田 浩 野田 敦夫 吉川 和男
出版者
公益社団法人 砂防学会
雑誌
砂防学会誌 (ISSN:02868385)
巻号頁・発行日
vol.66, no.3, pp.32-39, 2013-09-15 (Released:2015-11-30)
参考文献数
9
被引用文献数
1

We tried to establish the detection methodology by viewing single high resolution synthetic aperture radar (SAR) satellite images which are now available. At first, a check list was made to qualitatively evaluate if it is or is not possible to detect landslide dams. By using that check list, high resolution SAR satellite images (TerraSAR-X, COSMO-SkyMed, RADARSAT-2) of Talas disaster in the Kii Peninsula have been evaluated. We confirmed conditions suitable for satellite as follows. All direction radar can detect landslide dams. The radar angle range suitable for obtaining images is from 35 to 50 degrees. Suitable image resolution is 3m. All sensors and bands are capable of detecting landslide dams.
著者
今泉 裕次郎 池田 さやか 小野 晴久 廣田 美樹 本村 環 堀江 淳 河島 博通 林 真一郎
出版者
日本理学療法士協会(現 一般社団法人日本理学療法学会連合)
雑誌
理学療法学Supplement Vol.42 Suppl. No.2 (第50回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0130, 2015 (Released:2015-04-30)

【はじめに,目的】慢性閉塞性肺疾患(COPD)は,炎症性サイトカインによる全身性炎症の影響により,心血管疾患や骨格筋機能異常など多くの併存疾患を合併する。糖尿病についても,健常者と比較して1.5倍のリスクを有し,また,COPD患者の約50%に複数のメタボリックシンドロームの要素を合併するとも言われている。しかし,これら先行研究は,欧米人を対象としたものであり,本邦におけるCOPDと糖尿病の関係を検証した先行研究は少なく,未だ,十分に解明されているとはない。そこで本研究の目的は,生活習慣病の中でも国民病と言われている糖尿病に着目し,糖尿病有病者における閉塞性換気障害の有病率を調査すること,更に,糖尿病有病者の呼吸機能を検討し,COPD早期発見の取り組みが必要であるかを検討することとした。【方法】対象は,当院健康管理センターにて呼吸機能検査を実施した863名(男性683名,女性180名,平均年齢51.8±8.3歳)とした。対象のうち,既に何らかの呼吸器疾患の診断がされている者,気管支喘息の既往,および親族に気管支喘息を有する者,呼吸機能検査がうまくできなかった者,データ使用に同意が得られなかった者は解析対象から除外した。調査項目として,呼吸機能はFVC,%FVC,FEV1.0,FEV1.0%,%FEV1.0を指標とし,栄養状態はBMIとした。問診では,糖尿病の有無,喫煙習慣の有無(ブリンクマン指数を算出)を聴取した。なお,本研究の「糖尿病有り(糖尿病有病者)」の定義は,既に確定診断がなされ,定期的に通院加療を受けている者とした。また,「閉塞性換気障害有り(閉塞性換気障害有病者)」の定義は,FEV1.0%が70%未満である者とした。統計学的分析として,閉塞性換気障害と糖尿病の関係は,χ2独立性検定で分析した。糖尿病有病者と非有病者の呼吸機能,BMI,ブリンクマン指数の比較は,Levenの等分散の検定後,Studentのt検定,またはWelchのt検定にて分析した。