著者
五十嵐 保
出版者
社団法人 日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会誌「ながれ」 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.19, no.4, pp.253-262, 2000-08-30 (Released:2011-03-07)
参考文献数
4

静水に浮く正方形断面棒の姿勢を解析した.メタセンター (metacenter) や水線面の二次モメント等の専門知識およびポテンシャル・エネルギー最小の原理も用いずに, アルキメデスの原理と解の存在条件のみから解を求めることができた.角材の比重σとその傾き角φとの関係を求め, その姿勢の変化を図示した.また, 喫水線と最大喫水深さも求めた.角材の比重σ= (3-/3) /6~9/32およびσ=23/32~ (3+/3) /6のごく狭い範囲で, 傾き角φは0~45°あるいは45~0°に激変する.さらに種々の木材を用いて検証実験を行った.実際の木材は均一質でないため, 木材の姿勢は解析結果よりわずかにずれる.これは重心のずれにより説明される.
著者
五十嵐 保 中村 元
出版者
日本流体力学会
雑誌
ながれ : 日本流体力学会誌 (ISSN:02863154)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.195-203, 2005-04-25
被引用文献数
3

清涼飲料水等の缶は適量の飲料水があれば傾き角46°&acd;53°で斜めに立つ.缶底部の外周に深い絞りがあり, 2点支持となりバランスする.なお, 缶が満タンでも空でも缶は倒れる.本報告では, この缶が斜めに立つ安定解析を行った.缶の形状は複雑なので, 簡単な形状の有限長円筒にモデル化した.缶の直径d, 高さhと重さmおよび缶の重心高さh_Gと傾斜角Φを与えた.缶が斜めに立つための条件式と飲料水の最小容積V_<min>および最大容積V_<max>を解析より求め, 上述の変数で記述した.各種缶の解析結果は実験値とよく致した.
著者
佐藤 努 巻田 由美子 熊澤 茂則 岡田 裕史 五十嵐 保正
出版者
千里金蘭大学
雑誌
千里金蘭大学紀要 (ISSN:13496859)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.111-117, 2012-12-25

ニジマスはデリケートであり取扱いや環境によるストレスを受けやすい。ニジマスに水産業界で一般的に行われている水氷締めを施し氷蔵したところ、魚体の硬直の度合は死後30分後に最大に達し、その後、軟化を含めた品質の劣化が速やかに進んだ。この劣化の速さは苦悶死魚にも匹敵するものであり、手法の変更が望まれた。そこで、広く海水魚に適用されている延髄切断、それに引き続いての脱血と針金による脊髄破壊を施し、その効果を先の水氷締めの場合と、魚体の死後硬直と魚肉中ATP関連物質量の経時変化から比較した。その結果、脊髄破壊の手法によりニジマスの死後変化が10時間以上遅延することが判明した。これは死後すぐに脊髄の自律神経を破壊することで死後硬直を早める要因となる筋肉中のATP消費を抑えることができたためと考えられるが、脊髄破壊魚は、単に延髄切断を施した魚よりも解硬が緩やかであることも認められた。また氷蔵ニジマスにおいては、硬直指数とうまみ物質IMP含量の増減パターンが非常に類似しており、延髄破壊魚、水氷締め魚ともに魚体の最大硬直時にはIMP含量が最大値に達した。 延髄切断、脱血、そして脊髄破壊という一連のプロセスによりニジマスの鮮度は保持されることが判ったが、ストレスを与えない安定的な処置が難しいこともATP残存量における個体差の大きさから推察された。実用にあたっては、さらにストレスを除く方向性とともに、延髄切断と脱血にとどめ,不用なストレスをかけない方向性も提案される。
著者
五十嵐 保隆 金子 敏信 橋口 陽介 江口 悠 末吉 隆太郎 村井 貴広 福島 誠治 八野 知博
雑誌
インターネットと運用技術シンポジウム2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.1-7, 2012-12-06

CLEFIA は 2007 年に SONY の白井らが提案したブロック暗号アルゴリズムである。ブロック長は 128 ビットであり、鍵長は 128、192、256 ビットがサポートされている。データ攪拌部の段数は鍵長によって異なり、鍵長が 128、192、256 ビットの場合それぞれ 18 段、22段、 26 段となっている。これまでに、 CLEFIA の 8 段目出力 128 ビット中の 64 ビットについては、その 96 階差分がゼロとなる特性が知られており、我々はこの特性を利用した CLEFIA の 11 段 96 階差分攻撃を報告している。この攻撃には選択平文数 298.3、暗号化計算量 2159 を要する。本稿では Ferguson らが提案した部分和法を用いて、解読時の中間データの mod2 頻度分布表を逐次導出することにより攻撃に要する計算量を削減する。さらに攻撃方程式の計算過程において、繰り返し計算ループの入れ子構造を採用し、入れ子の順序を適切に設定することにより計算量を削減し、 11 段 96 階差分攻撃を高速化できることを報告する。結果としては従来よりも 251.4 倍高速化でき、選択平文数 298.3、平均暗号化計算量 2107.6 で攻撃できることを示す。
著者
五十嵐 保 遠藤 貴宏
出版者
一般社団法人 日本写真測量学会
雑誌
写真測量とリモートセンシング (ISSN:02855844)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.111-117, 2014 (Released:2015-07-01)
参考文献数
3
被引用文献数
1

GPM (global precipitation measurement) core observatory was launched by H-IIA・F23 rocket on 28 February, 2014 successfully. The first light images by mission instruments ; DPR (dual-frequency precipitation radar) and GMI (GPM microwave imager) were released on 25 March, 2014 by JAXA/NASA, which are verifying qualitative precipitation intensity in vertical and horizontal distribution. This review is describing overview of GPM core observatory with DPR, GMI, status of GPM constellation satellites, and GSMaP (global satellite mapping of precipitation).