著者
上城 憲司 井上 忠俊 村田 伸 小浦 誠吾 納戸 美佐子 中村 貴志
出版者
三輪書店
巻号頁・発行日
pp.376-381, 2018-04-15

Abstract:本研究では地域在住高齢者を対象に,認知課題ゲーム(以下,Pゲーム)の実施方法の違いと認知機能別の特徴について検討した.Pゲームは25マスの図案の上に数字をランダムに記し,1〜25の番号が書かれたペットボトルのキャップをできるだけ早く,対応する図案の番号の上に置いたり取り出したりするゲームである.Pゲームの実施方法の違いについて比較した結果,「取り出す」パターンは,「置く」パターンよりも遂行時間が有意に短かった.また,Trail Making Test(TMT),Pゲームを認知機能別に比較した結果,「置く」パターンはすべての群間に有意差が認められた.一方,「取り出す」パターンは,TMTが健常群と認知機能低下群,認知症疑い群,Pゲームが健常群と認知症疑い群との間に有意差が認められ,認知機能低下に伴い遂行時間が長くなる傾向が示された.本研究の結果から,Pゲームは心理的ストレスが低く,簡易に認知機能の程度を判定する評価ツールとして有用性が高いと推察する.
著者
中村 貴志 松木 裕二 志堂寺 和則 渡邊 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告高度交通システム(ITS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.103, pp.65-68, 2006-09-29

在,運転挙動の測定を行う実験の多くは,運転挙動測定装置を搭載した実験専用車両を被験者が運転することによって行われている.しかしながら,この方法では,自分の運転に対する評価を被験者が過剰に意識したりするため,普段の運転挙動を測定することが困難となっていた.そこで,著者らは,被験者の車両に容易に設置可能なシステムを開発した.この装置を被験者が普段使用する車両に搭載することで,速度,加速度,車両位置,車間距離,前方映像を長期間連続して測定することが可能になった.また,取得した全ての運転挙動データを人が確認するのは大変であるため,データから必要な部分を自動的に抽出するシステムを開発した.To measure drivers' behavior, experimental vehicles must be driven by test drivers. But because drivers are then conscious of the experiment, their everyday driving behavior cannot be analyzed. To measure and record everyday driving behavior, we developed a portable device that installs easily and measures car speed, acceleration, position, distance gap, and a frontal image. This device can be installed in drivers' personal cars so that we can examine their long-term driving behavior. In addition, we have developed a system that automatically analyzes the recorded driving behavior.