著者
吉岡 敦之 井倉 洋二
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース
巻号頁・発行日
vol.126, 2015

自然体験活動は、しばしば少年自然の家などの公的機関やNPO法人などの非営利団体によって実施されるが、営利企業である学習塾が行っている例もある。学習塾が自然体験活動を実施するということは、本業である教育面、あるいは経営面で活かされる企業戦略であるとも考えられる。そこで、本研究では、実際に自然体験活動を取り入れている大手学習塾E社社員に対して聞き取り調査を行い、得られた内容から考察できる教育的・経営的効果をまとめた。九州でトップレベルの進学率を誇るE社は、1979年の創業以来、社会で自立できる子どもを育てるという教育理念に基づき自然体験活動を実施している。2012年から有限会社Y社と提携し、Y社の農園で通年の自然体験活動を開始した。この自然体験活動を通して、目の前の問題に対して工夫して効率化を図る問題解決能力や、団体行動での成功体験による積極性の向上といった直接的効果に加え、日常の教室においても、学習意欲の向上、体験を通した学習内容のイメージ化といった面で教育的効果がみられることが分かった。また、経営的効果としては、外部からのイメージアップや、保護者の高い評価などに繋がることが分かった。
著者
姚 俊学 吉村 和久 栗崎 弘輔 井倉 洋二 高相 徳志郎
出版者
公益社団法人 日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.60, no.10, pp.785-789, 2011 (Released:2011-11-28)
参考文献数
10
被引用文献数
2 3

クロモトロープ酸を担持した長さ1 cmの陰イオン交換カラムを用いて,既に報告した微量ホウ素のオンライン吸光光度定量法の改良を行った.pHを3にした試料を流すだけでカラム内での錯生成を促進することができ,その後pHを8に変えて段階溶離を行うことで,ホウ素を安定な錯体として未反応の呈色試薬などから分離できた.その吸光定量を350 nmで行った.試料3.2 cm3を用いたときの分析時間は約12分,検出限界は0.06 μg dm−3であった.既報に比べて,分析時間および感度を大幅に改善できた.本法を琉球列島西表島の天然水中のホウ酸の分析に応用した.降雨および二つの河川水中のホウ素濃度は,それぞれ3.1~40.8,20.3~28.5,14.7~20.9 μg dm−3であった.いずれの場合も,非海塩性由来のホウ素の分率は高く,アジア大陸からの長距離移流によるものであることが示唆された.