著者
伊藤 博隆 馬場 駿吉 高木 一平 大屋 靖彦 横田 明 伊藤 弘美 稲垣 光昭 小山 賢吾 北條 郷明 丸尾 猛 東内 朗 杉山 和子 河合 〓 森部 一穂 鈴木 賢二 柘植 勇人 板谷 純孝 鈴木 康夫
出版者
耳鼻咽喉科臨床学会
雑誌
耳鼻咽喉科臨床 補冊 (ISSN:09121870)
巻号頁・発行日
vol.1991, no.Supplement52, pp.107-118, 1991-12-25 (Released:2012-11-27)
参考文献数
17
被引用文献数
1 1

Mao-bushi-saishin-to extract capsules (6 caps. /day) were administered orally to 61 perennial nasal allergy patients presenting with nasal obstruction for 4 consecutive weeks to assess the overall efficacy, safety and utility of the drug. In the doctor's evaluation, the overall efficacy rate covering excellent and good responses was 38.3% at week 2 of treatment and 54.7% at week 4 of treatment. The utility rate covering useful and higher ratings was 60.7%.Nasal symptoms, viz, sneezing attack, nasal discharge, nasal obstruction, dysosmia and interference with daily living were all improved. Nasal obstruction, in particular, disappeared in many cases, thus generating a high improvement rate. Nasal mucosal findings, viz, swelling of inferior turbinal mucosa, watery secretion in nasal cavity, and nasal discharge eosinophil count showed good improvements.The time course of each nasal symptom i n terms of the average score according to allergy diaries, revealed significant reduction in nasal obstruction, dysosmia and interference with daily life in severity at and after week 2 and sneezing and nasal discharge were significantly alleviated at week 4 as compared with the findings obtained during the baseline period.As side effects, headache was reported in one case and stomachache in one case. These symptoms were relieved after discontinuation of treatment.
著者
本山 覚望 望月 愼介 竹内 聡 赤山 由起 山辺 晋吾 丸尾 猛
出版者
Japanese College of Surgeons
雑誌
日本外科系連合学会誌 (ISSN:03857883)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.61-65, 2000-02-29 (Released:2009-08-13)
参考文献数
20

目的 : 人工造腟術として, 酸化セルロース製の組織代用人工繊維布 (TC7) を新腟腔へ添付し, 腟本来の扁平上皮粘膜の新生誘導を検討した。方法 : 6例の先天性腟欠損症に対し, 腟前庭粘膜の十字切開により解剖学的腟経に沿い子宮下部に達する新腟腔を形成した。切開で生じた4点の腟前庭粘膜縁を新腟腔内壁へ縫合後, TC7で包まれた膣型を新腟腔へ充填し手術を終了した。成績 : 平均手術時間は25.8分, 平均出血量は14.2ml, 入院期間は2日, 合併症発生率は0%であった。全例において, 術後2~5カ月で添付TC7膜下で腟前庭粘膜縁より新生した重層扁平上皮で新腟腔全域は被覆された。また, 新生腟扁平上皮粘膜は正常腟粘膜と同様に卵巣周期に呼応した分泌能と形態の変化を示した。結論 : 本法は現行造腟法と比較して低侵襲性でDay Surgeryも可能であり, また, 本法の腟粘膜は腟本来の自然性を示すため, 患者QOLの向上に役立つものと思われる。
著者
松尾 博哉 丸尾 猛 佐本 崇
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

3種類の絨毛細胞、細胞性栄養膜細胞(cytotrophoblast:C細胞)、合胞体栄養膜細胞(syncytiotrophoblast:S細胞)ならびに絨毛外栄養膜細胞(extravillous trophoblast:EVT)に関して以下の研究成果を得た。1.Bcl-2蛋白はS細胞の機能分化を誘導すると共に、分化したS細胞のアポトーシス抑制を介して妊娠維持に関わると推察され、Bcl-2蛋白発現の障害とPIHの関連が示唆された。2.妊娠時の多価不飽和脂肪酸の上昇はPPARを介して絨毛細胞の増殖能を抑制し、分化機能を誘導することが推察された。また、PPARとRXRとの間にinteractionの存在が示唆された。PIH胎盤では多価不飽和脂肪酸による絨毛細胞の分化誘導が障害され、その結果VLDL-R発現が低下し、これが胎児発育の障害につながる可能性が示唆された。3.部分胞状奇胎、胞状奇胎、絨毛癌の順に増殖能は高く、アポトーシスは抑制されるが、腫瘍性絨毛細胞でのアポトーシス抑制にはBcl-2蛋白は関与しないことが示唆された。4.EVTのアポトーシス発現はFas/Fas-Lとbcl-2 familyにより調節され、脱落膜浅部に比して深部のEVTでアポトーシス発現は高いが、脱落膜深部でtrophoblastic cleftを形成するEVTはBcl-2蛋白発現が著しく強く、例外的にアポトーシスから回避されていることを認めた。PIH胎盤では細胞接着関連因子の発現が抑制され、EVTのアポトーシス発現が高まり、EVTの脱落膜侵入が損なわれる可能性が示唆された。また、甲状腺ホルモンはEVTのアポトーシス抑制とVEGF発現促進を介して妊娠初期の胎盤形成に重要な役割を担うことが推察された。
著者
丸尾 猛 FERNANDEZ J. L.
出版者
神戸大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2003

子宮筋腫や子宮腺筋症に伴う過多月経の長期管理では、LNg-IUDを子宮腔内に装着すると定常的な黄体ホルモン様作用により子宮内膜の分泌腺と間質の増殖能抑制とアポトーシス誘導が惹起され子宮内膜は強く萎縮、菲薄化して月経時出血量の著明な減少をみる。しかし、LNg-IUD装着後3ヶ月間は少量の不規則な出血(spotting)が出現し、同IUD使用時の臨床的問題となっている。そこで本年度の研究では、子宮筋腫や子宮腺筋症に伴う過多月経患者を対象に、LNg-IUD装着前ならびに装着3ヶ月後に採取した子宮内膜における血管新生関連因子(VEGF、アドレノメヂュリン等)発現を免疫組織学的に検討した。VEGFに関しては、LNg-IUD装着前には子宮内膜腺ならびに間質にその強い発現が観察されたが、LNg-IUD装着3ヶ月後にはその発現は大きく減弱した。一方、アドレノメヂュリンはLNg-IUD装着前には子宮内膜にその発現は観察されなかったが、LNg-IUD装着3ヶ月後には、その発現は子宮内膜腺ならびに間質において増強していた。このことから、LNg-IUD装着後3ヶ月間の少量の不規則な出血(spotting)はLNgによるアドレノメヂュリン発現の亢進によると推察された。甲状腺機能低下症ではしばしば流産を伴う。受精卵の着床に際しては絨毛外トロホブラスト(EVT)が重要な役割を果たすことから、甲状腺ホルモンがEVT機能発現に及ぼす影響を検討した。これまでにEVT培養細胞系を確立、EVTに甲状腺ホルモン受容体が存在し、甲状腺ホルモンが培養EVTのFas/FasL、caspase-3、PARP、Bax、Bcl-2蛋白発現調節を介してEVTのアポトーシス発現を抑制することを明らかにした。