著者
山内 健生 中谷 友美
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.239-242, 2016-12-25 (Released:2017-10-12)
参考文献数
19
被引用文献数
5

2010~2015年に富山県で経験したマダニ人体刺症10例を報告した.それらの内訳は,ヒトツトゲマダニ3例,タカサゴキララマダニ2例,およびキチマダニ,ヤマトチマダニ,フタトゲチマダニ,ヤマトマダニ,シュルツェマダニがそれぞれ1例ずつであった.これらのうち,ヤマトチマダニによる1例は,北海道で刺咬されたものと推定された.今回2例を報告したタカサゴキララマダニによる人体刺症は,富山県では1976年に1例が確認されて以来の症例である.富山県では,近年のイノシシの定着にともなって,イノシシと関係の深いタカサゴキララマダニによる人体刺症が発生していると考えられる.