著者
伊木 惇 亀井 清華 藤田 聡
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.2461-2475, 2014-11-15

ecサイトにおける商品のレビューは,商品購入の意思決定に大きく関わり,価値ある情報として注目されている.一方で,ステルスマーケティングを目的とした,レビュースパムと呼ばれる信頼性の低いレビューの投稿が問題となっている.既存研究では,レビューの文章などから,それらスパムを検知する取り組みが行われてきた.しかしながら依然として,すべてのスパムの検知は難しい.さらに,レビューを読むユーザ自身が判断するにも,信頼性を判断するための情報は十分でない.また,ユーザは,ウェブ上の情報に対して,ある程度信じやすいという報告もされている.そのため,ユーザが信頼性を意識し,判断するための機構が必要である.よって,本稿ではecサイトにおけるレビューを対象とした信頼性を判断するための支援システムを提案する.具体的には,レビューの信頼性を表す指標として,類似性,協調性,集中性,情報性という4つの信頼性指標を定義し,各指標ごとのスコアを求める.そして,レビューごとにそのスコアを可視化して提示する.それにより,ユーザ自身に信頼性を意識してレビューを読むように促すとともに,信頼性判断がしやすくなるよう支援を行うことが可能となる.本研究では,これらの指標を用いた判断支援を行うシステムを構築し,評価を行った.その結果,提案システムにより,ユーザの信頼性に対する意識を促すとともに,有効な判断支援が行えることが確認できた.Reviews of products in e-commerce sites such as Rakuten have attracted as valuable information. On the other hand, in such the sites, unreliable reviews called review spam have become a big issue. In existing works, they proposed various methods to detect the spam. However, spam detections play a cat-and-mouse game with new type of spam, and any spam detections are not enough for the issue. Therefore, for users, mechanisms to support judgments of the credibility of each review are necessary. Thus, we proposed a support system to judge the credibility for reviews in e-commerce sites. Specifically, we define four credibility indicators to represent how much each review is spammy. Then, our support system calculates scores for each indicator and provides the scores for users. In this paper, we built a prototype system and evaluated the system by questionnaires. As a result, by using our system, it was confirmed that it is possible to enhance awareness of credibility for users.
著者
田熊 浩二 福原 楓 亀井 清華 藤田 聡
雑誌
第78回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2016, no.1, pp.517-518, 2016-03-10

ホテル予約サイトにある主な情報はホテルのホームページ、口コミ、口コミ投稿者による評価である。ユーザはこれらの情報を参考にしてホテルを決めるが、増加し続ける投稿の中からユーザ自身の価値観に似た口コミや投稿者の評価を見つけるのは大変である。そこで、投稿者によるホテル評価の平均が高い順にホテルを推薦するのではなく、口コミから投稿者の嗜好を自動で抽出し、ユーザの嗜好と一致する投稿者の評価を重視した評価にすることで、推薦精度の向上を図った。そして、ユーザに条件のみ、嗜好のみ、嗜好と条件を元にした手法の3つで推薦されたホテルの中でそれぞれ泊まりたいホテルを選択してもらい、その結果を比較し、評価を行った。
著者
伊木 惇 亀井 清華 藤田 聡
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.55, no.11, pp.2461-2475, 2014-11-15

ecサイトにおける商品のレビューは,商品購入の意思決定に大きく関わり,価値ある情報として注目されている.一方で,ステルスマーケティングを目的とした,レビュースパムと呼ばれる信頼性の低いレビューの投稿が問題となっている.既存研究では,レビューの文章などから,それらスパムを検知する取り組みが行われてきた.しかしながら依然として,すべてのスパムの検知は難しい.さらに,レビューを読むユーザ自身が判断するにも,信頼性を判断するための情報は十分でない.また,ユーザは,ウェブ上の情報に対して,ある程度信じやすいという報告もされている.そのため,ユーザが信頼性を意識し,判断するための機構が必要である.よって,本稿ではecサイトにおけるレビューを対象とした信頼性を判断するための支援システムを提案する.具体的には,レビューの信頼性を表す指標として,類似性,協調性,集中性,情報性という4つの信頼性指標を定義し,各指標ごとのスコアを求める.そして,レビューごとにそのスコアを可視化して提示する.それにより,ユーザ自身に信頼性を意識してレビューを読むように促すとともに,信頼性判断がしやすくなるよう支援を行うことが可能となる.本研究では,これらの指標を用いた判断支援を行うシステムを構築し,評価を行った.その結果,提案システムにより,ユーザの信頼性に対する意識を促すとともに,有効な判断支援が行えることが確認できた.
著者
伊木惇 亀井清華 藤田聡
雑誌
第76回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2014, no.1, pp.633-634, 2014-03-11

インターネットの発展に伴い,口コミサイトのレビューなど個人の意見を投稿する機会が増えてきた.そのような意見は有益である一方で,ステルス マーケティングなどによる信頼性の低い情報も増えてきている.そのため,信頼性の低い情報を判断するための機構が必要であると考えられる.よって,本稿では口コミサイトにおけるレビューを対象とした,信頼性を判断するための支援システムを提案する.具体的には,レビューの信頼性に関係する指標を定義し,各指標毎のスコアを求める.そしてレビュー毎にそのスコアを可視化して提示することでユーザの信頼性に関する判断支援を行う.
著者
亀井 清華
出版者
広島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010-04-01

動的無線ネットワークに適した分散アルゴリズムとして,安全に収束する自己安定分散アルゴリズムの研究をおこなった.これは,故障が起こった後の任意の状況から短時間で(解の質を問わない)安全な状況に遷移し,そこからは安全性を崩さずに最適解に収束するという性質を持つ分散アルゴリズムである.様々な最適化問題にモデル化される分散問題について,この性質を持つ分散近似アルゴリズムの設計を行った.