著者
中村 信弘 斎藤 孝 藤井 慶博 高田屋 陽子 NAKAMURA Nobuhiro SAITO Takashi FUJII Yoshihiro TAKADAYA Yoko
出版者
秋田大学教育文化学部附属教育実践研究支援センター
雑誌
秋田大学教育文化学部教育実践研究紀要 = BULLETIN OF THE CENTER FOR EDUCATIONAL RESEARCH AND PRACTICE FACULTY OF EDUCATION AND HUMAN STUDIES AKITA UNIVERSITY (ISSN:24328871)
巻号頁・発行日
vol.39, pp.149-158, 2017-03-31

特別支援学校に勤務する看護師を対象に医療的ケアに関するアンケート調査を行い,看護実践の問題や校内組織等の課題について回答を得た.その結果,病院で勤務する場合と学校で勤務する場合の看護実践の違いや,看護師が学校で医療的ケアを実践することの安心や不安に感じている事柄,校内組織で配慮すべき点等が明らかとなった.これらの結果をもとに,今後求められる看護実践力について考察するとともに,緊急時対応の必要性,看護師と教員によるチームアプローチの重要性を提起した.
著者
夷藤 翔 中村 信弘
出版者
一般社団法人 日本金融・証券計量・工学学会
雑誌
ジャフィー・ジャーナル (ISSN:24344702)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.45-66, 2019 (Released:2019-04-18)

本研究では,Christoffersen et al. (2012)が扱ったダイナミック非対称tコピュラについて,Aielli (2013)のcDCCとの整合性が担保されるようにモデルを改善し,そのモデルに基づき,新興国国債市場の相互依存構造の動的特性を研究する.実証分析で焦点を当てる点は,(1)相関行列の時変性,(2)分布の裾での相互依存構造,その上下非対称性に関する有意性,(3)コピュラの違いが新興国国債ポートフォリオのパフォーマンスに与える影響,(4)高次モーメントを考慮した新興国国債ポートフォリオの構築によるパフォーマンスの改善可能性と為替変動リスクのヘッジの有無による影響,などである.これらの研究結果から,高次モーメントを考慮した為替ヘッジ付き新興国国債ポートフォリオの構築により,分布の裾や上下非対称な相互依存構造による負の影響を受けないことが明らかとなった.加えて,為替変動リスクをヘッジしない場合に比して相関が大きく低下することで高い分散投資効果を享受し,さらには,高次モーメントの踏まえた投資配分の決定により,相対的に高いパフォーマンスを得られる,という示唆を得た.
著者
三浦 良造 本多 俊毅 中村 信弘 大橋 和彦 長山 いづみ
出版者
一橋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

本研究は、電力・天候・保険事の新しいリスクの取引と管理を目標に、必要となる基礎理論の構築とその実務への応用のための基盤作りを行った。現在までに論文の形式とした成果は以下の通りである。第一の研究成果は、α-percentile barrier optionの一般化としての「江戸っ子オプション(Edokko Option)」の理論価格の導出である。(Fujita and Miura論文。)これは、基本的に一定の期間内において原資産の値がある閾値よりも小さくなる割合がα-percentile以下であるかどうかに依存してペイオフが定まるデリバティブの価格を求めるものであるが、ここで開発した理論を用いれば、例えばある一定期間に雨が降った日数(イベント日数)を原資産とする天候デリバティブの価格計算が可能になる。第二の成果は、ジャンプが加わった拡散過程に資産価格が従う非完備市場における、投資家の最適ポートフォリオ問題の解析である。(Nakamura論文)。スパイクと呼ばれるような不連続的な価格変化は電力価格の特徴であるので、この理論を用いれば、電力市場等における最適取引やリスク管理、それらのリスクをヘッジするための天候デリバティブや保険料の評価等を行うことができる。第三の成果は、取引の流動性の確保についての分析である。(Ohashi論文)ここでは保険デリバティブについて、情報の非対称性に基づく理論モデルを構築し保険デリバティブが取引される条件を分析したが、情報の非対称性による流動性の低下は、重要性を増しているMBSの取引においても重要な問題である。この他に天候や電力に関するデータを整えた。今後、これらの実データを利用して、以上の基礎理論を天候デリバティブの価格決定や、発電事業の価値評価、保険料率の決定等の分析を行う予定である。