著者
佐藤 暁子 金井 篤子 SATO Akiko KANAI Atsuko
出版者
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要. 心理発達科学 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
no.64, pp.111-117, 2017-12-28

In recent years, studies on resilience have been increasing at home and abroad. One of the reasons of this increase is that resilience has attracted a lot of expectations because it is believed to enhance social adaptation. However, in the studies on resiliency so far, we have had no sole fixed definition for this concept of. In these studies, the term "resilience" was used in different ways, and the methods and the objects of these studies were different as well. Therefore, we have had a lot of confusion over this concept. In addition, the differences between the concept of resilience and the psychological stress model are not clear, either. In this paper, we will review how the resilience concept developed in studies of abroad. Also, we will cover the existing issues while providing the overview of the current status of resiliency studies in Japan.
著者
佐藤 暁子 米村 惣太郎 亀山 章
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.32-37, 2006-08-31
被引用文献数
4

生態的回廊に関する研究は,回廊の設置や設置直後のモニタリング事例の紹介が多いが,生育環境における効果は長期的観点から検証することが必要である。本研究では,ニホンリスの生息地において,生態的回廊としてのエコブリッジの効果を把握するために,設置から8年経つエコブリッジを対象とし,ニホンリスの生息状況と生息環境およびビデオカメラを用いたエコブリッジの利用状況を調査した。その結果,エコブリッジは8年経過後も日常的移動・季節的移動のための回廊として利用されており,生態的回廊として機能していたことが明らかとなった。また,長期にわたり利用され続けていたことから,この地域のリス個体群の消滅を回避していると推測された。
著者
佐藤 暁子 末永 一博 高田 寛之 川口 數美
出版者
CROP SCIENCE SOCIETY OF JAPAN
雑誌
日本作物学会紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.97-104, 1988-03-05 (Released:2008-02-14)
参考文献数
15
被引用文献数
3 3

関東東海地域の4種類の畑土壌で, 2ヵ年, 同一施肥量でコムギ7品種を栽培し, 土壌の種類とコムギの生育・収量との関係を検討した. 生育は, 灰色低地土で最も旺盛であり, 赤色土では初期の茎数増は旺盛であったが, 1月下旬頃から茎数増が停滞し, 葉色が淡くなり始めた. 厚層多腐植黒ボク土と淡色黒ボク土では生育初期から茎数の増加が少なく, 葉数の増加も遅れた. 冬~春先の幼穂・稈の伸長は, 赤色土で早く, 厚層多腐植黒ボク土と淡色黒ボク土では遅かった. 平均収量は, 灰色低地土で649 g/m2と高く, 他の3土壌では500 g/m2以下だった. 赤色土では, 有効茎歩合の低下からくる穂数の不足と一穂粒重の低下, 厚層多腐植黒ボク土と淡色黒ボク土では最高茎数の不足からくる穂数の不足が低収の主な原因だった. 土壌の違いによるコムギの生育及び収量成立経過の差異は, 肥沃度との関係から赤色土では生育途中からの窒素の不足, 厚層多腐植黒ボク土と淡色黒ボク土では, 生育初期からのリン酸の不足からきていると考えられた. また冬~春先の幼穂・稈の伸長程度には, 冬期の地温の土壌間差も影響を与えていると考えられた. 土壌の種類によって多収の得られる品種が異なった. 肥沃な灰色低地土では, 有効茎歩合が50%前後で穂数を確保し, 穂数が多くても倒伏が少なく千粒重・一穂粒重を大きく低下させないアサカゼコムギが収量が高かった. 黒ボク土では, 茎数の増加が旺盛で穂数を確保した農林64号が収量が高かった. また, 赤色土では有意な品種間差が認められなかった.
著者
佐藤 暁子
出版者
The Visualization Society of Japan
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.36, no.143, pp.25-29, 2016 (Released:2017-10-01)

現在,様々な科学分野で研究がなされているが,どのような科学研究もさらなる発展を図るためには,多くの人に周知してもらい,理解を得ることが重要である.しかし,一般の人にとって,科学研究は難しく,内容を理解することが困難なことが多い.そこで科学研究の結果を,可視化した画像で伝えることは,分かり易く有用であると考える.現に私は,科学研究室の一員となって,科学を可視化する仕事に携わり,科学分野の可視化の重要性を実証しようとしている.ただ,学問として科学を学んできたわけではなく,芸術を学び,デザイナーとして培ってきた経験をベースに物事を可視化している.本稿では,元々科学の知識を持っていない科学の素人が,科学研究者とどのようなコミュニケーションを取って科学を可視化しているか,その過程と事例を具体的に示す.また,芸術の立場から考察した科学分野での芸術の役割やその可能性についても述べる.
著者
佐藤 暁子 金井 篤子 SATO Akiko KANAI Atsuko
出版者
名古屋大学大学院教育発達科学研究科
雑誌
名古屋大学大学院教育発達科学研究科紀要. 心理発達科学 (ISSN:13461729)
巻号頁・発行日
vol.64, pp.111-117, 2017-12-28