統計学的有意水準は5%とし,統計解析ソフトは,SPSS version20を使用した。【結果】対象者863名中,閉塞換気障害有病者は67名であり,有病率は7.8%であった。一方,糖尿病有病者は67名であり,糖尿病有病者の閉塞性換気障害有病者は11名で,有病率は14.9%であった。閉塞性換気障害の有無と糖尿病の有無の関連は,有意な関係性を認め(χ2=5.203,p=0.031),糖尿病有病者は,非有病者に対して閉塞性換気障害の合併が,2.3倍(95%CI=1.104-4.691)であった。次に,糖尿病の有無による呼吸機能の比較は,FVC(3.80±0.60L vs 3.54±0.57L;p=0.001),%FVC(109.54±11.9% vs 103.06±13.59%;p<0.001),FEV1.0(2.95±0.48L vs 2.69±0.51L;p<0.001),%FEV1.0(115.90±13.50% vs 111.52±16.44%;p=0.013),FEV1.0%(77.69±5.39% vs 75.70±7.03%;p=0.005)で,糖尿病有病者が有意に低値を示した。BMI(23.29±3.22 vs 24.98±3.83;p<0.001),および,ブリンクマン指数(304.89±375.98点vs 558.81±616.78点;p<0.001)の比較では,糖尿病有病者が有意に高値を示した。【考察】近年,COPDの国際ガイドラインGOLDは,COPDは肺疾患だけでなく全身性炎症疾患と位置づけ,他の慢性疾患と深く関与していると報告している。本研究においても糖尿病と気流制限との間には有意な関係性を認めた。また,糖尿病有病者で閉塞性換気障害を有する者の割合が高く,糖尿病有病者の中に,より多くのCOPD患者が潜んでいる可能性のあることが示唆された。また,糖尿病有病者の呼吸機能は,有意に低下しており,これらの要因として,第一に喫煙習慣の関与が考えられる。本研究においてブリンクマン指数が,糖尿病有病者で有意に高かったことを考慮すると,糖尿病と閉塞性換気障害の両者の共通趣向背景として,喫煙習慣がみられ,共通のリスク要因になったものと考える。本研究により糖尿病と閉塞性換気障害の関係が明らかになりに,糖尿病有病者に対しては,「閉塞性換気障害を有するリスクがある」ことを留意する必要性が示唆された。【理学療法学研究としての意義】糖尿病を有する者の呼吸機能,特に閉塞性換気障害に関する詳細が明確となった。COPDの早期発見の一助として,糖尿病患者に対して潜在的COPD患者であることのリスクを,想起する必要性を提示できた有意義な研究となった。
著者
中川 明仁 堀江 淳 江越 正次朗 松永 由理子 金子 秀雄 高橋 浩一郎 林 真一郎
出版者
日本ヘルスプロモーション理学療法学会
雑誌
ヘルスプロモーション理学療法研究 (ISSN:21863741)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-5, 2019

<p>慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease; COPD)患者の心理特性について,病期の違いという観点から検討した。COPD 患者38名を対象とし,エゴグラムを用いてパーソナリティを評価して,Ⅰ期群とⅡ期群の差異について比較検討した。その結果,Ⅱ期群はⅠ期群と比べてFC(Free Child)が有意に低い値となり,病期が進行すると感情の表出性が乏しくなることが示唆された。また,病期を統合してCOPD 患者全体のパーソナリティを検討した結果,CP(Critical Parent)とNP(Nurturing Parent)が同程度に最高値となり,続いてA(Adult)とFC が同程度の値となり,AC(Adapted Child)が最も低い値を示した。COPD 患者のパーソナリティの特徴として,頑固さや自己への甘さが強まり,周囲の意見やアドバイスへの傾聴の姿勢を示しにくいことが示唆された。</p>
著者
堀江 淳 直塚 博行 田中 将英 林 真一郎 堀川 悦夫
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.38 Suppl. No.2 (第46回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.DbPI2373, 2011 (Released:2011-05-26)

