著者
太田 博崇 工藤 安澄 井手 麻友美 嶋田 隆介 田邉 秀聡 池崎 修 近藤 恵里 横山 政明 田部井 弘一 山口 高史 原田 徹 二階堂 孝 柳田 修 高橋 信一
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会 関東支部
雑誌
Progress of Digestive Endoscopy (ISSN:13489844)
巻号頁・発行日
vol.96, no.1, pp.173-175, 2020-06-26 (Released:2020-07-07)
参考文献数
6

The patient was a 66-year-old woman who had not been to the hospital or taking any medication. She visited our hospital with chief complaints of fever, headache, and general malaise. Blood tests showed an abnormally high inflammatory response. Chest, abdominal, and pelvic plain CT did not reveal any obvious abnormalities that could cause inflammation.Streptococcus bovis was detected in blood cultures. Because of the high incidence of colorectal lesions related with the bacterium, a lower gastrointestinal endoscopy showed an advanced colonic cancer in the ascending colon. A laparoscopically assisted right hemicolectomy was performed.It is a rare case of advanced colorectal cancer discovered by bacteremia caused by S. bovis.
著者
河野 修三 下田 忠和 飯野 年男 二階堂 孝 梅田 耕明 桜井 健司
出版者
一般社団法人 日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.28, no.1, pp.72-76, 1995 (Released:2011-06-08)
参考文献数
18
被引用文献数
2 3

症例は68歳の女性. 平成5年7月に左鼠径部の有痛性腫瘤を主訴に来院し, 大網のヘルニア嵌頓の診断にて手術を施行した. ヘルニア嚢には3×2cmの腫瘤を認め, 同部を切除した. 病理検査の結果が転移性腺癌であったため, 生殖器および消化器の精査を行い諸検査で異常所見を認めなかったため, 腹腔鏡検査に引き続き, 開腹手術を施行した. 大網には多発性散在性に瘢痕様病巣が存在したので大網網嚢切除を施行した. 大網およびヘルニア嚢腫瘤の病理組織学的検査から腹膜原発漿液性乳頭腺癌と診断した. ヘルニア嚢に悪性腫瘍を発見することはまれなことである. 腹膜原発の漿液性乳頭腺癌は比較的まれな疾患であるが, 腹水貯留による腹部膨満感や腹部腫瘤触知により診断されることが通常である. ヘルニア嚢の腫瘤より同疾患が診断された報告はほかになく, 非常に興味深い症例と考えた.