In recent years, studies on resilience have been increasing at home and abroad. One of the reasons of this increase is that resilience has attracted a lot of expectations because it is believed to enhance social adaptation. However, in the studies on resiliency so far, we have had no sole fixed definition for this concept of. In these studies, the term “resilience” was used in different ways, and the methods and the objects of these studies were different as well. Therefore, we have had a lot of confusion over this concept. In addition, the differences between the concept of resilience and the psychological stress model are not clear, either. In this paper, we will review how the resilience concept developed in studies of abroad. Also, we will cover the existing issues while providing the overview of the current status of resiliency studies in Japan.
著者
佐藤 暁子
出版者
社団法人 可視化情報学会
雑誌
可視化情報学会誌 (ISSN:09164731)
巻号頁・発行日
vol.39, no.154, pp.14-18, 2019

<p> マイクロ・ナノスケールの研究で使われる材料やその反応などは,肉眼で見ることが難しい.これらを伝える手段として顕微鏡写真や化学記号等があるが,それだけで他者に理解して貰うには限度がある.そこで欠かせないのがイラストやCGなどのビジュアルである.筆者は微細加工が得意な科学研究室に所属するサイエンスビジュアライザーであり,科学研究を可視化するということを生業としている.ここでは筆者が描いてきたグラフィックデザインの一部を紹介する. また科学先端機器を使用して制作したアート作品「マイクロサイズの心臓彫刻」「原子間力顕微鏡で作成した極小アニメーション」,バイオ素材を使った「細胞の雪が降る脳型スノードーム」を紹介する.マイクロ・ナノスケールだからこそできる表現や, このサイズだからこそ感じられる面白さを,作品を通してお伝えしたい.</p>
著者
淺原 彰規 佐藤 暁子 丸山 貴志子
出版者
情報処理学会
雑誌
研究報告ヒューマンコンピュータインタラクション(HCI) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2009, no.24, pp.1-8, 2009-11-05

本報告では歩行者の動線解析技術を提案する.動線解析とは測位装置を持った歩行者の位置情報に意味づけを行う処理であり,意味づけにより適応的な情報配信などが可能となる.まず本報告では動線解析処理を体系化し,動線解析技術が提供しうる機能を明らかにする.次に動線解析の実現可能性を検証するため,バーベキューイベントにて 13 名の動線を収集し,解析した.その結果,誤差 10m 程度で 15 秒/回の測位でも,イベントに伴う歩行者行動の変化が検出された.We propose a pedestrian trajectory analysis in this paper. The trajectory analysis, which is defined as a process to discover sematics of the trajectory, enable an adaptive information distribution for the pedestrian's preference. We classified the analysis methods and their functions in this paper. Then we measured positions of 13 people in a BBQ event in order to prove the possibility of the system with the trajectory analysis. Finally, we obtained that the trajectory analysis is effective even if positioning systems are not so precise.
著者
星野 次汪 伊藤 誠治 谷口 義則 佐藤 暁子
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.63, no.1, pp.21-25, 1994-03-05
被引用文献数
5

粒大と品質との関係を明らかにするため, 1989/1990年, 1990/1991年に栽培したコユキコムギを用いて, 原粒を縦目篩を用いて大きさ別に分け, 原粒及び粒大別に製粉された60%粉の粗タンパク含有率, 灰分含有率及びコムギ粉生地の物性などについて試験を行った. 粒大が大きいほど千粒重は大きく, 3.0mmの粒は1.8mmの粒の約3倍の重さであった. 粗タンパク含有率は1989/1990では粒大が大きいほで高くなったが, 1990/1991ではいずれの粒大でもほぼ一定の値であった. 灰分含有率は1989/1990では2.4mm, 1990/1991では2.6mmの粒が最も低く, それより粒大が大きくなるかあるいは小さくなるにしたがって高くなった. 製粉歩留は, 粒大が大きいほど高くなり, 粒大間に1%水準の有意差が認められた. 粉の比表面積(cm^2/g)は粒大が大きいほど小さかった. 粉の白さ(R455), 明るさ(R554)は粒大が大きいほどその値は大きかったが, 胚乳の色づき(logR 554/R 455)は逆に小さかった. ファリノグラムの特性値(Ab, DT, Stab., V. V, Wk)及びアミログラム最高粘度は粒大間で有意差が認められなかったが, エキステンソグラムの各特性値のうち, 面積は1.8mmの粒を除けば粒大が小さいほど大きく, 伸長抵抗は粒大の大きいもの及び小さいものが小さかった. これらのことから, 大粒は, 灰分含有率が低く, 製粉歩留が高く, 粉色相が優れているが, ブラベンダー特性はやや小粒の方が優れていた.