【目的】 呼吸困難感受性(Borg Scale Slope(BSS))、運動時呼吸困難閾値(Threshold Load of Dyspnea(TLD))と身体機能、運動耐容能との関係を分析し、BSS、TLD評価から推測できる影響要因とその対応策について検証すること。【方法】 対象は、病状安定期にある慢性閉塞性肺疾患(COPD)患者13例(全例男性)、平均年齢71.1±6.9歳、BMIは22.5±4.2kg/m2)であった。肺機能検査は、%FVCが97.8±20.6%、FEV1.0%が51.2±22.7%、%FEV1.0が57.3±24.3%であった。modified Medical Research Council(mMRC)息切れ分類は、Grade1が7名、Grade2が6名であり、GOLD病期分類はstage 1が3名、stage 2が4名、stage 3が4名、stage 4が2名であった。除外対象は、重篤な内科疾患を合併している者、歩行に支障をきたすような有痛性疾患を有する者、研究の主旨が理解出来のない者とした。 BSS、TLDは、1分間に10wattのramp負荷で心肺運動負荷テスト(CPX)を実施、1分ごとに修正ボルグスケールにて呼吸困難感を聴取し算出した。また、CPXの測定項目は、最高酸素摂取量Peak V(dot)O2、酸素当量、炭酸ガス当量、Dyspnea Index(DI)、O2 pulse変化量、SpO2変化量とした。その他の測定項目は、気道閉塞評価(FEV1.0%、%FEV1.0)筋力評価(握力、大腿四頭筋力、呼吸筋力)、6分間歩行距離テスト(6MWT)、漸増シャトルウォーキングテスト(ISWT)、長崎大学呼吸器疾患ADLテスト(NRADL)とした。 統計解析方法は、BSS、TLDとCPXの測定項目、その他の測定項目の関係をPearsonの積率相関係数で分析し、相関係数0.5以上を相関ありとした。また、mMRCのgrade 2と3の比較をPaired t検定で分析した。なお、帰無仮説の棄却域は有意水準5%未満とし、統計解析ソフトはSPSS version 17.0を使用した。【説明と同意】 本研究は、ヘルシンキ宣言に沿った研究として実施した。対象への説明と同意は、研究の概要を口頭及び文章にて説明後、研究内容を理解し、研究参加の同意が得られた場合のみを本研究の対象とした。その際参加は任意であり、測定に同意しなくても何ら不利益を受けないこと、また同意後も常時同意を撤回できること、撤回後も何ら不利益を受けることがないこと、個人のプライバシーは厳守されることを説明した。【結果】 TLDは、FEV1.0%(r=0.61)、%FEV1.0(r=0.56)、6MWT(r=0.90)、SWT(r=0.85)、NRADL (r=0.87)と有意な相関が認められ、V(dot)O2(r=0.53)、DI(r=-0.56)は有意ではないものの相関が認められた。一方BSSは、全ての項目と有意な相関が認められなかった。mMRCのgrade 2と3の比較において、TLDは、grade 2がgrade 3より有意に息切れの出現が遅かったものの(p<0.05)、BSSは、grade 2とgrade 3に有意な差は認められなかった。【考察】 COPD患者の運動耐容能、ADLを改善させるためには呼吸困難感の感受性ではなく、呼吸困難感の閾値を低下させること、所謂「感じはじめてからの強くなり易さではなく、如何に感じはじめることを遅らせるか」の重要性が示唆された。TLDを鈍化させる対策として、運動時の気管支拡張剤を有効に活用し気道閉塞の程度を可及的に改善すること、換気予備能をもたせることが考えられ、それにより運動耐容能、ADLを改善させる可能性を有するのではないかと考察された。【理学療法学研究としての意義】 COPD患者の運動耐容能トレーニングの重要性は認識され、多くの施設で理学療法プログラムに取り入れられている。しかし、運動時の呼吸困難感を詳細に評価し、患者個人に合わせた気管支拡張剤の有効活用を行いながら、理学療法を実施している施設はごく一部である。本研究は、少数例ながら運動時の呼吸困難感を詳細に評価し、その影響要因を明確にし、今後の運動耐容能、ADL改善のための呼吸困難対策について考察できたことは、意義深い研究となったものと考える。
著者
平川 史央里 白仁田 秀一 小栁 泰亮 堀江 淳 林 真一郎 渡辺 尚
