著者
安井 一民 中川 覃夫 沢 嘉也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.381-386, 1982-07-15
被引用文献数
3

オンライン・システムに代表されるコンピュータ・システムの利用の高度化に伴い システムに対する高信頼化の要求が急速に高まってきている.オンライン・システムにおいて システム障害時に行わなければならない最も大切なことは 早急かつ確実にシステムを復旧させることであり そのために動作可能なシステムを できるだけ早く再構成することである.ここでは マルチ・プロセッサ・システムで構成されている汎用コンピュータ・システムが オンライン・システムの障害時のバック・アップ要求に応じて 二つの独立なパーテイション・システムとしてシステムを再構成する.そのとき 一方をオンライン・システムのバック・アップ用に 他方を汎用処理用に再始動させ オンライン・システムの回復を早期に実現するようなモデルを設定する.また オンライン・システムからの要求を考慮して汎用コンピュータ・システムの故障を定義し マルコフ再生過程の手法を用いて 定常アベイラビリティ 故障までの平均時間 単位時間当りの平均システム故障回数を求める.さらに この結果を利用して オンライン・システムからの要求を満たす確率や拒否する確率 汎用処理業務が正常に行われている確率なども求める.最後に 数値例を示し種々の議論を行う.
著者
水谷 聡志 中川 覃夫
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. R, 信頼性 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.112, no.59, pp.1-4, 2012-05-18

単一のユニットで構成されたシステムに対し、取替・保全時に旧ユニットと新ユニットを,二重系として運用するシステムの最適取替方策を考える.とくに、一重系期間における追加の小修理費用と、二重系運用期間における追加の運用費用を考える.また,ユニットの取替時期に関して(i)偶発故障期間取替モデル.(ii)摩耗故障期間取替モデルの二つのモデルを検討する。これらのモデルに対し、期待費用を導出し,最適方策について解析的に議論する.また,具体的に数値例を挙げて種々議論する.
著者
安井 一民 中川 覃夫 沢 嘉也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.53-59, 1980-01-15
被引用文献数
2

最近 情報資源における安全性の確保 信頼性の向上 経済性の配慮などの各而から コンピュータ・ネットワークの必要性が強調されている.システムを構成するうえで いかに高信頼度を維持せしめるかは非常に重要な問題であり ここでは 4つの処理システムをもつループ・コンピュータ・ネットワークにおいて (1)単一ループシステム (2)バイパスのある単一ループシステム (3)双方向ループシステム (4)バイパスのある双方向ループシステム の4種類のモデルを考え それぞれのモデルに対して信頼性の考察を行い かつ 比較をするネットワークを構成する処理システムは フニイル・ソフト性を考慮して すべてマルチ・プロセッサ・システムとし ある処理システムが故障した場合 そのシステムを ネットワークに連接する他の処理システムがバック・アップするモデルを設定する.各々のシステムに対して マルコフ再生過程の手法を用いて 定常アベイラビリティ 平均システム故障回数 システム故障までの平均時間(MTTF)を求める.さらに 数値例として バック・アップ可能の確率が処理システムのアベイラビリティに等しいと仮定したとき 逐次近似法によって それぞれの信頼性の諸量を求める.
著者
中川 覃夫
出版者
公益社団法人日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
Journal of the Operations Research Society of Japan (ISSN:04534514)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.13-27, 1980-03

この論文では、予備ユニットから成り立つシステムの点検方策について議論する。例えば、停電したとき、もし予備発電機が故障していたならば、病院とか大きなビルでは非常に危険な状態を招くであろう。他の例として、敵の攻撃から守るための軍用機器をあげることができる。このように、要求されたとき、そのシステムが故障している状態をできるだけ避けるために、日頃から点検しておくことは重要である。ここでは、予備発電機を例にとって、停電が起るまでの点検方策を考える。すなわち、一定時間間隔古t_0で点検し、もし故障を発見したならば、修理する。修理終了後、点検はまた一定時間問隔t_0で行われ、停電が起ったとき、この過程は終了する。このモデルは有限状態をもつマルコフ再生過程を形成し、再生型方程式を作ることによって、平均点検回数、平均修理回数、停電が起ったとき、予備発電機が故障している確率、を求めることができる。ここでは、とくに、停電が指数分布に従って起ると仮定する。そのとき、ある適当底費用を導入し、前の結果を利用することによって、停電までの期待費用を求め、それを最小にする最適方策を決定する。ある簡単な条件のもとでは最適点検時間が方程式の解として一意的に定まる。更に、停電が起ったとき、予備発電機が故障している確率をできるだけ小さくするための点検方策も求める。すなわち、停電が起ったとき、予備発電機が故障している確率をある与えられた小さい値よりも小と底る点検時間を求みる。最初のモデルでは、点検によって発電機は新品同様になると仮定しているが、点検によって故障率は変化しない場合も考えることができる。この場合、停電が起るまでの期待費用と有限な点検時間が存在するための十分条件を与えるが、一般に解析は難しい。しかし、期待費用は点検時間t_0の関数として与えられているので、それを計算することは容易であろう。更に、予備発電機が停電で稼動中のとき故障する場合も考え、前と同様な方法でこの場合の期待費用も求める。数値例として、点検によって予備発電機が新晶同様になる場合と故障率が変化しない場合の最適点検時間を求め、比較する。更に、停電時間をxとしたときの最適時間も求める。