著者
三好 寛二 中村 隆治 安氏 正和 中布 龍一 濱田 宏 河本 昌志
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.564-568, 2012 (Released:2012-10-11)
参考文献数
8

術中にアナフィラキシーを生じた肝門部胆管癌症例を経験した.アレルゲンは術中には確定できなかったが,後日行った薬剤リンパ球刺激試験でタココンブ®と判明した.タココンブを貼付したまま閉腹したためか,術後もアドレナリンの持続投与が必要な状態が続き,約20時間後にアドレナリンを離脱できた.血漿中ヒスタミンとトリプターゼの定量測定では,両者とも検出できず,これらを介さない機序でのアナフィラキシーを生じたものと考えられた.
著者
秋吉 駿 古居 彬 平野 陽豊 隅山 慎 棟安 俊文 三戸 景永 曽 智 笹岡 貴史 吉野 敦雄 神谷 諭史 中村 隆治 佐伯 昇 吉栖 正夫 河本 昌志 山脇 成人 辻 敏夫
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.Annual57, no.Abstract, pp.S236_2, 2019 (Released:2019-12-27)

【目的】ヒトの疼痛を客観的に定量評価することを目的として,著者らは末梢交感神経活動を反映する血管剛性と電気刺激時の主観的疼痛度の間に有意な関係があることを見出した.本報告では,血管剛性から筋交感神経信号の分散を非侵襲推定し,推定した分散から主観的疼痛度をより高精度で客観的に定量評価する方法を提案する.【方法】広島大学・医の倫理委員会承認のもと事前にインフォームド・コンセントが得られた健常成人男性22名(22.7±1.0歳)を対象に皮膚電気刺激実験を行った.刺激中の心電図,血圧,指尖容積脈波から求めた血管剛性を用いて筋交感神経信号の分散を推定した.その後,ウェーバー・フェヒナー則を用いて筋交感神経信号の分散と主観的疼痛度の関係をモデル化し,モデルによる推定値と実測値との相関解析を行った.比較のため,血管剛性と主観的疼痛度の間においても同様の解析を行なった.【結果】筋交感神経信号の分散から推定した主観的疼痛度と実測した主観的疼痛度の相関は,血管剛性の場合と比較して上昇した(提案法: r = 0.60, p < 0.001, 血管剛性: r = 0.47, p < 0.001).【結論】提案法は主観的疼痛度を従来法より高精度かつ客観的に定量評価可能であった.
著者
秋吉 駿 神谷 諭史 中村 隆治 佐伯 昇 吉栖 正夫 河本 昌志 山脇 成人 辻 敏夫 古居 彬 平野 陽豊 隅山 慎 棟安 俊文 三戸 景永 曽 智 笹岡 貴史 吉野 敦雄
出版者
公益社団法人 日本生体医工学会
雑誌
生体医工学 (ISSN:1347443X)
巻号頁・発行日
vol.57, pp.S236_2, 2019

<p>【目的】ヒトの疼痛を客観的に定量評価することを目的として,著者らは末梢交感神経活動を反映する血管剛性と電気刺激時の主観的疼痛度の間に有意な関係があることを見出した.本報告では,血管剛性から筋交感神経信号の分散を非侵襲推定し,推定した分散から主観的疼痛度をより高精度で客観的に定量評価する方法を提案する.【方法】広島大学・医の倫理委員会承認のもと事前にインフォームド・コンセントが得られた健常成人男性22名(22.7±1.0歳)を対象に皮膚電気刺激実験を行った.刺激中の心電図,血圧,指尖容積脈波から求めた血管剛性を用いて筋交感神経信号の分散を推定した.その後,ウェーバー・フェヒナー則を用いて筋交感神経信号の分散と主観的疼痛度の関係をモデル化し,モデルによる推定値と実測値との相関解析を行った.比較のため,血管剛性と主観的疼痛度の間においても同様の解析を行なった.【結果】筋交感神経信号の分散から推定した主観的疼痛度と実測した主観的疼痛度の相関は,血管剛性の場合と比較して上昇した(提案法: r = 0.60, p < 0.001, 血管剛性: r = 0.47, p < 0.001).【結論】提案法は主観的疼痛度を従来法より高精度かつ客観的に定量評価可能であった.</p>
著者
中村 隆治 藤井 英二郎
出版者
社団法人 日本造園学会
雑誌
造園雑誌 (ISSN:03877248)
巻号頁・発行日
vol.55, no.5, pp.139-144, 1991-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
2
被引用文献数
18 24

緑地の視覚心理的効果を明らかにするために, 本実験では生垣, ブロック塀, さらに緑量的にそれらの中間的な段階の視覚対象として樹木とブロックの比が2:5, 4:3, 5:2となる場合の5つの対象物をみたときの脳波, 特にα波β波について分析を行った。 その結果, α波とβ波の合計値に占めるα波の割合が, ブロックに対する樹木の割合が半分以上になると高くなる傾向を示した。 一般に, 安静時にはα波が増え, 緊張時にはβ波が増えると言われていることから, この傾向はブロックが緊張感をもたらし, 樹木はそれを和らげる効果があることを示唆するものであることが明らかになった。