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement Vol.43 Suppl. No.2 (第51回日本理学療法学術大会 抄録集)
巻号頁・発行日
pp.0749, 2016 (Released:2016-04-28)

【はじめに,目的】The Global Initiative for Chronic Obstructive Lung Disease(GOLD)が報告しているCOPDに対する呼吸リハビリテーション(呼吸リハ)のエビデンスにおいて,不安や抑鬱の軽減はエビデンスAと強い根拠を示している。当院においても3ヵ月間の呼吸リハを施行したCOPD78例に対し,HADS鬱の点数は初期が6.8±3.1点から3ヵ月後は5.1±3.0点(p<0.01)で,また,HADS鬱疑いである8点以上の割合も初期が38%から3ヶ月後は22%(p<0.01)と有意な改善が認められた。しかし,鬱疑いのあるCOPDは22%も継続されていることは課題である。そこで今回,鬱が改善した群と改善しない群の諸項目の変化量の比較と変化量の影響因子の検討をする事で鬱改善はどのような項目のリハ効果に影響しているのか調査した。【方法】対象はHADSが8点以上の鬱疑いのある外来COPD30例(年齢:71.8±10.6歳,BMI:22.2±4.3,%FVC:80.0±26.7%,%FEV1.0:60.0±29.9%,modified Medical Research Council scale(mMRC):2.4±1.1,COPD Assessment Test:19.3±8.9点)中,呼吸リハ実施3ヶ月後にHADSが8点未満になった(鬱改善群)13例,HADSが8点以上のままだった(鬱非改善群)17例とした。検討する項目は,症状検査はmMRC,生活範囲検査はLife Space Assessment(LSA),身体活動量検査は国際標準化身体活動質問票(IPAQ),身体機能検査は膝伸展筋力/体重比(%膝伸展筋力)と6分間歩行距離テスト(6MWT),QOL検査(St. George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)とした。統計解析方法は,鬱改善群と鬱非改善群の諸項目の変化量の比較を対応のないt検定を用い,また,HADSの点数の変化量と諸項目の変化量の関係をpearsonの積率相関を用いて分析した。なお,帰無仮説の棄却域は有意水準5%とし,解析にはSPSS ver21.0を用いた。【結果】2群間の実測値と比較結果は,改善群vs非改善群の順に⊿mMRCは-0.5±0.7vs-0.4±0.6(p=ns),⊿LSAは+13.2点±11.4vs+0.4±12.5点,⊿IPAQは+164.9±206.4vs+48.4±366.7(p=ns),⊿%膝伸展筋力は+9.0±11.7%vs+6.3±9.4%(p=ns),⊿6MWTは+44.6±56.1mvs+38.2±37.3m(p=ns),SGRQは-7.0±10.9vs-0.7±7.1(p<0.05)であった。⊿HADSとの相関分析の結果は,⊿mMRC(r=0.05),⊿LSA(r=-0.48),⊿IPAQ(r=-0.27),⊿%膝伸展筋力(r=0.33),⊿6MWT(r=0.12),⊿SGRQ(r=0.05)で有意差が認められたのはLSAだけであった。【考察】鬱改善群は非改善群より,生活範囲や外出の頻度,QOLの改善が高かった。その他の身体活動量,症状,身体機能は両群ともに同量の改善を示した。また,HADSの変化量には特にLSAの変化量の影響を受ける事が示唆された。鬱軽減に対して,身体活動や身体機能の改善ではなく,外出頻度向上させることが重要となることが示唆された。【理学療法学研究としての意義】本研究は,COPDの鬱改善に関わる検討であり,COPDの鬱に対する呼吸リハの効果を客観的に示した研究である。本研究結果は鬱に対する呼吸リハプログラムのアセスメントとなる研究である。
著者
阿波 邦彦 堀江 淳 長江 真弥 村田 伸 林 真一郎 今泉 裕次郎 市丸 勝昭 直塚 博行 白仁田 秀一 江越 正次朗 堀川 悦夫
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Db1202-Db1202, 2012

