著者
中村 哲子
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

1801年にアイルランドは政治的にイギリスの傘下に入り、以降、アイルランドの作家はアイルランド性を色濃く打ち出した小説を広くイギリス読者に向けて発表していく。プロテスタントの作家だけでなく、1820年代以降はカトリック出身の作家の活躍も顕著となる。こうした中で、イギリスからの旅行者がアイルランドの実態を語る旅行記を数多く発表するようになる。小説と旅行記を読み解くことから、イギリスとアイルランドの双方の視点から見るアイルランド性の諸相を浮彫にした。
著者
中村 哲子
出版者
駒澤大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

ジャガイモ飢饉とも呼ばれる1840年代後半にアイルランドを襲った大飢饉は、飢饉の最中から飢饉直後までに多くの旅行者によってその実態が書き残された。こうした旅行記とともに、飢饉は小説においてもさまざまに語られ、アイルランドの記憶として受け継がれることとなった。フィクションをノンフィクションと比較検討することにより、飢饉の文学的語りと表象の意義を解明する研究である。
著者
中村 哲子
出版者
日本医科大学医学会
雑誌
日本医科大学医学会雑誌 (ISSN:13498975)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.22-25, 2012 (Released:2012-03-08)
参考文献数
14

Trauma studies, as consolidated in the 1990s from a trans-disciplinary perspective, have come to attach fresh significance to narrative production by trauma sufferers. William Trevor's The Story of Lucy Gault, a novel featuring a girl injured during the Irish War of Independence, describes the difficulties trauma sufferers have to face in constructing their own narrative for recovery and apprises the reader of their long suffering from a medical point of view.