著者
山内 健生
出版者
日本甲殻類学会
雑誌
CANCER (ISSN:09181989)
巻号頁・発行日
vol.25, pp.113-119, 2016-08-01 (Released:2016-10-20)
参考文献数
66
著者
藤田 大樹 齋藤 暢宏 奥野 淳兒 森滝 丈也 山内 健生
出版者
日本応用動物昆虫学会
雑誌
日本応用動物昆虫学会誌 (ISSN:00214914)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.37-45, 2023-05-25 (Released:2023-06-16)
参考文献数
43
被引用文献数
1

Cinusa nippon Nagasawa(Isopoda: Cymothoidae), a marine parasite infesting the buccal cavities of coastal puffers, is newly recorded from the Pacific coasts of central Japan. A pair consisting of a mature female and mature male, and six mancae and a juvenile, were collected from reared vermiculated puffer, Takifugu snyderi(Abe)(Tetraodontiformes: Tetraodontidae), in an aquarium and a museum, respectively. The present paper provides a description of the morphological characters of these cymothoids, including their immature stages, and molecular analysis using 16S rRNA for C. nippon and related species. In the maximum likelihood phylogenetic tree, C. nippon was included in the clade of Ceratothoa Dana and corresponds to Ceratothoa sp. 2 reported in another study. These suggest that the relationship between Cinusa Schioedte and Meinert and Ceratothoa needs to be re-examined. Furthermore, the morphological study showed that these cymothoid mancae are similar to Manca type 2 known from zoo-plankton, provided in one of our previous reports.
著者
山内 健生 高野 愛 坂田 明子 馬場 俊一 奥島 雄一 川端 寛樹 安藤 秀二
出版者
日本ダニ学会
雑誌
日本ダニ学会誌 (ISSN:09181067)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.15-21, 2010-05-25 (Released:2010-06-25)
参考文献数
20
被引用文献数
1 3

タカサゴキララマダニ人体刺症の5例を記録した.感染地域は,兵庫県,岡山県,山口県,福岡県,および宮崎県であった.本報告で,タカサゴキララマダニ人体刺症が岡山県で初めて記録された.マダニが保有する可能性がある病原体についてDNA検索を行なったが,ボレリア,エーリキア,アナプラズマ,リケッチアのすべてが検出限界以下であった.
著者
那須 義次 村濱 史郎 坂井 誠 山内 健生
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.10, no.4, pp.89-97, 2007-12-25
参考文献数
33
被引用文献数
2

2002年から2006年にかけて,日本各地の鳥類の巣・ペリットおよび哺乳類の糞を調査し,ヒロズコガ科ヒロズコガ亜科に属する4種の蛾の発生を確認した.イガが島根県出雲市と大阪府河内長野市のツバメの巣,ウスグロイガが大阪府寝屋川市のハイタカのペリット,マエモンクロヒロズコガが愛媛県宇和島市のシジュウカラの巣,長野県飯綱町のノスリのペリット,小笠原諸島父島のイエネコの糞および鹿児島県奄美大島のイエネコかイヌの糞,アトキヒロズコガが和歌山県橋本市の雑木林に設置したハイタカのペリットを用いたトラップから羽化した.本報告は,日本においてシジュウカラの巣,鳥類のペリットおよび肉食哺乳類の糞から発生した蛾の初めての記録となった.幼虫はいずれも巣・ペリットおよび糞中のケラチン源(羽毛,毛など)を摂食していると考えられた.今回の調査結果と文献記録から市街地に造られたスズメ,コシアカツバメ,ツバメとカワラバトの巣が毛糸や毛織物害虫のイガの野外における重要な発生源であり,こられの巣からイガが家屋内に侵入することが推察された.
著者
山内 健生 有馬 知佳
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー (ISSN:18803415)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.5-6, 2016-04-20 (Released:2017-11-06)
参考文献数
8

2015年8月1日の午前5時46分頃,兵庫県豊岡市日高町東河内(標高約400 m)で,アスファルトの舗装道路上を行進するクロバネキノコバエ科幼虫の集団(armyworm)が発見された.クロバネキノコバエ科幼虫の隊列は,長さが約20 cmで,西から東の方向へ向かって進んでいた.そこで,スマートフォンを用いて16秒間の動画と静止画1枚を撮影した.虫体の採集は行わなかったため,クロバネキノコバエ科幼虫の種名などの詳細は不明である.我が国では,armywormは,これまで神奈川県以東で確認されていたが,本報告により西日本で初めて確認された.
著者
山内 健生 小原 真弓 渡辺 護 安藤 秀二 石倉 康宏 品川 保弘 長谷川 澄代 中村 一哉 岩井 雅恵 倉田 毅 滝澤 剛則
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.60, no.1, pp.23-31, 2009
被引用文献数
1

