著者
多田野 康太 諸江 雄太 長嶺 圭祐 廣嶋 俊 戸塚 亮 乃美 証 鷺坂 彰吾 山下 智幸 林 宗博
出版者
日本救急医学会関東地方会
雑誌
日本救急医学会関東地方会雑誌 (ISSN:0287301X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.151-153, 2022-12-28 (Released:2022-12-28)
参考文献数
9

症例は20代, 男性。都内駅構内で何者かに突然液体をかけられ受傷した。現場で脱衣, 少量の流水で洗浄し日本赤十字社医療センターへ搬送された。現場で活動中の消防隊により液体はオキシ硫酸バナジウムと判明した。硫酸による化学熱傷と診断し, 来院時に多量の流水で洗浄し外用薬剤治療を開始した。受傷後約1週間後に上記受傷部を計10%程度のSDB~DDB相当と診断し, その後も軟膏による保存的治療を行った。さらに両側の角膜損傷も認めたため, 生理食塩液で眼球洗浄を行った。角膜損傷は両側角膜上皮欠損と診断され, ステロイドの内服と羊膜移植の後に, 治療用ソフトコンタクトレンズを使用した。皮膚, 角膜ともに良好な上皮化を得て, 受傷後約1カ月で退院した。その後外来治療を継続し, DDB相当の受傷部位は一部ケロイド瘢痕化, その他の部位は色素沈着となった。アシッドアタックによる化学熱傷は初期の十分な洗浄が重要である。
著者
金子 賢人 石坂 正大 千葉 康平 山下 智幸 乃美 証 田中 清和 髙橋 仁美 久保 晃
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.537-542, 2022 (Released:2022-12-15)
参考文献数
13

〔目的〕重症COVID-19肺炎で入院し,自立歩行で退院した患者の特徴を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕集中治療室でリハビリテーションを実施した112例を対象に,退院時の歩行の可否で自立群(76名)と非自立群(36名)を基礎情報,呼吸機能,身体機能,離床状況を2群で比較,検討した.〔結果〕自立群と非自立群は,年齢(55.8 ± 12.3 vs 66.7 ± 13.0歳),せん妄(12 vs 12名),Sequential Organ Failure Assessment score(SOFA)スコア(7 vs 8),ferritin(1813 vs 1168 ng/mL),挿管期間(6.1 vs 11.1日)で有意差がみられた.〔結語〕自立群では,年齢,せん妄,SOFAスコア,ferritin,挿管期間が関係することが示唆された.