著者
澁谷 徹 丹羽 均 金 容善 高木 潤 旭 吉直 崎山 清直 市林 良浩 米田 卓平 松浦 英夫
出版者
一般社団法人 日本有病者歯科医療学会
雑誌
有病者歯科医療 (ISSN:09188150)
巻号頁・発行日
vol.6, no.1, pp.21-26, 1997-12-30 (Released:2011-08-11)
参考文献数
12

大阪大学歯学部附属病院リスク患者総合診療室で管理を行った絞扼反射が強い患者37人について検討を行った。絞扼反射の程度を染矢の分類に従って, 軽症, 中等度, 重症の3つに分類し, 歯科治療時の管理方法と絞扼反射の有無を調べた。軽症2例, 中等度61例, 重症56例, 計119症例の管理を行った。管理内容は, (1) 笑気吸入鎮静法, (2) ジアゼバムまたはミダゾラムによる静脈内鎮静法, (3) 笑気吸入・ミダゾラム静脈内投与併用による鎮静法, (4) 笑気吸入・モルヒネ静脈内投与併用による鎮静法, (5) 笑気吸入・ジアゼパム・モルヒネ静脈内投与併用による鎮静法, (6) 全身麻酔の6種類であった。軽症2例はいずれも笑気吸入鎮静法で歯科治療が可能であった。中等度の症例では, 笑気吸入が最も多く61例中30例 (49%), ジアゼパムまたはミダゾラムの静脈内鎮静法が16例 (26%), 笑気・ミダゾラム併用が2例 (3%), 笑気・モルヒネ併用が10例 (16%) であった。また笑気・ジアゼバム・モルヒネ併用によっても歯科治療が不可能なために全身麻酔を行った症例が1例あり, 笑気・モルヒネ併用で治療は可能であったが, 患者が多数歯の集中的治療を希望したため全身麻酔を行った症例が1例あった。重症の症例はジアゼパムまたはミダゾラムによるものが最も多く56例中32例 (57%) で, 次に笑気が12例 (21%), 笑気・モルヒネ併用が11例 (20%) であった。笑気・モルヒネ併用のうち1例は治療不可能なために全身麻酔によっておこなった。
著者
川添 由貴 横江 千寿子 林 正祐 井上 美香 前川 博治 竺 珊 丹羽 均
出版者
一般社団法人 日本歯科麻酔学会
雑誌
日本歯科麻酔学会雑誌 (ISSN:24334480)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.135-137, 2020-10-15 (Released:2020-10-15)
参考文献数
6

A bronchial fiberscope (BFS) is an endotracheal intubation device for obtaining a clear view of various intubation devices in difficult intubation situations. However, intubation can still be difficult even if a BFS is used, and various additional intubation aids may be required. We report a patient with cervical kyphosis in whom the insertion of a BFS into the trachea was difficult despite a clear view of the glottis.  A 24-year-old man with autism, mental retardation, and severe head anteflexion resulting from cervical kyphosis was scheduled to undergo dental treatment under general anesthesia. During tracheal intubation, the patient’s glottis could not be visualized using either a GrideScope® or a McGRATHTM because of a narrow oral cavity caused by trismus and impaired anterior sliding of the mandibles. We used a BFS and obtained a clear view of the glottis but were unable to advance the tip of the BFS to the glottis because of the large distance between the glottis and the BFS tip. We then used a Deschamps needle inserted into the oral cavity to change the direction of the intubation tube and succeeded in achieving tracheal intubation. Deschamps needles are instruments that were originally used in ophthalmic surgery. We believe that Deschamps needles could be useful instruments during intubation, especially in cases with narrow oral cavities.
著者
丹羽均
雑誌
漢方医学
巻号頁・発行日
vol.29, pp.233, 2005
被引用文献数
1
著者
杉村 光隆 丹羽 均
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

女性ホルモンであるエストロゲンの神経障害性疼痛に対する修飾作用を卵巣摘出(OVX)ラットを用いて検討した。行動学的手法により、エストロゲンは神経障害性疼痛の急性炎症期には増悪因子として、慢性期には減弱因子として作用することを明らかにした。本研究では、特に急性炎症期におけるエストロゲンの作用に着目し、研究を行った。具体的には、炎症性疼痛に重要な役割を担うカプサイシン受容体であるTRPV1とANO1の発現量に及ぼすエストロゲンの影響を検討した。その結果、エストロゲンがTRPV1やANO1の発現量を亢進させることで、炎症性疼痛を増悪させることが示唆された。