【はじめに、目的】 COPDの骨格筋筋力低下は、全身持久力、ADL、健康関連QOLの低下、予後にも影響している。今回、外出に制限が生じ始める6分間歩行距離400mをもとに、大腿四頭筋筋力を体重で除した体重支持力指数(WBI)のカットオフ値を求めた。そして、そのカットオフ値でCOPD患者を2群に分け、身体機能、身体能力、ADL、健康関連QOLの比較をすることでWBIのカットオフ値の有用性を検討した。【方法】 対象は、研究の参加に同意が得られた男性COPD患者116名であった。平均年齢は74.4±8.7歳、BMIは20.6±3.8、%FEV<sub>1.0</sub>は50.8±23.6%であった。なお、対象の選定は、歩行に支障をきたすような骨関節疾患、脳血管障害や重篤な内科的合併症の有する者、理解力が不良な者、測定への同意が得られなかった者は対象から除外した。主要測定項目はWBIとした。副次測定項目はmMRC息切れスケール、呼吸筋力検査(PImax、PEmax)、握力、片足立脚時間、5m最速歩行時間、Timed Up and Go Test(TUG)、30秒椅子立ち上がりテスト(CS-30)、6分間歩行距離(6MWD)、漸増シャトルウォーキングテスト(ISWT)、長崎大学呼吸ADL質問票(NRADL)、健康関連QOLはSt George's Respiratory Questionnaire(SGRQ)とした。予後指標はupdated BODE indexとした。統計学的解析は、外出に制限が生じ始めるWBIのカットオフ値を6MWD-400m以上群と未満群に分け、ROC曲線にて分析した。また、分析されたWBIのカットオフ値でWBI高値群と低値群に分け、2群間にて副次測定項目の比較をStudents' t-testで分析した。なお、帰無仮説の棄却域は有意水準5%未満とした。【倫理的配慮、説明と同意】 本研究は、佐賀大学研究倫理審査委員会の承認を得て実施し、ヘルシンキ宣言に沿った研究とした。なお、対象には研究の主旨、方法、同意の撤回などについて文書を用いて口頭にて説明したうえで同意を得て実施した。【結果】 外出に制限が生じ始めるWBIのカットオフ値は54.7であった。なお、ROC曲線下面積は0.798、感度は0.735、1-特異度は0.348であった。WBI高値群とWBI低値群における副次測定項目の比較は、mMRC息切れスケール(1.8±1.0vs2.3±1.0、p=0.008)、PImax(85.1±35.3vs56.0±28.8cmH<sub>2</sub>0、p<0.001)、PEmax(82.4±37.5vs54.4±32.1cmH<sub>2</sub>0、p=0.001)、握力(33.5±7.2vs 25.5±7.8kg、p<0.001)、片足立脚時間(67.0±42.0vs 22.7±30.2秒、p<0.001)、5m最速歩行時間(2.9±0.9vs3.9±1.5秒、p=0.001)、TUG(6.0±1.8vs9.1±4.6秒、p<0.001)、CS-30(18.3±4.5vs13.4±5.0回、p<0.001)、6MWD(416.7±110.6vs281.0±139.4m、p<0.001)、ISWT(411.9±170.4vs247.3±149.5m、p<0.001)、NRADL(78.7±20.3vs63.9±26.7点、p=0.001)、updated BODE index(3.7±3.0vs7.4±4.8、p<0.001)に有意差が認められた。しかし、SGRQ(39.3±17.5vs45.9±18.1、p=0.06)には有意差は認められなかった。【考察】 COPD患者における外出に制限が生じ始めるWBIは中等度の予測能を認めた。WBI低値群は、WBI高値群よりも各身体機能、身体能力、ADL、予後指標において有意に低値を認めた。これは先行研究と同様の結果であった。しかし、健康関連QOLに有意差は認められなかった。その原因として、健康関連QOLには筋力などの身体機能以外にも不安や抑うつなどの精神的症状も関与しているためと考えられる。今回の研究では、外出制限を6MWDの測定値で検討しているため、想像の域を脱していないことである。そのため、今後の課題は外出制限の具体的な設定や患者背景を検討してゆく必要がある。【理学療法学研究としての意義】 本研究は、外出に制限を生じ始めるWBIのカットオフ値を推定する一つの指標となりうる可能性が示唆された。しかし本研究では検討課題も多く残された。そのため今後も研究を重ねていき臨床の場面にて活用できるような指標に展開したいと考える。