著者
金子 賢人 松田 雅弘 千葉 康平 山下 智幸 刀祢 麻里 粟野 暢康 久世 眞之 猪俣 稔 林 宗博 出雲 雄大 森本 正
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.547-551, 2021 (Released:2021-08-20)
参考文献数
12

〔目的〕新型コロナウイルス感染症(COVID-19)群と細菌性肺炎群の身体機能と経過について検討する.〔対象と方法〕入院前ADLが自立していた患者で,入院中に人工呼吸管理を行ったCOVID-19患者12例,または細菌性肺炎患者10例を比較検討した.〔結果〕COVID-19群の入院からリハビリテーション開始までの期間は,細菌性肺炎群の入院からリハビリテーション開始までの期間と比較して有意に遅延していた.しかし,リハビリテーション介入を実施することで身体機能や基本動作能力が向上する傾向にあり,対照群との身体機能の回復傾向は同等であった.〔結語〕COVID-19患者においても早期からリハビリテーションを開始する必要性があることが示唆された.
著者
千葉 康平 金子 賢人 出雲 雄大 山下 智幸 林 宗博 田中 清和
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.627-633, 2022 (Released:2022-12-15)
参考文献数
34

〔目的〕重症新型コロナウイルス感染症(COVID-19)患者に対する腹臥位療法実施前後の呼吸機能を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕2020年3月~2021年11月に日本赤十字社医療センターで人工呼吸器管理を行ったCOVID-19患者24例を対象とした.対象群における腹臥位療法実施前後での呼吸機能を比較検討した.呼吸機能の指標には,血液データからP/F比と人工呼吸器のグラフィックモニターからPpeak,PEEP,⊿P,Cstatを用いた.〔結果〕腹臥位療法実施後,P/F比とCstatは有意に増加していた.腹臥位療法実施後,PpeakとPEEP,⊿Pは減少していたが有意差はなかった.〔結語〕重症COVID-19患者に対する腹臥位療法実施は,呼吸状態改善に寄与することが示唆された.
著者
金子 賢人 石坂 正大 千葉 康平 山下 智幸 乃美 証 田中 清和 髙橋 仁美 久保 晃
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.6, pp.537-542, 2022 (Released:2022-12-15)
参考文献数
13

〔目的〕重症COVID-19肺炎で入院し,自立歩行で退院した患者の特徴を明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕集中治療室でリハビリテーションを実施した112例を対象に,退院時の歩行の可否で自立群(76名)と非自立群(36名)を基礎情報,呼吸機能,身体機能,離床状況を2群で比較,検討した.〔結果〕自立群と非自立群は,年齢(55.8 ± 12.3 vs 66.7 ± 13.0歳),せん妄(12 vs 12名),Sequential Organ Failure Assessment score(SOFA)スコア(7 vs 8),ferritin(1813 vs 1168 ng/mL),挿管期間(6.1 vs 11.1日)で有意差がみられた.〔結語〕自立群では,年齢,せん妄,SOFAスコア,ferritin,挿管期間が関係することが示唆された.