- 著者
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互 恵子
高田 定樹
- 出版者
- 日本化粧品技術者会
- 雑誌
- 日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
- 巻号頁・発行日
- vol.47, no.2, pp.128-134, 2013-06-20 (Released:2015-08-25)
- 参考文献数
- 13
対人コミュニケーションの非言語行動は言語行動とともに,心理的意味を生じさせる。特に外見的特徴は第一印象の形成に影響する。店頭の対面場面を設定し,視線計測より,販売員の外見による顧客の印象形成を視覚的注意の応答から検討した。実験参加者は日本人や中国,北米,ドイツ等の出身者とした。販売員モデルの姿・形の外見を整えた場合と整えない場合のどちらも,顧客を想定した観察者の視線の停留の時間と回数は顔部分で最も大きく,印象評価より目線や表情が重要であった。外見を整えない場合はモデルの身体部分への注視が増加し,印象評価より姿勢や手の位置との関連が高かった。対面相手の顔は文脈の影響を受けないが,身体は文脈の影響を受け,非言語情報となることが示唆された。美容コンサルテーションの販売員と顧客の関係性では,文脈に合わせ,外見を整えることで,顧客の視線が商品に誘導されることが示され,販売につながることが予想された。