著者
田中 秀幸 永井 啓之亮 水谷 孝一
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.148-155, 2000
参考文献数
8
被引用文献数
10

本研究の目的は, ピアノ1本弦の2次元的な振動を光学的に測定し, その性質を見出すことである。測定装置は単一のフォトトランジスタを用いた測定装置を2セット用意し, ピアノ弦の2次元振動の詳しい振る舞いを測定した。その結果, ハンマで垂直方向には叩かれた弦が水平方向の振動成分を持つのは, 駒からの寄与によるということが実験的に明らかにされた。また, 弦は2次元の回転運動をするが, その回転方向は周期的に入れ替わる。すなわち, 駒の与える境界条件によって, 垂直振動は水平振動よりもわずかに周波数が低くなる。更に, ピアノの1本弦から発生される音は従来言われているように2段減衰をするが, 調波成分によって, 減衰の仕方が大きく変わることが分かった。
著者
江原 史朗 永井 啓之亮 水谷 孝一
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.59, no.9, pp.541-549, 2003-09-01 (Released:2017-06-02)
参考文献数
23
被引用文献数
1

これまでの研究で報告されている唇の2次元振動は,実際に奏者が吹鳴した際の唇の軌跡とシミュレーションの軌跡ではその軌跡の傾きに違いが認められる。本論文ではこの軌跡の違いに着目し,人口吹鳴実験と数値計算によるシミュレーションの二つの手法を用いて解析を行った。唇が厚くなるに従って上唇先端部の振動は右上がりの軌跡から右下がりの軌跡に変化することを実験とシミュレーションの両方で示した。同様に唇が厚くなるに従って発振周波数が低くなることを示した。また,唇の厚みが増すに従って周波数の高い振動モードが励起されなくなり,同じ唇の固有振動数で異なる振動モードが励起され易くなることをシミュレーションで示した。
著者
本間 弘幸 水谷 孝一 永井 啓之亮
雑誌
日本音響学会研究発表会講演論文集 (ISSN:13403168)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.2, pp.627-628, 1995-09-01
参考文献数
3
著者
田中 秀幸 永井 啓之亮 水谷 孝一
出版者
一般社団法人 日本音響学会
雑誌
日本音響学会誌 (ISSN:03694232)
巻号頁・発行日
vol.56, no.3, pp.148-155, 2000-03-01 (Released:2017-06-02)
被引用文献数
1

本研究の目的は, ピアノ1本弦の2次元的な振動を光学的に測定し, その性質を見出すことである。測定装置は単一のフォトトランジスタを用いた測定装置を2セット用意し, ピアノ弦の2次元振動の詳しい振る舞いを測定した。その結果, ハンマで垂直方向には叩かれた弦が水平方向の振動成分を持つのは, 駒からの寄与によるということが実験的に明らかにされた。また, 弦は2次元の回転運動をするが, その回転方向は周期的に入れ替わる。すなわち, 駒の与える境界条件によって, 垂直振動は水平振動よりもわずかに周波数が低くなる。更に, ピアノの1本弦から発生される音は従来言われているように2段減衰をするが, 調波成分によって, 減衰の仕方が大きく変わることが分かった。
著者
中村 勲 井戸川 徹 田口 友康 永井 洋平 永井 啓之亮 足立 整治
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音楽情報科学(MUS)
巻号頁・発行日
vol.1998, no.14, pp.1-12, 1998-02-13

音楽音響国際シンポジウム97(SMA'9)は1997年8月19日から22日まで、エジンバラ大学(エジンバラ、スコットランド)で開催された。会議は英国音響学会、Catgut音響学会とヨーロッパ音響学連合が共同して組織した。8月22日には古楽器に関する音響と技術について、Galpin学会と合同の幾つかのセッションが開催された。音楽音響のあらゆる分野にわたって、凡そ100篇の招待論文と投稿論文が発表された。この会議の概要と、大部分の発表論文についての要旨を報告する。The International Symposium on Musical Acoustics 1997 (ISMA'97) took place at The University of Edinburgh, Edinburgh, Scotland on 19-22 August 1997. The meeting was organized in association with the Institution of Acoustics (UK), the Catgut Acoustical Society and the European Acoustical Association. On August 22, several joint sessions were held with the Galpin Society on Historical Musical Instrument Acoustics and Technology. About 100 invited and contributed papers were presented, covering all areas of musical acoustics. An outline of this meeting and each abstract of almodt presented papers are reported.