著者
日高 宗一郎 児玉 和也 丸山 勝巳 橋爪 宏達
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. B, 通信 (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.86, no.3, pp.376-384, 2003-03-01
被引用文献数
1

今やほとんどのシステムはソフトウェア制御で,システムの成否をソフトウェアが握っており,システム制御プログラム開発の効率化が求められている。したがって,システム制御用に適した,要求に応じて機能拡張や変更が可能なOSが望まれる。この対策として,筆者らは,マイクロカーネル+マルチサーバ構成のOSの研究試作を進めている。このOS構成では,カーネルモードで実行されるのはマイクロカーネルのみであり,そのうえで各種のOSサービスタスクが,個々の論理空間をもちユーザモードで実行される。本方式では,拡張性,耐障害性,分散処理への適合性,制御ソフトウェア開発の容易化が図られる。また,この手法で懸念されるタスク間メッセージ転送のオーバヘッドは十分に少ないことを明らかにした。
著者
丸山 勝巳 佐藤 好秀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告システムソフトウェアとオペレーティング・システム(OS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.35, pp.123-130, 2008-04-24

組込みシステムを始めとする制御系プログラムには,強い耐障害性・連携処理の容易化・プログラム開発の容易化などが求められる.本報告では,多数のプロセッサが連携動作する組込みシステム向けのオペレーティングシステムとして LP49 を紹介する.LP49 は,L4 マイクロカーネルの先進的な機能・性能・融通性と Plan 9 の簡潔強力な分散処理機能・名前空間を活用し,コンポーネント化と連携処理を強化するものである.また制御プログラムに効果的な Hoare-CSP 的記述もサポートする.Embedded systems software is required to have enhanced features such as federated processing, dependability and efficiency. Ease of program development is also very important. LP49 is a component-oriented OS with micro-kernel and multi-server organization to answer these requests. We have adopted the L4 micro-kernel because of its performance and flexibility. Plan 9 had devised excellent distributed processing facilities (e.g. 9P protocol, private name space, user-mode servers), and we have largely adopted concepts and source code from Plan 9. LP49 will support easy development of federated embedded systems.