1991-2007年に富山県においてフランネルによるマダニ採集を行い,3,562個体のマダニ類を採集した.これらのマダニ類は次の2属9種に分類された:キチマダニHaemaphysalis flava,ヤマトチマダニH.japonica,ヒゲナガチマダニH.kitaokai,フタトゲチマダニH.longicornis,オオトゲチマダニH.megaspinosa,ヒトツトゲマダニIxodes monospinosus,タネガタマダニI.nipponensis,ヤマトマダニI.ovatus,シュルツェマダニI.persulcatus.ヤマトマダニは標高401m以上の地域における最優占種で,それより低い標高域においても少なからぬ密度で分布することが示された.キチマダニは標高400m以下の地域における最優占種であった.ヒゲナガチマダニ,オオトゲチマダニ,およびヒトツトゲマダニを富山県から初めて記録した.ヒトツトゲマダニからRickettsia helveticaの近縁リケッチアが検出され,富山県における紅斑熱患者発生の可能性が示された.
著者
梶原 冴月 山内 健生
出版者
公益財団法人 平岡環境科学研究所
雑誌
自然環境科学研究 (ISSN:09167595)
巻号頁・発行日
vol.36, pp.15-17, 2023-12-07 (Released:2023-12-07)
参考文献数
8

Larval transport by adult Lasius morisitai was observed in nests of L. morisitai in a single tree of Abies sachalinensis in Obihiro, Hokkaido, Japan. Larval transport was observed on 21 June and from 29 September to 7 October 2022 during the day (8:00-11:00am and around 3:30pm), just after sunset (around 5:00pm), and at night (8:00-10:00pm).
著者
島田 瑞穂 土井 寛大 川端 寛樹 山内 健生 安藤 秀二 小林 由美江 廣瀬 芳江 周藤 史憲 藤原 由佳子 齊藤 美穂 菊池 広子 小松本 悟 室久 俊光 島野 智之
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.74, no.2, pp.53-56, 2023-06-25 (Released:2023-06-30)
参考文献数
18

During the 3-year period (2020–2022), 49 cases of tick bites were presented to the Japanese Red Cross Ashikaga Hospital in Tochigi Prefecture, Japan. More than 60% of all tick bites between March and September occurred within two months (May and June). Amblyomma testudinarium was responsible for 40 cases among all the tick bite cases. Specifically, 41 individuals of this species (39 nymphs/2 adult females) were linked (The point estimate was 0.79 with a 95% confidence interval of 0.67–1.00). There were 38 cases of tick bites in Ashikaga City, and 23 of which occurred in the vicinity of the patients’ houses (gardens and fields). Suspected cases of Tick-associated rash illness (TARI) were first recorded in the Japanese Red Cross Ashikaga Hospital in May 2020, in a total of five cases ( i.e., the patients were aged 50 years or older). TARI is indicative of repeated tick bites, which points to the permanent settlement of the A. testudinarium in and around Ashikaga City. Therefore, we believe that greater efforts should be implemented towards the detection of tick-associated infections in this area, including Severe fever with thrombocytopenia syndrome virus for which A. testudinarium is considered as a major vector.
著者
伴 光哲 山内 健生
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.41-49, 2016-04-05 (Released:2019-04-25)
参考文献数
34

1. 屋久島の原生的照葉樹林,約40年生スギ人工林,および常緑針広混交老齢林において,Townes型マレーズトラップによってナガカメムシ上科を捕獲し,その環境指標性を検討した.2. 3科11属16種182個体が採集され,それらのうちの6属8種(ヨツボシチビナガカメムシ,ヒゲブトナガカメムシ,クロツヤナガカメムシ,キモンナガカメムシ,ルイスチャイロナガカメムシ,オオモンシロナガカメムシ,ムラサキナガカメムシ,イシハラナガカメムシ)は屋久島から初記録であった.3. 捕獲個体数が多かったヤスマツチビナガカメムシとオオモンシロナガカメムシはいずれも盛夏に捕獲の極大があった.4. 種数,個体数は島西部の原生的照葉樹林で最も高く,島東部の約40年生スギ人工林で最も低い値を示した.5. 多様度指数は島東部の原生的照葉樹林で最も高く,島東部の約40年生スギ人工林で最も低い値を示した.6. 重複度指数(R0)を基にクラスター解析を行った結果,隣接した地域の異なった植生タイプの森林より,距離が離れていても共通の植生タイプの森林の方が種構成の共通性が高く,種構成は植生に影響されることが示唆された.
著者
山内 健生 渡辺 護 林 成多
出版者
一般社団法人 日本昆虫学会
雑誌
昆蟲.ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.24-30, 2013-01-05 (Released:2018-09-21)

