著者
志智 莉永 井坂 行男
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要. 第4部門, 教育科学 = Memoirs of Osaka Kyoiku University (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.65, no.2, pp.19-26, 2017-02

本研究では,聴覚障害児に対する音楽科指導の現状や今後の在り方を検討するために,聴覚特別支援学校小学部の音楽科指導に関する質問紙調査を実施した。第一次調査の結果,音楽科の4つの活動のうち音楽づくりの活動の実施率の低さ,指導の際の音の聴取における困難及び指導方法等での困難が多く挙げられた。また,活動毎の内容に関連する効果が児童に認められること等も明らかになった。第二次調査の結果,拡大楽譜や映像といった視覚的な教材の使用が,児童の理解や関心を促せること,理解度や授業に取り組む態度を重視する個人評価が実施されていることが分かった。聴覚障害児に対する音楽科指導の一層の充実には(1)ICT機器の充実度の違い,(2)教員間での情報交流の場の設定,(3)4つの活動毎の実施率のばらつき,という3点が課題と考えられた。
著者
井坂 行男
出版者
大阪教育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

アフガニスタンの教員養成短期大学における特別支援教育教員養成課程開設のためのカリキュラム開発の基礎研究に取り組んだ。教育関連法規、現地ニーズやリソース、イスラム教、特別支援教育の現状、国家教育戦略計画等を踏まえて、教員養成短期大学の特別支援教育教員養成課程のカリキュラム原案を作成した。アフガニスタンの特別支援教育教員養成カリキュラム開発においては、イスラム教、国家教育戦略計画やインクルーシブ&チャイルドフレンドリー教育方針、関係者の合意形成、カリキュラム承認プロセス、カリキュラム開発と人材育成が必要であることなどに配慮したカリキュラム開発を考慮することが大切であると考えられた。
著者
井坂 行男 井賀 誠子 増田 朋美 仲野 明紗子 松岡 梨恵 原田 利子 内藤 志津香
出版者
大阪教育大学
雑誌
大阪教育大学紀要 4 教育科学 (ISSN:03893472)
巻号頁・発行日
vol.55, no.1, pp.33-49, 2006-09

本論文は聴覚障害を有する幼児の教育相談支援事例についての報告である。人工内耳を装用した幼児と他の障害を併せ有する幼児に対して,言語獲得支援を行った。その結果,コミュニケーション手段(手話)の獲得によって,情緒の安定,こだわりの減少,コミュニケーション意欲の向上が認められた。This paper is a case study of educational consultation support of infants with a hearing impairment. We gave support to an infant with Coclear Implant and an infant with other impairment for the language acquisition. As a result, It was admitted that they stabilized emotion, decreased the sticking to interesting things and improved the communications will by the acquisition of the communications means (Sign Language).