著者
松村 年郎 井上 哲男 樋口 英二 山手 昇
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
日本化学会誌
巻号頁・発行日
vol.1979, no.4, pp.540-545, 1979

著者らが開発したホルムアルデヒド自動計測器を東京都内の国設自動車解説ガス霞ケ関測定所に収納し,1968年から常時測定を実施している。本報は最近9年間(1968~1976)のホルムアルデヒド濃度の測定結果をまとめたもので,つぎのようなことがわかった。<BR>ホルムアルデヒド濃度の1時間値は1ppbから73ppb,日平均値は1ppbから27ppb,月平均値は3.1ppbから19.1ppb,年平均値は4.6ppbから10.5ppbであった。ホルムアルデヒド濃度の日平均値は対数正規分布を示すことが認められた。ホルムアルデヒド濃度の日平均値とその目の瞬間最高値との関係はおおよそ1:2である。ホルムアルデヒド濃度は正午頃がもっとも高く,季節的には6月から8月の夏季に濃度が高く,とくに高濃度ホルムアルデヒド(1時間値20ppb以上)の出現には光化学反応が関与していることが認められた。
著者
沢野 俊彦 田中 [トル] 井上 哲男
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
衛生化学 (ISSN:0013273X)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3, pp.202-206, 1965-09-30 (Released:2008-05-30)
参考文献数
2

Recently, public bath houses which are provided with the circulating purifier are increasing in the Yokohama City. In this report, effects of the circulating purifier on the chemical pollution of bath water were investigated. Fifteen public bath houses in the city were selected, and the water was examined. The following results were obtained. The attached purifiers showed a remarkable effect on the turbidity and color of bath water. About the consumption of permanganate and the quantity of urea, the degree of pollution increased with the number of bathers, but the effect of the purifier was considerable.
著者
冨田 義人 石井 克幸 丸尾 健二 井上 哲男 村上 隆彦
出版者
神戸商船大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

1.全空間における非線形楕円型方程式(*)F(x,u,Du,D^2u)=0 in R^nの粘性解が一意に存在するための解のクラスをFの構造と関連させて決定した.主結果を粗く述べると、F(x,u,p,X)がpに関してm(m≧1)次の多項式、xに関してμ(μ≧1)次の多項式のようなふるまいをし、mとμとの間に1<μ<m/(m-1)が成立するならば、(*)は一意的な粘性解をもつ(この結果はAdv.in Math.Sci.and Appl.Vol.2に公表された).今後の課題はmとμとの関係が最良であるか吟味することである.2.交付申請書の実施計画に沿って、粘性解を扱うことの利点を示す偏微分方程式を考察した.領域の内部で退化が起こるDirichlet問題(**)-LAMBDA(x)Δu(x)+c(x)u(x)=f(x)in B={xεR^n;|×|<L}、u=β on |×|Lを考える.ここで、L>1,N≧2,LAMBDA(x)=(1-|×|)^λ(|×|<1のとき);=(|×|-1)^λ(1<|×|<Lのとき)である.|×|=1の球面上で方程式は退化していることを注意したい.この問題に対して、(1)c(x),f(x)がradialな関数で、0<λ<2を仮定するとき、(**)は|×|=1の球面上で u(x)=f(x)/c(x)をみたすradialな粘性解をもつ.(2)0<λ<1ならば、(**)は最大解および最小解をもち、かつ、これらの間に無数の粘性解が存在する.(3)1≦λ<2ならば、(**)は一意的にradialな粘性解をもつなどを証明した.これらの結果については投稿中である。今後の課題はradialでないc(x),f(x)および非線形を扱うことである.3.石井は主として、衝撃制御問題、ジャンプを伴う確率制御問題および確率微分ゲーム問題などから導かれる非線形楕円型偏微分方程式に対する粘性解の一意性と存在を考察した.