島根県産アブ類について,野外調査と標本調査を実施し,20種を記録した.島根県におけるジャーシーアブの記録は,誤同定に基づいている可能性が非常に高いため,島根県のアブ科の種リストから本種を削除することを提案した.タイワンシロフアブ,マツザワアブ,アカバゴマフアブ,トヤマゴマフアブは島根県本土新記録となる.アカウシアブ,シロフアブ,ハタケヤマアブは隠岐諸島新記録となる.既知の記録と新記録を合計すると,28同定種が島根県に分布していることが明らかとなった.
著者
山内 健生
出版者
ホシザキグリーン財団
雑誌
ホシザキグリーン財団研究報告 (ISSN:13430807)
巻号頁・発行日
no.5, pp.271-308, 2001-12
被引用文献数
1

A bibliographical survey was made concerning host-parasite relationships between birds and ticks from Japan. Twenty-five species of ticks (3 of Argasidae and 22 of Ixodidae) parasitic on birds have been recognized, while 68 species of birds (3 of Procellariiformes, 4 of Pelecaniformes, 3 of Falconiformes, 3 of Galliformes, 1 of Gruiformes, 5 of Charadriiformes, 1 of Columbiformes, 3 of Strigiformes, 1 of Piciformes, and 44 of Passeriformes) have been recorded as hosts of ticks in Japan.
著者
山内 健生 大塚 攻 仲達 宣人
出版者
広島大学大学院生物圏科学研究科附属瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター
雑誌
広島大学大学院生物圏科学研究科瀬戸内圏フィールド科学教育研究センター報告 (ISSN:21899436)
巻号頁・発行日
no.1, pp.1-9, 2004

Four cymothoid isopods including Anilocra clupei Williams and Williams, 1986, Elthusa sacciger (Richardson, 1909), Rhexanella verrucosa (Schioedte and Meinert, 1883), Mothocya sajori Bruce, 1986, and two unidentified species belonging to Mothocya, that are parasitic on fish, have so far been recorded from the Seto Inland Sea, western Japan (until 2003).
著者
長澤 和也 山岡 耕作 大塚 攻 海野 徹也 奥田 昇 山内 健生
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

海産栽培漁業種の生態を寄生虫を生物標識に用いて解明するために、瀬戸内海における主要放流魚であるマダイ、クロダイ、メバル類などの外部・内部寄生虫相を明らかにした。瀬戸内海の6水域からマダイ1歳魚を採集し、寄生虫相を比較することにより、系群識別を試みたところ、マダイは比較的狭い海域で小さな地方群を形成していることが示唆された。また、クロダイは内部寄生虫相に基づくと、日本各地で異なる系群を形成していると推測された。
著者
小松 謙之 山内 健生
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1, pp.25-31, 2022-03-25 (Released:2022-03-28)
参考文献数
61

2015年から2020年にかけて,茨城県,埼玉県,東京都,神奈川県,長野県,静岡県においてツバメ類3種の巣に生息する節足動物を調べた.巣の数は,ツバメが51個,イワツバメとヒメアマツバメが各6個の合計63個であった.巣から7目13種以上の節足動物が採集された.吸血動物に関しては,ツバメの巣からはシラミバエ類29個体(検出率10%),ニワトリノミ81個体(検出率2%),ツバメヒメダニ46個体(検出率3%)の虫体を得た.トリサシダニとスズメサシダニについては,両種とも検出率13%であった.イワツバメの巣からはツバメトコジラミ1,699個体(検出率83%),シラミバエ類88個体(検出率83%),スズメトリノミ50個体(検出率67%),ツバメヒメダニ359個体(検出率67%)が得られた.ヒメアマツバメの巣からは重要な吸血動物は得られなかった.今回の調査で,ニワトリノミとツバメヒメダニがツバメの巣から初めて採集された.イワツバメシラミバエは我が国のツバメの巣から初めて発見された.ニワトリノミとツバメヒメダニはツバメの新しい巣(巣を撤去した年に営巣)からは得られなかったが古い巣(以前からあった巣の上に営巣され,巣を撤去した年まで使用)から採集され(検出率は両種とも12.5%),新しい巣と古い巣における検出率に有意差がみられた.
著者
小松 謙之 仲村 昇 山内 健生
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
衛生動物 (ISSN:04247086)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.223-225, 2016-12-25 (Released:2017-10-12)
参考文献数
9
被引用文献数
3 5

