著者
小畠 時彦 井戸川 徹
出版者
一般社団法人日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.51, no.9, pp.679-689, 1995-09-01
被引用文献数
2

クラリネットの発音機構を記述するSchumacherの方程式[Acoustica 48,71-85(1981)]の解を計算した。リード変位とリード開口を通過する空気の体積流量に関する微分方程式は台形法を用いた差分方程式で近似した。楽器気柱の反射関数は簡単な負のGauss関数とし、その最小値は往復時間が0.5、1.0、3.4msのところに現れると想定した。3通りの特性インピーダンスの値(2.31、5.00、7.50×10^6kg/m^4s)に対して、吹鳴圧力を0からリード振動が励起される上限の値まで変化させ計算した結果、幾つかの例が得られた。カオス振動解は、上記の往復時間に対して、特性インピーダンスが高く、吹鳴圧力が低い領域で得られた。また、吹鳴圧力を階段状に次第に上昇下降させるとき振動状態の遷移にはヒステリシスが見られた。すなわち、吹鳴圧力以外のパラメータを固定した状態で、吹鳴圧力を上昇下降させるとき、その上昇過程と下降過程において吹鳴圧力が同じ値であっても得られる振動状態が異なる場合があった。
著者
中村 勲 井戸川 徹 田口 友康 永井 洋平 永井 啓之亮 足立 整治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.14, pp.1-12, 1998-02-13

音楽音響国際シンポジウム97(SMA'9)は1997年8月19日から22日まで、エジンバラ大学(エジンバラ、スコットランド)で開催された。会議は英国音響学会、Catgut音響学会とヨーロッパ音響学連合が共同して組織した。8月22日には古楽器に関する音響と技術について、Galpin学会と合同の幾つかのセッションが開催された。音楽音響のあらゆる分野にわたって、凡そ100篇の招待論文と投稿論文が発表された。この会議の概要と、大部分の発表論文についての要旨を報告する。The International Symposium on Musical Acoustics 1997 (ISMA'97) took place at The University of Edinburgh, Edinburgh, Scotland on 19-22 August 1997. The meeting was organized in association with the Institution of Acoustics (UK), the Catgut Acoustical Society and the European Acoustical Association. On August 22, several joint sessions were held with the Galpin Society on Historical Musical Instrument Acoustics and Technology. About 100 invited and contributed papers were presented, covering all areas of musical acoustics. An outline of this meeting and each abstract of almodt presented papers are reported.