著者
津田 健 久保内 昌敏
出版者
日本海水学会
雑誌
日本海水学会誌 (ISSN:03694550)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.14-21, 1998 (Released:2013-02-19)
参考文献数
12

The polymeric materials, which have been generally considered to be good corrosion resistant material, are also degraded according to environments. The degradation behavior of polymeric materials can be classified into physical and chemical process. The later behavior in which molecular chain are cut chemically are called as corrosion. In this paper, the behavior, form and mechanism of corrosion of thermosetting resins used as matrix of GFRP (glass fiber reinforced plastics) under several solutions are mainly reviewed based on our experiments. The degradation behavior of GFRP are also mentioned briefly.
著者
浜村 武広 久保内 昌敏 青木 才子 吉田 治 江島 光彦 酒井 哲也
出版者
公益社団法人 腐食防食学会
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.61, no.4, pp.182-187, 2012-04-15 (Released:2012-12-01)
参考文献数
23

アセタールコポリマー (Co−POM)の硝酸(HNO3)水溶液下における腐食機構とそのモデル化について検討を行った.劣化度合は,質量および分子量変化によって評価した.硝酸水溶液における質量変化は,潜伏期間後に直線的に減少した.SEC測定結果から,HNO3水溶液によるCo-POMに対する腐食は表面近傍を主体に進展し,内部は初期状態を維持していたことから,その腐食形態は腐食層形成型と一致した.加水分解反応によるCo-POMの腐食速度式は,試料表面の分子量低下から得た反応速度定数を用いて算出した.次に,質量変化(湿潤−乾湿試料)を用いて,HNO3水溶液のCo−POM内への拡散係数を求め,これによって得られる試料内の経時的な濃度分布変化と先の腐食速度式を組み合わせることにより,Co−POMの腐食速度を数値解析により求めた.解析結果と実験結果はおおむね良好な一致を示し,この手法で速度論的なモデル化を行うことが可能であることを示した.
著者
仙北谷 英貴 山本 秀朗 党 偉栄 久保内 昌敏 津田 健
出版者
合成樹脂工業協会
雑誌
ネットワークポリマー (ISSN:13420577)
巻号頁・発行日
vol.23, no.4, pp.178-187, 2002 (Released:2012-08-20)
参考文献数
11
被引用文献数
1

ケミカルリサイクルを行う目的で3種類のエポキシ樹脂を80℃の4mol/1およひ6mol/1の硝酸水溶液により分解した.DDM (diaminodiphenylmethane) 硬化ビスフェノールF型エポキシ樹脂では, 樹脂は4molAで約400時間, 6mol/1で80時間の分解時間を要した.DDS (diaminodiphenylsulfone) 硬化TGDDM (tetraglycidyldiaminodiphenylmethane) 型エポキシ樹脂は, 4mol/1では約50時間, 6mol/1では約15時間で分解した.硝酸水溶液から酢酸エチルによって抽出された化合物の分析の結果, C-N結合の開裂とニトロ化が起こっていることが明らかになった.また, 一般的に耐酸性の高い酸無水物硬化エポキシ樹脂について, 樹脂主剤の化学構造の中にC-N結合をもつ無水メチルハイミック酸硬化TGDDM型エポキシ樹脂を硝酸水溶液で分解させた.4molA硝酸水溶液では約80時間, 6mol/1では約250時間で分解し, 本手法が酸無水物硬化エポキシ樹脂にも応用可能であることが明らかになった.分解生成物の分析結果から, 回収された分解生成物を再重合する目的であればビスフェノールF型エポキシ樹脂の4mol/1硝酸水溶液による分解が優れ, 単純に廃棄物処理するだけであればDDS硬化TGDDM型エポキシ樹脂を6mol/1硝酸水溶液で分解させる方法が最も適していることが明らかになった.
著者
久保内 昌敏
出版者
Japan Society of Corrosion Engineering
雑誌
Zairyo-to-Kankyo (ISSN:09170480)
巻号頁・発行日
vol.51, no.12, pp.542-548, 2002-12-15 (Released:2011-12-15)
参考文献数
30
被引用文献数
2 1

Corrosion behavior of polymeric materials was studied. The form of degradation of organic materials were classified and arranged, then the behavior and mechanism of it were explained from unified approach method from relativity of the diffusion and reaction rate and the structure of corrosion product point of view. Furthermore, form an analogy of metallic corrosion theory, the degradation of polymeric materials mainly on thermosetting resins was explained.