Human infestation of the swallow bug Oeciacus hirundinis (Hemiptera: Cimicidae) was confirmed in an apartment complex in the suburbs of Tokyo. Source of the bugs were nests of house martin Delichon dasypus attached to the outer wall. Swallow bugs were successfully eradicated from the room by applying heat and pesticide treatment for bedbugs. Bugs could be kept under captivity by feeding fetal mouse twice a month. We experimentally confirmed infestation by O. hirundinis. This report is the first confirmed human infestation and eradication case of the swallow bug in Japan. Since house martins are a common migratory bird in Japan, potential cases of human infestation may not be rare. In the future, it will be necessary to investigate bedbugs and their prevention, for preventing recurrence and identifying the kind and the nest building of the outside bird.
著者
山内 健生 岸本 年郎 角坂 照貴 杉浦 真治 岡部 貴美子 藤田 博己
出版者
日本衛生動物学会
雑誌
日本衛生動物学会全国大会要旨抄録集 第60回日本衛生動物学会大会
巻号頁・発行日
pp.39, 2008 (Released:2008-07-01)

東京都の小笠原諸島は特異な生物相を有する海洋島で,コウモリ類を除く陸生哺乳類は本来分布していなかった.しかし,19世紀以降,様々な陸生哺乳類が同諸島へ持ち込まれ,現在では,こうした哺乳類が外来種問題を引き起こしている.これまで同諸島のマダニ相に関する知見は皆無であったため,われわれは2007年4~10月に同諸島父島列島の弟島(5.2 km2)と父島(23.8km2)においてマダニ相調査を実施した. 弟島では,外来生物対策として駆除されたノヤギとノブタの体表を調査して寄生個体を採集したほか,フランネルを用いて植生上から未寄生個体を採集した.父島では,外来生物対策として駆除されたクマネズミの体表を調査して寄生個体を採集した. 採集されたマダニ類は,Boophilus microplus(弟島),Haemaphysalis flava(弟島),Haemaphysalis hystricis(弟島),Ixodes granulatus(弟島,父島)の3属4種であった.なお,採集法別の内訳は以下のとおりであった. 植生上:H. flava(NL),H. hystricis(NL),I. granulatus(L) ノヤギより:B. microplus(♂♀),H. flava(N),H. hystricis(♂♀N) ノブタより:H. hystricis(♂♀) クマネズミより:I. granulatus(♀) (L:幼虫,N:若虫)
著者
山内 健生 尾崎 清明
出版者
公益財団法人 山階鳥類研究所
雑誌
山階鳥類学雑誌 (ISSN:13485032)
巻号頁・発行日
vol.38, no.2, pp.97-99, 2007
被引用文献数
2

2005年8月21-22日に沖縄島国頭村西銘岳で2雌の <i>Ornithoica exilis</i>(ハエ目:シラミバエ科)を2個体のヤンバルクイナ <i>Gallirallus okinawae</i> 幼鳥の体表から採集した。宿主のヤンバルクイナはいずれも良好な健康状態であった。今回の記録は沖縄島における <i>O. exilis</i> の初記録であり,ヤンバルクイナは <i>O. exilis</i> の新宿主記録となる。
著者
山内 健生 矢田 脩
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.50, no.4, pp.243-246, 1999-09-30
被引用文献数
1

Gandaca harina simukensis Yamauchi et Yata,ssp.nov.インドネシアのメンタワイ諸島バツ群島のシムク島からGandaca harinaの一新亜種,simukensis ssp.nov.を記載した.本亜種は,雄の翅が淡いレモン色であること,雌の翅表が淡いクリーム色,裏が黄色みを帯びた淡いクリーム色であること,雌雄前翅表面の黒帯の巾が極めて狭く一様であることなどから,原名亜種と容易に区別できる.特に,本亜種の雌に見られる前翅表面の非常に狭い黒帯は他のいずれの亜種にも見られない.本亜種の雌雄交尾器の形態は,Gandaca harinaの種内変異の幅に含まれた.
著者
山内 健生 渡辺 護
出版者
日本ペストロジー学会
雑誌
ペストロジー (ISSN:18803415)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.13-16, 2013-05-25 (Released:2019-04-10)
参考文献数
16

富山県の山地(標高330m, 664m, および1,120m)にて,Townes型マレーズトラップを2009年7月から9月まで連続して設置し,スズメバチ類の捕獲を行なった.その結果,2亜科16種を捕獲した.捕獲個体数がもっとも多かったのはシダクロスズメバチで,全個体数の59.1%を占めた.ツヤクロスズメバチがこれに次いだ(15.7%).3地点とも最優占種はシダクロスズメバチであったが,種構成は標高によって異なっていた.アシナガバチ亜科に関しては,標高の高い地点ほど捕獲種数と個体数が少なく,標高1,120 m地点ではまったく採集されなかった.一方,スズメバチ亜科では標高が高い地点ほど捕獲種数と個体数が多かった.