著者
山王丸 靖子 秋山 隆 沼尻 幸彦 寺尾 哲 和田 政裕
出版者
日本食生活学会
雑誌
日本食生活学会誌 (ISSN:13469770)
巻号頁・発行日
vol.26, no.4, pp.197-204, 2016 (Released:2016-04-27)
参考文献数
26
被引用文献数
3

Nowadays, in Japan, there is a high ratio of women who complain of chilliness. In this study, the effects of lifestyle and frequency of certain types of food intake on chilliness among female college students were studied using a questionnaire (n=215). According to the diagnostic criteria for chilliness, 42% of all responders routinely experienced chilliness. The influence of food and lifestyle habits on chilliness was ana lyzed using logistic regression analysis. First, exploratory factor analysis was per formed on 41 items about food and life habits. These items combined into 4 factors with a few items forming their own one-item factor. Using logistic regression analysis, these factors, together with BMI (Body Mass Index), were examined to see whether they predicted the relative risk of respondents for chilliness. The factors “Eating more vegetables”, “Eating more noodles” and “Feeling stress” were shown by the regression analysis to be positively related to experiencing chilli ness (p<0.05). An increase in the consumption of noodles by one level of intensity on a Likert scale of one to five is associated with a 4.75 relative risk of chilliness (given average levels of BMI); an increase in stress by one level (on a one to five Likert scale) is associated with a 3.07 relative risk; an increase in the consumption of vegeta bles by one level (one to five Likert scale) is associated with a 5.56 relative risk. BMI was negatively related to chilliness (p<0.05). These results suggest that to prevent chilliness women should avoid primarily eat ing vegetables and foods like noodles (which are typically eaten by themselves, unlike rice, which is usually part of a balanced meal). Eating a variety of nutritionally-bal anced foods will help with chilliness as well as maintaining a proper weight. The ne cessity of reducing stress is also clear.
著者
山田 沙奈恵 沼尻 幸彦 和田 政裕 山王丸 靖子
出版者
特定非営利活動法人 日本栄養改善学会
雑誌
栄養学雑誌 (ISSN:00215147)
巻号頁・発行日
vol.76, no.5, pp.109-120, 2018-10-01 (Released:2018-11-06)
参考文献数
32
被引用文献数
2

【目的】我が国の健康食品について,医療従事者を含む消費者が持つ知識・認識等について調査し,表示認識およびニーズの実態を明らかにすることを目的とした。【方法】2015年1月~8月に一般消費者,薬剤師,管理栄養士,助産師を対象(合計有効回答数:1,502名)に,健康食品に対するイメージ,知識・認識等に関する無記名自記式質問紙調査を実施し,集団間の違いについて包括検定および対比較(χ2 検定,steel-dwass法)により検討した。本調査における健康食品とは,「健康の維持向上を目的としたすべての食品」と定義した。【結果】健康食品の知識は,一般消費者よりも医療従事者の正答率が高い傾向を示し,一般消費者と管理栄養士との間では有意な差が認められた。一般消費者と比較して医療従事者のポジティブイメージは有意に低い項目が多く,ネガティブイメージは有意に高い項目が多かった。どの集団でも,健康食品の認可機関としては「国」を希望する者が最も多く,機能性表示としてふさわしい段階は「健康増進に効果があること」,「病気のリスクを低減すること」の順となった。安全性に関するニーズは助産師が高い傾向を示した。【結論】一般消費者と医療従事者及び,医療従事者間にも健康食品に対するイメージ,知識・認識等には差が見られ,医療従事者であっても知識は十分ではなかった。表示の認可機関と機能性表示に対する期待の程度は,医療従事者の専門性により異なる傾向を示した。
著者
山王丸 靖子 松原 誠史 武藤 慶子
出版者
県立長崎シーボルト大学
雑誌
県立長崎シーボルト大学看護栄養学部紀要 (ISSN:13466380)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.11-21, 2004-02
被引用文献数
1

男子学生の自覚症状の実態を把握し、生活習慣および食生活との関連を明らかにすることを目的とした。平成14年6月下旬にN大学の男子学生とS大学の男子学生139名(平均年齢18.9±1.4歳)を調査対象として、疲労自覚症状調査、生活・食生活状況調査、食事調査を行った。調査結果は以下のとおりである。1)本調査の有効回答率は97.9%であった。平均BMIは21.7であり、肥満傾向はみられなかった。2)身体自覚症状は「ねむけ」を訴える者が全体の72%を占めた。「ねむけ」得点は、他の因子と比較して有意に高値を示し、次に「集中思考困難」得点が高かった。3)全体の82%がアパートで暮らす単身者であった。日常生活状況では、「自覚的健康状態」が悪い者、「ストレス」を感じている者は疲労度が高い傾向があり、「適正体重の把握」が出来ている者、「運動習慣」がある者は疲労度が低い傾向であった。4)食生活状況では、「健康に関する情報収集」・「栄養成分表示の利用」をしている者、「適切な食事の知識」を持っている者の疲労度が低い傾向であり、「間食・夜食の頻度」が多い者の疲労度が高い傾向であった。5)栄養素摂取は、疲労度が高い対象者の「鉄」と「ビタミンB_1」摂取量が有意に低値を示した。6)疲労度が低い群は、多種類の食品を摂取している傾向がみられた。これらの結果から、健康生活上好ましいと考えられる行動を取っているものは、疲労度が低く、健康に関する情報の有無が疲労度に影響を及ぼしていることが明らかになった。今後は、大学においても健康維持・増進のために、健康に対する意識向上および知識供給を図ることが必要であると考える。